月刊『Forbes 日本版』 連載コラム『山形浩生が解く Smart Document』 (2000-2001)

 ぎょうせいが出していた、Forbes日本版の連載。前任者が、ビジネスプロセスリエンジニアリングとか、その手のマネジメントジャーゴン入り論文解説みたいな英語教室をやっていたので、メールに特化して、やんわりとした断り方とか御礼の言い方とか、そういうのを解説してみました。みんな、英文のビジネスメールで、日本のお手紙とかをそのまま翻訳して時候のあいさつとかを必至で訳したりしているのを多くみかけたもんで。

 ちょうど仕事で、国交省の国際会議のカバン持ちをやっていたりして、この手の国際的な根回しやら交渉やらというのは日々やっていたので、例文はそんなに苦労しなかったように記憶している。なんでこんな仕事がきたんだっけな? 忘れてしまった。連載していたのは覚えていたけれど、こんな内容だったというのもコピーを取るため実際に雑誌を見るまで忘れていた。

 連載は一年ほど続いて打ち切り。この手の英語ページ自体がなくなった。その後、Forbes日本版はどっかに版元が変わったように思うけれど、2009年あたりに廃刊になったはず。コピー取るときに見たら、連載開始前の2000年4月かなんかの号で、サミュエルソンが佐藤ナントカいう経済学者と対談していて、日本はさっさとクルーグマンのインフレ目標をやらんかい、と怒っていた。そしたら佐藤ナントカ氏は、「日本人はアメリカ人とインフレに対する対応がちがうからインフレ期待が効かない、アメリカ人はインフレになるとはやめに買おうとするが、日本人は貯金を殖やそうとするのだ」と言っていて、えー、なんですのそれ。でも結構金融政策の話もちゃんとしていて、今にして思えば竹中平蔵が出過ぎていること以外は(いやそれだって)結構いい雑誌だったかも、と思う。


2000-2001



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YAMAGATA Hiroo (hiyori13@alum.mit.edu)