イタリア の経済学者で、ワルラス と パレートの熱心な支持者だったエンリコ・バローネは、ワルラスを説得して変動生産技術——つまりは限界生産性 ——をワルラス体系に組み込むようさせるにあたり大きな役割をはたした。だがバローネの最も有名な貢献は、有名な 1908 年論文で、「社会主義計算論争」の口火を切ったことだ。彼の立場は、後にテイラー や ランゲも採用したものだが、集産国家において計画期間が物価を計算し、最高の効率性を実現することは実際に可能だ、というものだった。だがかれは、それが資本主義経済より「高効率」になるとは思わなかった。
バローネはまた、有能な公共財政経済学者でもあった。1912 年の論考は、所得税と消費税/物品税の負担を、無差別曲線分析の適用で比較した初めての論文だ。「累進課税」方式の反対者としても雄弁だ。累進課税は、バローネがきわめてアヤシゲだと考えていた効用主義的計算に基づいているからだ。
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