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65.

〈最近の掘出し物〉

著名なイギリス系アメリカ詩人、リー・ハーウッドが、自らの考案になる言語で書かれた作品を公表しはじめた。この「新語」を検討した言語学者たちは、自らの言語が本質的に、口語であれ文語であれ、他のいかなる言語から派生したものでもないとの、ハーウッドの主張を正当なものと実証している。ハーウッドは、アリゾナ州ツーソンのはずれにユートピア的なコミュニティを設立して、そこで彼の言語が話され、「その周囲に、それにそぐわしい文化が発達する」ことのできるようにすべく、企図している。すでに十二の州から三百名の応募者がこのプロジェクトに参与している。


T. M. ディッシュ『キャンプ収容』 野口幸夫訳     平成18年7月16日