経済の仕組みを理解する本 飯田泰之『歴史が教えるマネーの理論』  人が「経済の仕組み」というとき、楽な金儲けはないかとか、どっかでだれかがうまい汁吸ってやがるんじゃないかとか下賤なことを考えているのが常。でも経済の仕組みはそんなものじゃない。まずはこの本を読んで、大きな世界でのお金の回り方を理解しよう。短いし読みやすいし、中身も正確。各種のバブルについてもよくわかる。これを抑えておけば、いまの金融危機の話もかなり理解しやすくなるはず。 クルーグマン『よい経済学、悪い経済学』  去年ノーベル経済学賞をとった大経済学者にして名エッセイストのクルーグマン。かれの軽妙な経済エッセイ集は、経済についてのありがちな誤解を正してくれるまたとない一冊。国の経営は企業の経営や家計とはまったくちがうこと、貿易とか生産性とか国の競争力という概念がいかにメディアで誤解されているか等々。テレビ雑誌に登場する各種経済評論家が実はとても無知でダメなのもよくわかる。また人間たちの未来に関する洞察なども示唆に富む。 マルキール『ウォール街のランダムウォーカー』  さて経済というと株式市場の話だと思っている人がいるので、この本も挙げておこう。一年ほど前には株で儲ける方法といった卑しい本がたくさん出ていたけれど、そうした本の発想がいかにダメかをよく説明してくれる本だ。たぶん株に手を出して大やけどした人が多いいまこそ、この本をちゃんと読み直そう。たぶん腑に落ちる部分がとても多いはずだから。株についての考え方や理論の変遷、そこに働く心理、そして近年の展開までうまく述べられ、エッセイとしても楽しい。 サバイバル力をつける本 ワインバーグ『コンサルタントの秘密』  生き残るためには、まず他人にとって役にたつ存在となる知恵が必要。コンサルは客の役にたつ知恵を出してナンボの仕事だから、かれらの(というかぼくもそうだが)の秘密は必ず君にも役立つ。自分の有用性を保つための勉強法、発想法、そして問題解決の方法が縦横に書かれたすごい本。これをすべてきちんと理解して実践できれば、そもそもリストラされません。これ以外にも、ワインバーグの本はすべておすすめ。 パーキンソン『パーキンソンの法則』  五十年前にはサラリーマンの必読書で、ぼくも親の本棚にあったのを読んだのが最初。組織の無意味な成長理由、どうでもいい会議ほど長引く理由、浮動票を自分に有利になびかせる方法、ライバルを蹴落とす方法など世渡りの知恵が満載。全編イギリス的嫌味なユーモアみなぎるジョークだが、そこにこめられた洞察はきわめて鋭利。文体に惑わされず内容を見通す力を養うにも最適。お馬鹿なジョークの中にこそ、時に最高の真実があるのです。 レヴィット&ダブナー『ヤバい経済学』  苦境に陥ったらなるべく間口を広げ、予想外の組み合わせに新しい可能性を見いだすしかない。経済学を中絶や子供の名前など予想外のテーマに適用したレヴィットの研究は人々の度肝を抜き、経済学の可能性を大きく広げた。君の可能性を広げるヒントになるかも。またデブリン&ローデン『数学で犯罪を解決する』は、数学の意外な応用をあれこれ述べた本。アメリカのドラマ『Numb3rs』の解説本だから、DVDでも入手して英語の勉強しつつ本書を片手に見る手もある。勉強の仕方も様々です。