ミハイル・イワノヴィッチ・トゥガン=バラノフスキー (Mikhail Ivanovich Tugan-Baranovsky), 1865-1919.

原ページ
 
Google
WWW 検索 cruel.org 検索

 ウクライナの経済学者ミハイル・トゥガン=バラノフスキーの貢献は、二つの関連する分野でのものだ:景気循環論マルクス派危機理論だ。

 景気循環をめぐるトゥガン=バラノフスキーの理論は 1894 年著書で解説されており、初めて一貫性のある完全に「経済学的」な景気循環の理論として有名だ。この理論は、セイの法則を否定する信用理論と、ケインズ的な乗数理論の原始的なものに基づいており、景気循環は独立した投資関数によるもので、最終的には不景気の原因は「過剰投資」であると論じた。この画期的な研究のおかげで、ヨーロッパでは多種多様な景気循環論、たとえばシュピートホフ から カッセルロバートソン、果てはキール学派ハイエクまでが登場した。

 この景気循環理論を基盤として、 1905 年には マルクスの資本主義危機理論に対する批判が生まれた。景気循環論で、すでに資本主義においては「破壊/崩壊」に向かう動きが必ずしもあるわけではなく、単に波となるパターンがあるだけなのだ、ということは示された。1905 年の著作では、この議論を拡張し、資本主義経済は条件次第で「定常状態」に達して崩壊への動きが止まることもあり得ることが示された。

 トゥガン=バラノフスキーの批判は、 マルクス派の中で、支持者 (e.g. ヒルファディング) と、崩壊必然という古い協議の信奉者 (e.g. カウツキーアードラー) との大論争を巻き起こした。これは後に、帝国主義に関する論争にまで発展した。やがてトゥガン=バラノフスキーはルーツであるマルクス主義を放棄して、かつての論敵だったナロードニキたちの社会主義的な見方である協同主義的経済を支持するようになった。

ミハイル・トゥガン=バラノフスキーの主要著作

ミハイル・トゥガン=バラノフスキーに関するリソース


ホーム 学者一覧 (ABC) 学派あれこれ 参考文献 原サイト (英語)
連絡先 学者一覧 (50音) トピック解説 リンク フレーム版

免責条項© 2002-2004 Gonçalo L. Fonseca, Leanne Ussher, 山形浩生 Valid XHTML 1.1