Z-Kan (どうでもいいが、この URI の指定はなんか不安だ)というのは、あの学力増進会こと Z 会が出している大学生向けの雑誌だ。受験生ならZ 会というのは知っているだろう。大学受験用の通信添削講座。むずかしかったなぁ、ここの問題は。それで、毎回、成績の順位が出るの。そのときにハンドルを使えて、最初はいっしょうけんめいハンドルに凝るんだけれど、やがていくら凝ったハンドルを使っても、そもそもランキング上位に上がるような成績がとれなきゃなんの意味もない! ということを思い知らされて、そういうくだらないことには頭を使わないようになる。ちなみに当時は、数学ではラグランジュというハンドルの、まあ天才的なやつがいて、すごかったね、こいつは。あとぼくが好きだったのは、ここの漢文のテスト。二畳庵主人とかいう先生が出題しているんだけれど、この人が出すのが、ポルノ漢文。これは楽しく読ませていただきました。
さてそのZ 会が、大学に合格したアフターケアまでしようってんで創刊したのが、このZ-Kan だ。中身は結構すごいね。ぼくもこれにはちょっと貢献していて、創刊前に雑誌の案を見せられたときに、副島隆彦の連載ってのが案としてあって、これは絶対にやめたほうがいい、とアドバイスして(もっともほかからもすでにそれは多数指摘されていたそうだけれど)、そしたらやめてくれた。あとの執筆陣や登場している人の面子がすごい。宮台真司もいる、香山リカもいる、若手の論客みたいな人は総出で登場。たぶんみんな、ぼくと同じで、昔の受験生時代にZ会にお世話になっていて、まあそのよしみで、ということで登場してるんだと思う。
で、ぼくがやっているのは、サラリーマンってどういうもんか、という話だ。正直いって、たいがいの大学生って、サラリーマンの仕事について具体的な実感ってまったくないよ。いったい、なんであんなにたくさんの人間をやとわなきゃいけないのか、とか、それぞれが具体的に何をしてるのか、とかさっぱり知らないもの。でも、みんな結局はほとんどサラリーマンになるんだよ。まあそんなことの説明だ。というわけで、この連載。
雑誌自体はねえ、これだけすごい面子に書かせておきながら、いまいちパッとしない。それはデザイン的な面もある(これは3号からてこ入れが謀られるみたい)。もうちと構築性があるべきだな、とも思う。まとまりがちょっとない。それと PR もなんとかしないと、ターゲットに届いているのかな。さらにこのWebページとか。表紙とかイマイチ冴えない感じだし、二号が出ているのにこのページのタイトルが「創刊号」のままでそれに気がつかないとか。ツメが甘いよね。書店でも置き場所が不明確なのでイマイチ映えない。別の売り方を考えたほうがいいのではないか。Z 会卒業生にはとりあえず一年無料でプレゼントして、とかやって、その後は直販、という形で固定客を確保する、とか。そうでないと先細りだと思う。
……といってる間に一年たって、編集者の人が、そろそろてこ入れしないと、と言っていたんだけれど、4号の原稿をあげた直後に「休刊します」という連絡が入ってきましたよ。残念といえば残念だなあ。一回くらい、心機一転でたてなおしとか、じたばたしてからつぶれる手もあったんじゃないか、と。