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86.

スキパンスキー、ワトソン、クワイア、そして新たな転向者バーネスが、輪番制で私の番をして一日を過した。これは、スキリマンの隠れもない命令に(彼らは否認するものの)背いてのことだ。大半の時間、彼らは自分の好きなことをしているが、時どき読んで聞かせてくれたり、話をしたり。ワトソンが、私の新たな、より有利な立場からみて、もう一度チヤンスを与えられてもやはり忌避者になりたいか、と質問。私はどちらとも判定できなかった、ということはつまり、そうなるだろうということではないかと思う。人はなんと多くのことを、ただ首尾一貫していると思われたいというだけの理由でやることか!



T. M. ディッシュ『キャンプ収容』 野口幸夫訳     平成18年7月16日