サイモン・クズネッツ (Simon Kuznets), 1901-1985.

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Photo of S.Kuznets

 ロシア育ちのサイモン・クズネッツは、コロンビア大学で W.C.ミッチェルに師事し、その後ミッチェルのNBER での研究者となった。だからクズネッツが師匠の教えを肝に銘じたのも無理もないだろう。つまり重要なのは、経験的データの苦労まみれの収集なのだ、ということだ。

 クズネッツのライフワークは、アメリカ国民所得計算の収集と分類だった (1934, 1941, 1946)。これはイギリスのリチャード・ストーンとジェイムズ・Meadeに比肩する業績だ。クズネッツの仕事は、当時起こっていた他の二つの展開と実にぴったりマッチしていた。それは計量経済学ケインズ革命の台頭で、どちらもクズネッツのデータの中に、自分たちの歩みを進めるための重要なリソースを見つけていた。

 でも等のクズネッツはケインズ派でもなければ、計量経済学者でもなかった――かれはミッチェルの制度主義に忠実だった――これは 1930 年の手法を述べた論文によくあらわれている。このため、かれの初期の仕事はビジネスサイクルの経験論的分析 (1930) だった――かれが見つけた 15-20 年の周期は、後にかれの名前がついて「クズネッツ周期(クズネッツ波動)」と呼ばれる。

 クズネッツはまた、開発経済学に早期に取り組んだ。特に発展途上国の経験的特徴の収集と分析 (1965, 1966, 1971, 1979) が顕著だ。かれの主要な理論は、今日の低開発国が持っている特徴は、今日の先進国が産業化する前に持っていた特徴とはまったくちがう、というものだった。これは、すべての国が同じ「直線的な発展段階」を歴史的にたどるという単純すぎる見方に終止符を打つことになり、開発経済学という分野を別個のものとして確立するのに貢献した――開発経済学は、現代の低開発国が直面する独特な経験の分析に注力するようになった。

 かれの発見の中で、重要な歴史的研究プログラムに火をつけたものの一つとしては、所得不平等性と経済成長との逆 U 字型の関係 (1955, 1963) がある。またかれは、貯蓄-所得行動のパターンを発見し、これがモジリアニフリードマンLife-Cycle-Permanant-Income Hypothesisの発見につながった。

 その辛抱強い、だが重要な業績のために、クズネッツは 1971 年に ノーベル記念賞を受賞した。かれは当時、ハーバードに在籍していた。

サイモン・クズネッツの主要著作

サイモン・クズネッツに関するリソース


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