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中央公論 2002/01号。

中央公論コラムインデックス



 一目は置かれつつも経営的にはぱっとしない「中央公論」(好きな出版社なんだけどねー)。その看板雑誌『中央公論』が 2001 年春に時評を書かないか打診してきて、その頃はいそがしくて「もうしばらくしてから」と言ったら、ホントにしばらくしてまた依頼がきた。ふつう「しばらくして」「そのうち」というのはそのまま立ち消えになるものだと思っていたので、意外でした。

 で、文体がふさわしくないそうで、すぐに切られた。残念。(2002)

 そうこうするうちに時代は流れ、2007 年に書評連載の依頼がきた。850字程度で、16,000円。ビジネスと科学っぽい分野がいいかなー、とのことだが基本はなんでもいいとのこと。他の連載陣は北田暁大、小池昌代、五味文彦、小倉千加子。初回を見る限り、この最後の二人は全然だめ。特にこの五味文彦って人のやつは支離滅裂。北田、小池の二人は読めるので、何とか水準は保てそうではないかしら。


時評2002

テロについて、知りたい情報が入手できないわけ(2002 年 1 月号)

 テロに関連して、CIA の情報収集力ネタ。前にサイゾーでも書いたけれど、でも今回のテロがあってその中身がかなり浮き彫りになったと思うので。ちなみにこの号が発売された直後に、「オサマ・ビン・ラディンがテロについて語る」ビデオが CIA から公開されて、だけどなぜ今頃出てきたのかとか、疑問点がいろいろあって怪しまれている。ちなみに、毎日新聞の天声人語にあたるところを書いている人は、ビデオ分析の専門家じゃない、と逃げをうった直後に「素人くさいから本物にまちがいない」というすごいがさつな断言を平気でしていた。専門家でない人間が、安易にそういう断言できると思ってるのかね。バカなやつ。

ジンジャー/セグウェイと新しい都市の可能性(2002 年 2 月号)

 ジンジャー/セグウェイが出てきて、ぼくは結構おもしろいと思っている。これがはやらなくても、これに類するいくつかのテクノロジーが出てきているということがおもしろいし、そのたびにそれを受け入れる下地ができつつあること、そして長期的に世界を変えるのはまさにそういうものだということ。ITバブルがはじけて、テクノロジーをもとに夢を語るのが何か恥ずかしくなっていることと、あとテロについて「世界が変わる」なんてしたり顔をするのがはやりなのが気に入らなくて。なお、この原稿の最後のところ、アメリカがいまの減税策の影響でヒイコラ言って、という部分はなぜか上層部からクレームがきて、修正させられた。

じおぽりちっくすみたいなのと援助と国と。

 中央公論新社のかなり上層部から、山形の文体は「中央公論」の看板たる時評にはふさわしくないという決定が下って、降板。途中まで第三回の文章を書きかけていて、もったいないのでここに載せておく。いや、みんな平和維持とか新しい何とかシステムを、と言うけどさ、そんなものができると正気で思っているんだろうか? かわいそうとは思うけれど、でもいまのアフガニスタンの状況を見て、どうしようもないとか、手のつけようがないと思わない人は何か欠けていると思う。


書評 (2007-)



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