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34.

〈信じようと信じまいと〉

元ワッツにいたオーガスタス・ジャックス師は、なおもロサンジェルス地区で並みはずれた人気を博しつづけている。全国的なテレビ各ネットワータはなおもジャックスに対して、この元福音派の牧師を一夜にして有名人にのしあがらせた「白い良心への呼びかけの放映許可を、「扇動的」だとの理由で拒んで いる。このような拒絶はあっても、それに妨げられることなく、大半の国民はすでにラジオもしくは地方の系列外テレビ局を介して講演を聞く機会を得ている。先週、ビヴァリー・ヒルズにあるジャックスの$90、000の家に放火しようとしたメリーランド大学の二年生は、ロサンジェルス郡拘置所の独房にこのニグロ牧師の訪問を受けたのち、ジャックスの申し出た司法扶助を受けいれることに同意した。


T. M. ディッシュ『キャンプ収容』 野口幸夫訳     平成18年7月16日