フリードリッヒ・リストは経済理論に対する愛国的/ロマン主義的な批判者で、ドイツ歴史学派父祖の一人だ。その一番有名な著作 The National System of Political Economy (1841) は古典主義経済学に蔓延する自由貿易マンセー論への批判として書かれたものだ。でも、かれの批判は売り言葉に買い言葉の保護主義擁護じゃなかった。かれは自分の議論を、自分なりの経済分析に基づいて行った。かれの経済分析は経済学における政治要因――特に「国 (nation)」――を強調する。リストは、国の「生産的な力」を育成するのは政府の仕事で、それができたときに初めて自由貿易をしてもいいけれど、それまではダメ、と主張した。これは現代の保護主義における「未成長産業」保護の議論と似たものだ。もっと重要な点として、かれは経済の「段階論」を考案して、これはドイツ歴史学派にとっての青写真となる。
リストはチュービンゲン大学教授で、その後はヴュッテンベルク立法府のリベラルメンバーとなる。その政治的な見解のために、1825 年には投獄されて国外追放された。ドイツ関税同盟 (Zollverein) の熱心な支持者で、主要な考案者でもあり、ドイツ全国の鉄道網拡大を支持した。何年もジャーナリストとしてアメリカで暮らした後に、アメリカの領事としてドイツに送り返される。教職に戻ることはなかった。
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