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93.

スキリマンは衛守を呼びに行き、一方、クワイアはハーストをさがす。ちょっとした対決めいたものがあって、それを手短に物語ると スキパンスキーと3名の友人が、また2名のクワットを連れて枕元に。これだけこちらについたとなると、スキリの助手団は真二つ、6対6に分裂だろう。会話は相変らず治療法の見込をめぐって。きょうわれら臨界質量に 達した筈、遂に純医学的解決の通則から脱却した故。数十余の非実用的発想の中には錠に噛合うものあるかも!(無論Mがあの錬金術的プロジェクトに援用したような破れかぶれの推論によるものながら)われら語れり―― 脳波の機械的な複製と貯蔵の研究。治療法が開発される時まで、ヨガその他の方式、例、フリーズドライ法で生命仮停止。さらには、なんと、タイムトラベル同じく恒星間航行、目的は同様、即、未来(非相対論的意味で)世界への帰還。スキパさえ、われらは結局、奇蹟を求めている故、神から何らかの応答を奪取する全地球的努力がなされないものかと提案。大胆なバーネスの案は脱出(!!!!)これに私は異論、秘密保持の見込み薄い故、われらの筋書は衛守たちが始めから知っていてもうまくいくものでなくては。時間切れ。残念、100 まで行きたかったのに。


T. M. ディッシュ『キャンプ収容』 野口幸夫訳     平成18年7月16日