GNOME をとりあえず使う

GNOME をざっと見ると……

図 1 が、使用中の GNOME の様子だ。ただしGNOME はいくらでも設定を変えられるので、人によっては感じがかなりちがうかもしれない。

GNOME の画面の見本。本文の続きは、ずっとスクロールしたってや。

図 1. GNOME の画面の見本。

Figure 1 のいちばん下にある、アイコンがいくつか並んだバーの部分が GNOME パネルで、便利なパネルアプレットやメニュー、アプリケーションランチャーが集めてある。パネルにある、足跡のマンガみたいなボタンはメインメニューのボタン(いちばんよく使うメニューだ)。これをクリックすると、ロードしてあるいろんなアプリケーションや「ログアウト」コマンドみたいなオプションが出てくる。パネルアプレットというのは、パネルに置けるちょっとしたプログラムで、たとえばいちばん右端ではデスクガイドアプレットが、アプリケーションを置ける仮想デスクトップ4つを表示している。アプリケーションランチャーは、押すとすぐにプログラムを起動する(たとえば GNOME のユーティリティやオフィス系アプリケーションなんかを)。上の例では、toolbox (ツールボックス)ボタンがGNOME コントロールセンター(システム設定用ツール)を起動するし、「?」マークは GNOME ヘルプブラウザ(ドキュメントを読むツール)を起動する。テレビモニタのマークはターミナルを起動(テキスト型インターフェースがお好きな方のため)、そして地球マークはブラウザを起動する。パネルの両側にある矢印は、パネルを隠したり表示したりするものだ。

パネルの外側が「デスクトップ」。パネルから、よく利用するいろんなものをデスクトップにドラッグしておいて、使うときにはそのアイテムを(マウスの左ボタンで)ダブルクリックしよう:

Nautilus ファイルマネージャを使うと、ファイルの操作がいろいろできる。 ウィンドウの左側にはいまのフォルダが表示されていて、そこにヘルプ、履歴、ノートのタブがあるし、その右側には、いまのフォルダの中身が表示されている。

ディレクトリ間でファイルの移動やコピーをするには、ファイルマネージャを2つたちあげて、それぞれのディレクトリを表示させれば簡単にできる。もしファイルをデスクトップに持ってきたければ、ファイルマネージャからドラッグするだけ。GNOME ではこれに限らず、なにかをドラッグして適当なところにドロップすれば「しかるべきことをやってくれる」ので、とても作業が楽なんだ。

GNOME は設定次第でいくらでも変えられる。たとえば、パネルをたくさん表示させたり(それも縦でも横でも)、そこに何を表示させるか選んだり、それを自動的に隠したりもできる。パネルにおけるパネルアプレットもいろいろそろってる。それに画面の見え方だって変えられるんだよ。やりかたはこのガイドのあとの方で説明しよう。

GNOME は、いくつか UNIX の慣習にしたがっているので、これは覚えてほしい。マウスの左ボタンは、アイテムの選択とドラッグに使う。右ボタンは、選択したものに対するメニュー(あれば)を表示する。UNIX のマウスはふつうはボタンが 3 つあって、中ボタンはテキスト(テキスト入力エリアなら)のペーストか、ものの移動に使う。マウスが 2 ボタンマウスなら、左右ボタンを同時に押せば中ボタンのかわりになる。テキストのコピーには、まずコピーしたいテキストをドラッグして選び、マウスをコピーしたいところにもっていって、中ボタン(またはマウスのホイール)を押すんだ。

アプリケーションウィンドウが表示されると、そのふちのところにボタンがついていて、そのウィンドウを操作できるようになる。ウィンドウの最小化、最大化、閉じるためのボタンなんかだ。その見かけは、好きなように設定できる。これをコントロールするのが、「ウィンドウマネージャ」っていうコンポーネントだ。

ふちのスタイルとしては、たとえば MicroGUI スタイル ( 図 2 ) がある。これは Sawmill や Enlightenmentで使われているウィンドウマネージャだ。ウィンドウマネージャについては、 the chapter called ウィンドウマネージャと GNOME の章でもっと説明しよう

MicroGUI のふちのスタイルだと、下向き矢印ボタンはウィンドウの最小化、上向き矢印ボタンはウィンドウの最大化(画面全体を使う)、X印のボタンはウィンドウを閉じるということで、下向きの三角は、 ウィンドウ メニューを表示する。

MicroGUI

図 2. MicroGUI のふちのスタイル

Unix や Linux システムをいままで使ったことのない人は、 Appendix A のおおざっぱな説明も役にたつかもしれない。

それではこれから、システムの以下の各コンポーネントについてもっと詳しく見ていこう。: tウィンドウマネージャ , panel , メインメニュー , デスクトップ , ファイルマネージャ , コントロールセンター 、そして アプレットだ