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CUT インデックス#3(1995-1996)

 帰国編って感じだな。特におおきな変化があったわけではないけれど、かつてよりせわしないかもしれないのと、テーマが経済っぽい話に少しずつシフトしてる。

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1995.02 ケヴィン・リンチ『廃棄の文化史』

 リンチ先生……

1995.04 ネグロポンテ『Being Digital』

 ネグロポンテは、山師で、営業マンとしてはいいんだろうけど中身はまったくない。それは『ワイアード』の終刊号でも指摘されてて、みんな思ってるんだな、という感じ。ああいうのをありがたがる感覚ってわかんねーな。小学校時代に読み飽きてないのかな。

1995.06 なだいなだ『T.N.君の伝記』

 妹の結婚式で帰国したときに、家の本棚にあったのをふと手に取った。そのままそれを読みながら、中国から国境を越えてベトナムに入り(当時はまだ中越鉄道は復活していなかった)、カンボジアに行って、その間に何度も読んだ。いまは地震で壊滅した麗江行きのバスの中で、ぼんやりこの文の構想を考えた。

1995.08 ラファティ『九百人のお祖母さん』呉智英『封建主義:その論理と情熱』

 書いた当時は最悪の文だと思って、こわくて読み返しもしなかったけど、いま見ると結構よく書けてるじゃないか。

1995.10 『恋する惑星』&大室幹雄『監獄都市』

 大室幹雄はすごいのだ。これと恋する惑星(柳下がなんといおうと、好きなものは好きなんだもーん)をつなげようとしたのは、んー、いささか強引でちょっとつなぎがつらい。だから文としてはまとまり悪いな。いいたいことはいえてるんだけれど。

1995.12 『電脳情報』

 買いなさい、ということで素直な販促。

1996.02 岡崎京子『リバーズエッジ』

 センチメンタルすぎるけど、好きな文。

1996.04 『0-24』

 この1号で終わってしまったスーパー雑誌『0-24』を讃えるために書いた。この時点で、すでにもう次はないという情報はつかんでいたんだけれど、でもこのまま何もなく消えるのはあまりに惜しいと思って書いたんだ。知り合いにも残念がる者多数。「オープンドアーズみたいなくそ雑誌を続けて、こいつをつぶすって、朝日新聞社は頭が腐ってんのかぁっ!!」(新井朗) それにしても、雲南省はまた行きたいなあ。
 なおその後、オープンドアーズも天罰てきめん、見事につぶれていまはただのドメイン名に。ざまみろ。

1996.06 『システムとしての日本企業』

 これは実は別の本の書評になるはずで途中まで書きかけていたのが、政治的な判断でストップがかかってこれになったのである。いずれこの本はとりあげようと思ってたからいーんだけど、でもその「別の本」の著者がそんなに政治力があるのかとびっくりはした。いずれどっかで、もとのヤツはそのまま発表してくれよう(あたしゃハッカーワナビーだから無駄がきらいなのだ)。
 で、この代替原稿は……たぶん稲葉振一郎なら、「ほほえましいですねえ」と言うかもしれないけど、個人的には前向きで気に入ってる。

1996.08 『鉄の山からの報告書』

 むかしメリルの『 SF に何ができるか』で読んで以来、もう 20 年も読みたいと思い続けてきた本が手に入って、いやあ、期待にたがわぬおもしろさ。でも、まさか訳させてくれる出版社があるとは期待してなかったから、せめて書評だけでも……と思ったら、そのまさかで自分が翻訳できちまいやんの。
 文中で、The Coming War with Japan をサローの本だとしているけど、これはまちがい。Head to Head とごっちゃにしていたな。でもいずれにしても駄本にはちがいないので、実害なし。かえって一石二鳥かな。

1996.10 レイ・ブラッドベリ『たんぽぽのお酒』

 確かこれ。これは……いい回なんだけれど、個人的にはとても悲しい回でもあった。もっともっとノスタルジックな文を書くつもりでいたんだ。「あーあ、そうそう、やっぱこの世界はいつまでたっても変わらない、ぼくの宝物だよねー」というような。それだけに、ここまで読後感が変わってるというのは、衝撃だった。話をつくりすぎとか、甘い、とか、そういう感想は出ると思ってたけど、ここまで気持ち悪さを感じるとは。

1996.12 Koolhaas+Mau S, M, L, XL & Carson The End of Print

 これは何よりも、「どうだ! こんなサイコロ本を買ったぞ!」という自慢だな。その一方で、やっぱりデビッド・カーソンは評価され足りないと思う。スタジオボイスかなんかの別冊でも「もうカーソンは古い」みたいな物言いがさんざん出回ってたし。ぼくは何度見てもかれのデザインはほれぼれする。まったく読めないけど。
 あとこの回は緒川たまきの名前が出たので、個人的にはポイント高いね。


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