いや、そこまで大浮かれではない。恐怖もある。ハースト/モルデカイの顔の仮面の奥に、いまひとつ、更に先の未来についての暗い認識が潜んでいる。最初の薔薇色の峰々の彼方にある一層の高み、死の如く極度に冷たく未知なるものについての。ヴァレリーのいうとおりだ! 窮極的に精神は不如意で裸なのだ。窮極的にそれは対象なき力となるという至高の貧しさへと還元されるのである.
私は本能なしに、殆ど心像もなく存在する。そして私はもはや目的を持たない。私に似ているものは無だ。毒が示した効果は、二つ――天才と死ではなく、一つだ。それを何とでも好きな名で呼ぶがいい。