ヘンリー・ラドウェル・ムーア (Henry Ludwell Moore), 1869-1958.

原ページ
 
Google
WWW 検索 cruel.org 検索

Portrait of H.L.Moore from Econometrica

 ウィーンでメンガーに師事し、レオン・ワルラスにはやい時期に弟子入りしたヘンリー・L・ムーアは、元々のローザンヌ学派における唯一のアメリカ人参加者(そしてたぶん唯一の英語を話す参加者)だった。

 ムーアの終生の研究は、限界革命、特にワルラスの体系を初めて真剣に実証的に検討するというものだ。需要曲線を統計的に導きだそうと没頭し(これを実際にやったのは学生のヘンリー・シュルツ)、J・B・クラークの限界生産性理論を統計的に検定しようとした(この作業を引き継いだのは別の生徒P.H. ダグラスだ)。

 またかれは、商品ビジネスサイクルと均衡理論とのつながりにも深く関与した――そして一般均衡理論の文脈で景気循環を実証的に検討する初の試みの一つを行っている。かれの景気循環理論は「外部的」だった――降雨の八年周期が景気を左右するというものだ。その大著『総合的経済学』 (Synthetic Economics, 1929) は、ワルラスの一般均衡体系を推計しようという力業だった。

 こうした推計はどれもあまりうまく行かなかったが、H.L.ムーアと コロンビア大学の弟子たち、特にシュルツダグラスは、実証研究で多くの業績を挙げ、後の計量経済学者や景気循環経済学者、たとえば W.C.ミッチェルなどに大きな影響を与えた。

ヘンリー・L・ムーアの主要著作

H.L. ムーアに関するリソース


ホーム 学者一覧 (ABC) 学派あれこれ 参考文献 原サイト (英語)
連絡先 学者一覧 (50音) トピック解説 リンク フレーム版

免責条項© 2002-2004 Gonçalo L. Fonseca, Leanne Ussher, 山形浩生 Valid XHTML 1.1