『環境危機をあおってはいけない』サポートページ
ビョルン・ロンボルグ『環境危機をあおってはいけない:地球環境のホントの実態』(山形浩生訳、文藝春秋社、2003年, ISBN4163650806)
原書:Bjørn Lomborg The Skeptical Environmentalist: Measuring the Real State of the World (Cambridge Univ Press, 2001, ISBN0521804477)
1. 関連資料
2. 正誤表
3. 参考リンク
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1刷り (as of 2003/6/13)
「環境危機をあおってはいけない」正誤表
Page
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位置
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誤
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正
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Note
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※ 1: 原著は大カロリー (Cal = 1000 cal) 単位での記述になっています。栄養学分野では多く使われていた表記で、FAO などでは現在でも使っており、
原著はそれにあわせたものです。まちがいではありませんが、混乱するとのご指摘を受けまして 2 刷りからは日本の慣行にあわせて通常のカロリー表記に改めます。
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p. 22
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上段 12, 13行目
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カロリー
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キロカロリー
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※ 1
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p. 61
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上段 13行目
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カロリー
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キロカロリー
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※ 1
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p. 90
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下段 最後から2行目
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易経済
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貿易経済
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p. 120
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上段 最後から2, 3行目
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カロリー
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キロカロリー
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※ 1
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p. 148
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下段 グラフキャプション
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図 44
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図 45
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p. 173
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上段 13, 14行目
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カロリー
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キロカロリー
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※ 1
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p. 190
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上段 グラフ説明
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データは不十分だが、入手できる限りを収集した。
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データは限られているが、手に入るものの中では圧倒的に優れている。
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p. 225
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下段 最後から 3 行目
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近郊のワルング (商店)は
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近所のワルン (商店)は
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p. 232
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上段 6 行目
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ホールデン
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ホルドレン
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p. 262
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上段 16, 17行目
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カロリー
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キロカロリー
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※ 1
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p. 273
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下段 6行目
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一〇〇〇万分の一メートル
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一〇万分の一メートル
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p. 300
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下段 6行目
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硬材林張り
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硬材パネル
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p. 306
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下段 4行目
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系は要するに何もすることがなくなって
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系は何もすることがなくなって
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p. 300
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上段 最後から2行目
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ポリ塩化ビフェニール
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ポリ塩化ビフェニル
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p. 314
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上段 7行目
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白頭ワシ
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ハクトウワシ
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p. 318, 319, 334, 335, 397, 625
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多数
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ジエルドリン
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ディルドリン
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p. 357
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上段 図120 右縦軸凡例
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10万人あたりの発生率
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10万人あたりの死亡率
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p. 357
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下段 3行目、7行目
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肺ガン発生率
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肺ガン死亡率
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p. 381
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下段 13行目
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エストラジオール
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エストラゴール
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p. 428
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上段 最終行目
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IPP
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IPC
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p. 562
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上段 5-6行目
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チェーリングエンシスバチルス
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Bacillus thuringiensis
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p. 567-570
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多数
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「慎重なる回避」の原理
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「慎重なる回避」の原理(予防原則)
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p. 570
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上段 最後から 4行目
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影響がまともな科学的確実性を
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影響がまともな科学的確実性をもって
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p. 573
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11行目
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公正
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後世
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p. 574
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下段 最終行
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サスカチワン
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サスカチェワン
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p. 575
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上段 3行目
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マクヒューエン
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マキュアン
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p. 575
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上段 4行目
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スカクベク
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スキャケベク
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注
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32, 33, 238, 414, 421, 455, 739
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カロリー
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キロカロリー
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※ 1
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訂正の一部は、中村亨氏、渡辺正氏, Hon Kenko氏、奥修氏、室井尚氏らにご指摘をいただいた。ありがとうございます。
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本書で参照されている各種機関へのリンクは、参考文献一覧のリンクを利用するのが最も確実。ここでは、参考文献の中にはないが読者にとって参考となりそうなリンクをいくつか紹介する。ただし本書をめぐる毀誉褒貶はすさまじく、とりあげているウェブページも無数に存在するため、細かい賛成・反対・紹介・言及サイトをいちいち紹介することはしない。興味ある向きは、google などの検索サイトを活用していただきたい。また、上の「参考文献」一覧に上がっている無数の URL は有用なので、そちらも参照。
- 著者のウェブページ:http://www.lomborg.com/
- 著者 Bjørn Lomborg のウェブページ。バイオグラフィ、正誤表、各種論争へのリンク、出演ビデオなど多数。なお、「Critique」ページでリンクの切れている Prospect での論争はこちら。
- Scientific Americanとの論争(日本語訳):https://cruel.org/kankyou/sarebuttal.html および pdf 版 (630 KB)
- 日本版のためのあとがきにも触れられている、Scientific American 2002 年 1 月号(抄訳は「日経サイエンス」2002 年 7 月号) に載った科学者 4 人による批判と、それに対するロンボルグの反論。まとまった批判と反論としてはこれが最大でいちばん詳しい。その後、ロンボルグの反論に対して 1 人を除き科学者たちは反論せず、編集者の John Rennie がかれらの話をきいて再反論をまとめている。本稿の原文を含めた一連の議論については、Scientific American のページを参照。また、Scientific Americanの方針に対するマット・リドレー他の怒りの手紙については著者のページを参照。
- WRI/WWF の批判と反批判(日本語訳):https://cruel.org/kankyou/wrirebuttal.html および pdf 版 (240 KB)
- Scientific American よりかなり軽量ながら、WRI/WWF からの批判とそれへの反論。見るべき点として、まず本書の中でかなり批判されている WWF は、自分が批判されている点については一切コメントしていないこと。さらに、ロンボルグの趣旨をよくある形で誤解していること。地球温暖化について、ロンボルグは地球温暖化が起きないと言っていないし、その被害が大きいことも否定していない。ただ、その対応策のコストと比べてどっちが大きいだろう、と尋ねているだけ。これは多くの反ロンボルグ論者のやるまちがいなので、批判したい方はご注意を。
- Nature の書評と反論(日本語訳):https://cruel.org/kankyou/senature.html および pdf 版 (128 KB)
- あの権威ある Nature に載ったとは信じがたい最低の書評。ロンボルグの本よりもジュリアン・サイモンの話ばかりしているし (なんか恨みでもあったのか)、本自体へのまともな批判も一切なし。一応、肩書きや雑誌名だけで信用してはなりませんぞという意味をこめた情報提供として訳しておいたけれど、内容的には一番参考にならないもの。最後のanti-lomborgへの言及で墓穴を深めているのが悲しい。なお、最後に挙げられているいくつかの批判(予定)は、すでにほとんどをサポートウェブサイトで邦訳提供済み。
- 環境団体 Greenspirit のロンボルグ応援ページ:http://www.greenspirit.com/lomborg/
- Scientific Americanの批判記事に対し、紙面上で反論スペースがほとんど与えられなかったため、ロンボルグが批判を全文引用して反論をインターネット上で発表したところ、なんと Scientific American は著作権侵害だと称してロンボルグに対し法的措置をちらつかせた。これに対して怒ったのが、グリーンピース創設者の一人パトリック・ムーア。かれはグリーンピースの現状がまちがっていると考え、独立してグリーンスピリットという環境団体をたちあげている。正当な反論を認めないのは許されないと考えて、かれはロンボルグのもとの反論を全文自分のウェブサイト上に掲載したところ、Scientific Americanはムーアに対しても著作権侵害の訴訟を辞さないと述べた。ただしその後、ムーアが応じなかったものの、特に法的措置はとられず、Scientific American も自分のサイトに原文と反論文を全文掲載するに至っている。
- デンマーク科学的不誠実委員会による、本書に対する評決ページ:http://www.forsk.dk/uvvu/nyt/udtaldebat/bl_decision.htm
- これも日本版のためのあとがきに登場する。デンマークの科学的不誠実委員会は、本書が不誠実であるとの訴えを受けて、その審査を行った結果として、2003年1月に「主観的には誠実だが客観的には不誠実」という奇妙な評決を下した。が、その評決の内容は、ます自分たちに内容的な判定能力がないと主張したうえ、Scientific Americanの最初の批判記事だけに全面的に依拠したもの。ロンボルグによる反論もまったく考慮されていない。ロンボルグはこれに対して現在異議申し立てを行っている。
Update: その後、2003年12月にこの「科学的不誠実委員会」の監督省庁であるデンマークの科学技術イノベーション省がこの委員会の判断に対し「審査というのは、ロンボルグの本に対する異論があるという紹介だけではなく、その中身をきちんと精査して白黒つけることなんだから、こんなのダメ、ちゃんと仕事しろ!(4ページ目、point 6.1)」と差し戻しを行った。2004 年 3 月に、同委員会はロンボルグに対する訴えを棄却してロンボルグが科学的に不誠実という評価は消えた。(ロンボルグのプレスリリース)
- 懸念する科学者連合 (Union of Concerned Scientists) による本書への反論:http://www.ucsusa.org/global_environment/global_warming/page.cfm?pageID=533
- 本書で批判的に書かれている人々多数とその他数名を集めて反論を書かせたページ。当然のことながら、非常に感情的な反論が多く、特に生物多様性についての反論は、まともな反論になっていないのが悲しい。ロンボルグは、50 年で全生物種の 0.7% が絶滅するだけというが、実際には自然絶滅率の 1,000 倍が絶滅しているのだからずっと深刻! というのがかれらの結論だが、ロンボルグの本に明記されているとおり、50 年で 0.7% というのはまさに自然絶滅率の 1,500 倍に相当する水準なので(だから問題なんだよ、とロンボルグも書いている)、同じことを言っているだけなのです。Mahiman による地球温暖化についての反論と、Gleick の水についてのコメントは、見るべきところも多い。
- 増田 耕一による本書(原著)の書評:http://web.sfc.keio.ac.jp/~masudako/reading/lomborg.html
- 刊行前の時点で、本書をそこそこまともに読んで書かれた日本語の数少ないページ。増田耕一は地球環境関係の研究者。批判的ながら書き方はフェア。ただし、いくつかの論点は多少問題。地理分布に関心がないというのはまちがい(先進国/途上国の比較は随所で行っている)。再生可能エネルギーのコスト見通しの議論の誇張はひどい。「値段が 30 年で 1000 分の 1、60 年で百万分の 1 になるとは思えない」って、だれもそんな無茶苦茶は言っていない。10 年ごとに半分というのがロンボルグの予想 (SE 原著: p.286)。ちなみに 2003/03 にホンダが、太陽電池の発電コスト大幅引き下げ (52 --> 22 円/KWh) に成功してしまった。原著刊行後 2 年未満で半減どころか 60% 低下だ。また、再生可能エネルギーがのびるから問題はない、と述べているのではなく、問題はあるけれど、排出削減するより被害の大きい発展途上国を直接支援しよう、と提案しているのです(あと、労働人日なんて意味ないっす。あなた、本気で自分の時給がコンビニバイトと同じでいいと思います?)。
- 安井至の評価:http://www.yasuienv.net/Lomborg1.htm、その2、その3もある
- 200年後の森林の状況についての評価がない、等のむちゃくちゃな「批判」が出ているのは失笑ものだけれど、少なくともロンボルグの趣旨をまともに評価してくれてはいるのは嬉しい。しかし安井至の京都議定書に関するコメント等(京都議定書は化石燃料枯渇を防ぐための政策だなんて、きいたことないぞ)を見ると、ぼくはかれをあまり信用していいとは思わない。そして結局、それじゃあ環境保護の費用と便益をどう考えればいいのか、という本当に重要な問いに、安井至はまったく答えられていない。
- 奥修コメント:http://www.nextftp.com/musaokuo/skeptical.htm
- エネルギーに関する読みがあまいのではないか、石油に勝るエネルギー源なし! というのが論旨。内容的には堅実な検討。最後の費用便益計算についての批判はまちがっている。「問題をカネに還元し,それを環境保全と人命救助の問題と「あれかこれか」の関係で選択させれば,誰しも「命」を救うべきという結論になるだろう(命の選択の特殊性,加藤1991)」とか。ならんよ。今日の飯をぬいて途上国援助にまわせば人命が救えるのはみんな知ってるけど、それで飯をぬこうという人はほとんどいないのだ。人間はそんな意志決定方法をとらない。そして費用便益計算ってのは、ふつうに人がやっている意志決定を明示的にやるだけのものだ。ただ、文章全体としてはロンボルグ本の意義は非常によく汲んでくれている。
- 環境エネルギー政策研究所なるところのメルマガ:http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200503020100000000114817000
- 出ました陰謀論! コペンハーゲン・コンセンサスが「秘密プロジェクト」って、The Economist協賛で大々的に宣伝してたんですけど。あなたが知らなかっただけよ。
- デンマークエコロジー評議会:http://ecocouncil.dk/english/front.htm
- この団体は原著のデンマーク版が出たときにすぐに批判の本を刊行。その英語版なんかも作っている。これに対してはロンボルグはデンマーク語で 185 ページにわたる詳細な反論。またその英語版要約はこちら。デンマーク語版は読めないが、英語版だけ見ても、評議会の論点としてまともなものが残っているとは思えない。また、「デンマークのユーザー・デモクラシー」で朝野賢司が、この文書に言及するとともに、ロンボルグに対する批判を行っているが、私見では本質的な批判にはなっていない模様。(tnx to mr. yomoyomo)
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YAMAGATA Hiroo (hiyori13@mailhost.net)