詩神が降臨――その特徴として、下痢の発作というすさましい仮装をし、頭痛に支援されて。オーデンがどこかで(「バイロン卿への手紙」の中で?)いかにしばしば詩人のよりよき空想の飛翔が流感のおかげ/ランプティ・タンプティ・タンプティであることかといっている。
いささかパラドクスながら、この数か月そんなに気分がよかったことはなかったのはいうまでもないだろう。せっかくの折だから、ささやかな詩を書きとめておこう(実に片々たるものではあるけれど、ああ! この前に書いてからいかに久しいことだろう)――
蚕の唄
どうすれば私は 喜んで入れるようになるのか
あの杉の箱に 明らかではない
今はその時でない
私は今が盛りだ
露はまだ個れてはいない 私の耳のうしろに
ことばでは言いあらわせぬわが涙
そして歌声
聴くがいい
石さえも黙している 慌惚として
どうすれば私は 降りていけるのか
あの闇の中 魂を置き去りにじて
歌声に聴き入れ 蝶よ
そして壊れた壷は
箱に入れ
いやいや私はやめることはない 紡ぐことを
蝶や壊れた壷のこと とこのボツ
(ここでルイス・サケッティの日誌の手書き部分は終わっている。以下の文章はサイズや紙質の異なる紙にタイプで打たれていた。――編者)