店夢。

© 1997 Jamie Zawinski <jwz@jwz.org>
shopdream.


 珍しくのネタからしばし夢時間だけ離れて、別のときにぼくは小さな店の夢を見た。アンティークショップだ。暗くて木造でじめじめしていて、壁一面にたなや本棚が並んでいる部屋の真ん中には、重たいカシの木のテーブルがある。テーブルの上には、驚異的に不思議なものがたくさんあった……まず、はげた人間のの1/2縮尺模型みたいな 電話がいっぱいあった。電話のロータリーダイヤルが、部分的に顔を覆っている。その頭は一種の半透明ファイバーガラスでできていて、20年代30年代のおもちゃの人形みたいで、塗ってある 色がすごく褪せている。そして中から照明がついていて、白い光が中から散乱して、描いてある表情を見分けるのがむずかしくなっている。ぼくはすっかり心を奪われた。すっごくクールだと思って、買いたいなと心底思ったけれど、でも値札はまだ見なかった――とんでもなく高価なのはわかっていた。

 それと同じような頭がもう一つあったけれど、ただそれは人間の頭の実物大だった。男の頭で、にはなにやらびっくりしたような表情を浮かべていた。その側面には、古いトマトの箱によくついているような、古びた曲線書体で「マイクロプロセッサ6つ!」と書いてあった。トランジスタラジオの初期を思い出した。当時は使ってあるトランジスタの数を「二石」とか「八石」とか書いて自慢していたものだ。ときには余計なトランジスタをグラウンド線に直結して、トランジスタの数を嵩上げすることもあったんだって

 もっと頭を調べてみたいな、手にとって、なぜ照明つき頭型 電話にそもそもマイクロプロセッサが使ってあるのか知りたいな、ととても思ったけれど、でもそれはガラスのケースに入ってた。それにどのみち、他のもので気をとられ出していて、その最初が論文ケースだった。これは本の形をしたガラスの箱で、その一角からガラスの塔が立っている。その塔はペンとかはさみとかその手のものが入ってた。ガラスの箱はその中に(はいご名答)だれかの論文を入れてあった。たぶんなにやら農業関係だったと思う。でも箱はしっかり封印してあって、しかも冷蔵されてるみたいだ。その目的は、だれかの作品を永久に展示しつつ、それを未来の世代のために保存することだった。これもまた、ほかの物体と同じく、内部から照明されていた。

 最後の物体はどうやら巨大な金属の本で、幅60センチ。背をぼくの反対側に向ける形でテーブルにのっかっていて、開くために表紙には取っ手が二つついていた(すごく重かったから)。表紙の下からは、冷たい白い光ともやが漏れていた。ぼくは身構えると、取っ手をつかんで表紙を持ち上げ、中に何があるのか見ようとした。ハンドルは温かくて、やっと表紙を二、三センチ持ち上げる頃には、持っていられないほど熱くなって、表紙をまた放すしかなかった。古代の冷凍技術についていろいろろくでもないことを考えていて、身構えてもう一回試そうとしたところで目が覚めた。


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