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ケインズ『雇用と利子とお金の一般理論』要約、1 章
山形浩生 (全訳はこちら)
第一巻
訳者の説明
- この第1巻は、本書の概要説明と、当時の古典派経済学に対する批判。時代背景の理解には重要。また、2005-2010年現在は(リーマンショック前までは)経済学がどんどん、かつてのがちがちの古典派に近づいてしまっている状態なので、それに対する批判を改めて読むのも意義があること。ケインズ理論の最初の布石が第3章の、有効需要と消費性向の話なので、ここは注意して読むべし。
- 序文:本書は古典派経済学批判であり、その前提を問題視するという宣言。
- 第1章:古典派理論は、特殊な環境における特殊解でしかなく、もっと一般的な理論をここで展開すると宣言。
- 第2章:非自発的な失業は(古典派がなんといおうと)存在する。また人々は実質値ではなく名目値に反応する。古典派はそれを度外視するので変。
- 第3章:重要なのは有効需要。これが雇用を決める。それは消費性向に左右される。そして投資は金利に左右される。古典派はこれらを考え(られ)ないが、一般理論はこれをきちんと見る。
1章 一般理論
- 1. この本は『雇用と利子とお金の一般理論』という題名だ。力点は「一般」にある。これまでの古典派理論は、特殊な場合にだけ適用できるもので、一般的には使えない。そしてその特殊な場合というのは、実際の経済社会とはちがっているので、古典派理論をそのまま使うとひどいことになる場合が多い。
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YAMAGATA Hiroo (hiyori13@alum.mit.edu)
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