『アウシュヴィッツ』が出版された。完成以来、これは無価値だ、悪しきものですらある、いや執筆の真っ盛りの時にそう思えたように優れたものだ、と交互に思ってきた。そんな心理状態の中で、〈ダイヤル・トーン〉のヤンガーマンにこれを送ることにハーストの許可を求めたのだった。彼はこれを掲載するために、印刷に回りかけていた号の半ばをボツにした。彼からのたいそう親切な手紙でアンドレアのことなどがわかった。彼らは私にっいて最悪の事態を想像していた、というのもス プリングフィールドでは私宛てのすべての郵便物に〈抹消〉のスタンプを押して返送していたからなのだ。彼らは電話でただこれだけをいわれたそうだ――「サケッティ氏はもうここにはおいでになりません」
あと幾つかの短いものも公表されたが、最近のたわごとは駄目で、それというのはNSAのコード破りのコンピュータどもがこうした労作に一貫して〈不確定〉の判断を返してくるからだ。ハーストはだけではないのだ。