修正主義的な国家社会主義から主権を奪取して、労働者運動を1840 年代や1850 年代に世界を震撼させた、プルードン やバクーニンの革命的アナルコサンディカリズムというルーツに引き戻そうとするフランスの「サンディカリスト」運動の頭脳となった、ときに理解しづらい人物。
自称マルクス主義者ながら、ソレルは「安楽椅子社会主義者」を大いに疑問視しており、特に「進歩」が不可避だとかつぶやく連中には我慢ならなかった。ソレルはむしろ、大規模ゼネストや労働者行動を主張した——それが労働者に対し、雇い主からちょっとした譲歩を引き出せるからではなく、資本主義の産業機械を継続的にじゃまして、いずれ生産手段を労働者が支配できるようにするためだ。最も有名な著作 (1908) でソレルは、社会経済的な行動の暴力的で非合理な動機を強調した (多くの点でパレートとも共通する)。群集を統一的な行動に駆り立てるため、意図的につくった「神話」が必要だというソレルの指摘は、1920 年代以降のファシストや共産主義者に活用された。
ジョルジュ・ソレル自身は、中産階級出身のエンジニアで、執筆を開始したとき (1892) には引退していた。そして20 世紀初期にサンディカリストたちが実施した、実際のサボタージュ、ボイコット、ストからは距離をおくようにしていた。
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