アンドリュー・マスコレル (Andreu Mas-Colell), 1944-

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Portrait of A. Mas-Colell

 アンドリュー・マスコレルは現代の主導的な ネオワルラス派理論家だ。その業績は、しばしば考え抜いた事例と反例の価値を強力に示すものだとされ、一般均衡理論にとっても重要な洞察と新しい道筋を拓くものとなった。

 話の発端は 1974 年、アンドリュー・マスコレルが消費者選好の完備性と transitivity の有名な仮定を落としても、競争均衡が存在することを証明したときだ。かれはこれが大いに気に入って、デヴィッド・ゲールと共同で同じことを1975年にもやった。マスコレルはその後、いくつかきわめて重要な分野に専念している。微分可能解析を使って一般均衡理論を探求すること (e.g. 1977, 1985)、クロス二重動学を使って均衡の安定を検討すること (1986)、市場需要とその総計の検討 (1976, 1977, 1987) 、差別化商品の理論 (1975) だ。

 もっとも有名な業績は、無限次元の広範な文脈で均衡が存在するための必要条件を検討したことかもしれない。それはワルラス的な競争均衡の場合もあるし (1986, 1991)、ナッシュ均衡のこともあり (1984)、ラドナー均衡の場合もある (1996)。1986 年の、かなり一般的な無限次元経済でワルラス均衡が存在することの証明は、決定的な業績とされている(ただしそこでかれが導入した「一様適切性 (uniform properness)」は、今なお懸念材料となっているが)。

 マスコレルはまた、ゲーム理論ワルラス的一般均衡と関連づけている——特に、交渉集合を競争均衡と関連づけ (1989)、ワルラス均衡とナッシュ均衡の関係を探求したものが有名だ (1981, 1983)。マスコレルはまた、ミクロ経済理論に関する決定版現代教科書と文句なしに呼べるものを共著している (1995)。

 マスコレルは、スペインのカタロニア州バルセロナで生まれた。学部時代の 1960 年代に、民主運動のためにバルセロナ大を退学処分となり、後に1966年にヴァラドリド大学から学士号を授与される。1968 年にはアメリカに渡り、1972 年にミネソタ大学で経済学博士号を取得。すぐにカリフォルニア大学バークレー校に就職、1975 年には同大学数学科との兼任教員となる。1981 年にはハーバード大学に引き抜かれた。1995 年にはスペインに戻り、バルセロナのポンピューファブラ大学教授となった。またその後政治にも手を出して、議会グループConvergència i Unióの下でカタロニア州議会の議員となり、大学研究長官を務めている。

アンドリュー・マスコレルの主要著作

アンドリュー・マスコレルに関するリソース


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