ポール・H・ダグラス (Paul H. Douglas), 1892-1976.
ポール・ハワード・ダグラスは、ヘンリー・シュルツと共に、新古典派理論における各種概念の実証的な推計と検証を追求したヘンリー・L・ムーアにしたがったコロンビア大学の学生だった。ジョン・B・クラークの弟子でもあったので、ダグラスの初期の研究はクラークの限界生産性理論を統計的に検証するものとなっている。結果として、生産関数を推計しようというダグラスの試みは、数学者チャールズ・W・コッブと協力していまや有名な(あるいは悪名高い)「コッブ=ダグラス生産関数」の考案につながった。
ダグラスによる限界生産性理論の検証は、シカゴ大学に移った後も続いた。シカゴ大ではこの問題に関する壮大な統計検定を行った——その結果が大著『賃金の理論』 Theory of Wages
(1934) だ。ダグラスは1942年に学界を離れて、アメリカ海兵隊に一兵卒として加わった。1948年にダグラスはイリノイ州上院議員に選出される。民主党上院議員として最も主導的で敬意を集めた議員の一人だ。1966年には再選を果たせず、その後はNew School for Social Researchに職を得た。
ポール・H・ダグラスの主要著作
- "The Problem of Labor
Turnover", 1918, AER - "Rejoinder",
1920
- "The Movement of Real Wages, 1890-1918",
with Frances Lamberson, 1921, AER
- "What
can a Man Afford?" with Dorothy Douglas, 1921, AER
- Real Wages in the United States, 1930.
- The Theory of Wages, 1934. 邦訳ダグラス『賃金の理論(上)』『賃金の理論(下)』 (辻村 江太郎, 続 幸子訳、日本労働研究機構,
2000)
- "Are there Laws of Production?", 1938, AER.
- Ethics in Government, 1952.
- "Comments on the Cobb-Douglas Production Function", 1967, in Brown, editor, Theory
of Empirical Analysis of Production.
- "The Cobb-Douglas Production Function Once Again: Its history, its testing and some
empirical values", 1976, JPE.
ポール・H・ダグラスに関するリソース
免責条項、© 2002-2004 Gonçalo L. Fonseca, Leanne Ussher, 山形浩生