パネルオブジェクトには、いくつかメニューでもアプレットでもランチャでもない、特別なものがある。これからそういう特別なオブジェクトを説明しよう。
ロックボタン は画面をロックするスクリーンセーバーを起動する パネル ボタンだ。このスクリーンセーバーを止めてまた GNOME セッションにアクセスできるようにするには、自分のパスワードを入れなきゃいけない。スクリーンのロックについて詳しくは 画面のロックの節を参照してほしい。
The ログアウトボタンは GNOME デスクトップ環境を終わるのに使う。ログアウトシーケンスを起動して、 ログアウトダイアログを呼び出す。これについてはログアウトの節で説明してある。
The 実行 ボタンはプログラムの実行ダイアログを呼び出す。図 15に示したやつだ。これはコマンドラインプロンプトにアクセスさせてくれる。完全なシェルじゃないから、 GNOME ターミナルのかわりにはならないけれど、コマンド一つだけ手っ取り早く入力したいときにはとっても便利だ。あるいはキーボード・ショートカットを使ってプログラムの実行ダイアログを呼び出すこともできる。デフォルトのキーボード・ショートカットは Alt+F2だけれど、これは パネル全体のプロパティ ダイアログからその他 タブを選んで設定する。
コマンドの入力部分には履歴バッファがあって、前に入力したコマンドは文字フィールドの右側の下向き矢印をクリックして、コマンドを選べば入力できる。また 参照... ボタンもあって、これでファイルを選べる。選んだファイル名は、入力したコマンドの末尾にくっつく。たとえば emacs (とんでもなく強力なテキストエディタ)とコマンドラインで入力してから、 参照... ボタンを使って、emacsで編集したいファイルを選んだりできるわけだ。
パネル の中で動くわけじゃない各種アプリケーションでも、アプレットみたいにして実行させることはできる。GNOMEアプレットじゃないのに パネルに飲み込まれたアプリケーションは「飲み込まれたアプリケーション」(訳注:いまの訳だとスワローアプレット/アプリケーション)と呼ばれる。飲み込まれるアプリケーションは GNOME 準拠でなくてもいい。一般に、唯一の制約条件は、そのアプリケーションがパネルにおさまるくらい小さくなきゃいけないということと、飲み込みたいウィンドウのタイトルが必要だということ。多くの場合、アプリケーションは自動的に縮小されて パネルに収まるようにできる。これは「スワローアプレットを作成」ダイアログで指定できる。もしアプリケーションが、パネルにおさまりきらなければ、パネルのほうがふくらんで、アプリケーションにあわせるのが普通だ。
The 飲み込むアプリケーションのタイトル はウィンドウのタイトルで、ふつうはウィンドウのてっぺん左端に表示されている(ウィンドウのタイトルは、大文字小文字を区別するので注意)。 幅 と 高さは パネル内の飲み込まれたアプリケーションのサイズを指定するもの。
もし命令 フィールドを空っぽにしておいたら、このダイアログは指定サイズの空のウィンドウをパネルに作って、指定タイトルのウィンドウがデスクトップに現れるのをじっと待ち続けるんだ。そのウィンドウが出てきたとたん(たとえばしかるべき項目をあなたがメニューから選んだりしたら)、そいつは飲み込まれる。
命令フィールドにはその他好きなコマンドを入れられる。そのコマンドは、ウィンドウをパネルに飲み込む前に実行される (そしてその後、パネル再起動ごとにも)。これはふつうは、 パネルに飲み込んでほしいアプリケーションの立ち上げに使う。
The ステータスドックは、ステータスドックレットを入れておける パネルオブジェクトだ。ステータスドックレットっていうのは、アプリケーションが ステータスドックを入れてステータスを伝えるのに使うドックだ。ステータスドックレットはまた、アプリケーションのコントロールにも使える。要するにだね、ドックレットは小さい(サイズの面でも機能の面でも)アプレットだ。GNOME ではいまのところ、ステータスドックレットをステータスドックに入れるアプリケーションはあまりない。でもGNOME のステータスドック は K デスクトップ環境 (KDE) のものと互換性があるので、 kscd みたいな KDE のアプリケーションは、ステータスドックレットを GNOME のステータスドックに入れられる。GNOME アプリケーションは、将来的にはこの最近追加された パネルオブジェクトをもっと活用するようになるだろうね。
上の例では、ステータスドックにkscd CD プレーヤソフトからのドックレットが入ってるね。このドックレットはkscd を終了しないままで、主ウィンドウを開いたり閉じたりするのに使われる。