最近の噂
風の噂ではございますが……
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2009/12
マレーシア で、「おまえの靴下は分厚い」と怒られる夢を見た。……なんだったんだろう。
が、ベッドが快適なのでそんなに夢を見ない。ジャカルタの日航ホテルの後では、KLのシェラトンは天国のようで(お値段もそれ相応ですが)、部屋のドアを開けた瞬間、あまりの広さに部屋をまちがえたのかと思ったほど。ホテルの横の通りがなんだかバー&クラブ街で、久々にクラブを三軒はしご。手首にスタンプ押してもらうのも久々だなあ。どこも、金曜の夜一時過ぎても人の入りはそこそこ。外にはいっぱいたむろしているんだけれど。どこでもだれも踊っていないので、少し興ざめ。その通りでも、五、六軒あるクラブのうち半分が改装か売りに出ていて、経済成長マイナスの打撃はここにもきているなあ、という感じ。(2009/12/19, id )
I saw (unwittingly) Twighlight , OMG it was godawful and I feel so impure and violated. I need to see some healthier movies to cleanse myself. And they should stop these vampires vs warewolf crap. Underworld was OK, but it didn't really make sense at all. They don't really compete. OK, and Twighlight: New Moon is coming? I didn't realize that that was the second one. I hope this series doesn't last long enough to make Twighlight: the middle-age crisis ... or would that be more fun?
Pure coincidence, but they were doing a previw / interview for Twighlight: New Moon on TV, and it seems even more godawful. The first one was... OK, the lighting and the texture was sort of interesting, and they play down the SFX, but with the new one, they obviously have WAY TOO MUCH money. The girl, in the interview was saying that, without all the pressure, she couldn't do these "stupid ... I mean unusual parts," and she gained all my respect.
Oh, and The Road is coming. Hmmm. it's obviously not going to be bare-bones as the novel, but maybe, just maybe, it might maintain the dignity... or maybe not.
(2009/12/06, id )
グーグル の日本語入力 、かなりいいなあ。いままでずっと ATOK 一筋だったけれど、これが続けば裏切るかもしれない。なお、最初の使い方はちょっと混乱するので、ここのブログの説明や下のほうのFAQ を読んでちょっと設定すべし。(2009/12/05, id )
ジャカルタ の日航ホテル、予算がないので親分が安っちい部屋を取ったら、古いし狭いしきたないしアリがいっぱいいるし、前に止まった愛媛のビジネスホテルみたいだよう。一泊六〇ドルですので文句は言いませんけど。別館のほうはずっといい部屋らしいし、この本館もいま全面改装中なので、たぶん来年にはずいぶんよくなるんだろうけど、なんか一瞬「日航は本当に金がないんだなあ」と思ってしまった。が、よく考えてみると金がないのは日航よりウチのプロジェクトだ。(2009/12/04, id )
2009/11
公正 取引委員会からアンケートがきていて、委託先(ってぼくの場合は各種出版社とか)が下請法に違反してないかどうか答えろという。えーっと、原稿とか翻訳はここにある「情報成果物」に該当するのかな?? なんだか発注書面をもらっているかとか、支払いまでの日数とかきかれているけれど、そういえば一部の会社は変な紙を送ってくれたけど、くれないところもあるし、原稿とかの発注にはいるのかな? 翻訳はたいがい契約書を交わすことが多いけど。でもこういう調査をして調べているのか。なるほどね。とはいえ原稿書きはあまり下請けという意識がないので、違和感があるなあ。 (2009/11/24, id )
そういえば 、こないだ歌舞伎を見に行ったら、福田赳夫もきてたんだよなあ。その後鳩山もきたそうだし、政治家の必修演目かなんかの? あと、大阪でやってた芦屋道満って、方術づくしのオカルトものかと思っていたのに、キツネが恩返しで化ける話で(まあ他の段はちがうんだろうけど)、ちょっと面食らった。でもキツネ好きだからいいんだけど。 (2009/11/24, id )
最近 、かつてほぼすべて買っていた橋本治の古い本を大量に処分した。土井たか子がいかにすばらしいかをかれが力説している二十年前の文をいま読むと、もうこんなものを手元におかなくていいだろうと思ったので。花咲く乙女たちのキンピラゴボウと蓮と刀とアストロモモンガと、時代劇の本とぶらんこと、その他5冊ほど残して捨てた。文そのものが時間の経過に耐えられないものが多いし、読者たるぼくの側の変化もあるんだけれど、もうかつてのように橋本治は読めない。で、先日古本屋の百円コーナーに、呉智英の文庫本が六冊まとめて出ていたので、つい買ってしまった。これもヘタに読むとまた橋本治のような失望を味わうことになるのか、と思ったりもしたが、杞憂だった。呉智英は、いまだにまったく価値を失っていない。よかった。 (2009/11/21, id )
なんか 仕事である国にでかけたら、そこはなんだか川辺なんだ。そしてその向こう岸には、なんかディスカバリーチャンネルで見るみたいなジャングルと草原が広がっていて、キリンとかライオンがうろうろしてるんだよ。で、その夢の中では、なんかその向こう岸にいって何かしなきゃいけなくて、「めんどうだな」と思っているうちに何かもやもやして向こう側にたどりついていたんだけれど、そしたらキリンがのほほんとした感じで近づいてきて、その首がいきなりヘビみたいにぐにゃーんと曲がって顔がこっちに接近したと思ったら、リンゴをかじるみたいに、スカッとかじられたんだよ。そのキリンがピンクだったのを覚えているけど、ちゃんと毛深かった。どこをかじられたんだかよくわからないだけれど、リンゴのかじり跡みたいな感じで自分がかじられているのがわかって、別に血もでなくて全然痛くもなくて、最初は何がなんだかわからなかったんだけれど、次第に事態がじわじわ身にしみて理解されて、ぼくはなぜかすごく感激して「わあ、わあ、キリンにかじられちゃった、どうしよう?!」と熱い思いでいっぱいになって、それからどうしたのかよく覚えていない。でもなんでぼくは夢の中とはいえ、キリンにかじられて喜んでたんだろうか。 (2009/11/21, id )
うーん 、ぼくは松本幸四郎は好きじゃないんだけど、市川團十郎をぼくは好きなのかなあ。久々に国立劇場で歌舞伎を見て(反魂香って、もっとホントに死者復活のオカルトな話だと思ってたもんで)、外郎売りを見て、どうなのかなあ。いま一つピンとこなかったんだが。 (2009/10/15, id )
飛行機の 中では、ハリポタ最新作を見る。暗い……爽快なところがかけらもなく、もはやまったく児童映画ではなくなっている。原作の都合上仕方ないんだけど。ドレイコ・マルフォイ役の子がいちばん深みを出していて将来性がありそう(クセがある顔立ちなので悪役遍歴にまわされそうだけど)。エバンゲリオンも見る。テレビを見たのはずいぶん昔なので忘れちゃった。こんな話だっけ。特に感動もなし。GIジョーは、見たの後悔したけど、悪役がいろんな映画の悪役勢揃いで笑えた。ハムナプトラのイムホテップくんとか、シャロウ・グレイブの死体処理やらされる会計士とか。なんだか他にも見たような気がしたけど、忘れちゃった。 (2009/10/15, id )
2009/10
森山和道は 「ウルトラ一族の髭は4万5000歳以上にならないと生えない、ということを初めて知った 」んだって。ふーん、それじゃウルトラセブンにはなぜカラータイマーがないか知ってる? ウルトラ宇宙学校で成績が悪くて、平均が4以上じゃなかったから、なんだよ。ホントはカラータイマーをもらえる成績でないと地球にはいけないんだけど、でもその年は不作でそんなヤツでも学年一位だったから、地球にこさせてもらえたんだって。ちなみに成績が悪かったのは国語で、ウルトラセブンはウルトラ宇宙文字を読むのが下手なので、ときどきウルトラの星からのメッセージを読み間違えるんだってさ。ゾフィーはウルトラ宇宙学校史上最高の優等生でオール5だったので、余計なチカチカもついているとかなんとか。小学生時代に友だちんちで読んだ『テレビランド』かなんかに書いてあったのを、、なぜかふと思い出した。
……それにしても、自分の脳内がこの手のクソの役にもたたない 情報にどれだけ占領されているかを考えると、空恐ろしいものがあるよな。 (2009/10/16, id )
少し 考えたけど、岡田くんの外遊はあまりにタイミングが悪すぎて、特にインドネシアまわりは外務省にイジワルされてる部分もあるんだろうという気がしてきた。岡田がこっちにきたのが13日、緊急医療チーム帰国が13日夜(14日朝に成田について解団式をやったそうな)。あまりに見事なすれちがいぶり。ちょっと調整すればそっちもねぎらってあげるとか、いろいろ細かいやりようはあっただろうし。
ただアフガンやパキスタンに行ったり、ネシアにきて被災地見物といった話自体は、そのあまりの準備の悪さや話の無内容さ加減から見て、岡田が急に言い出したんだろうとは思う(オバマ来日に備えてアメリカに詰められて、なんか言い逃れのためのポーズを作らなきゃと思ったんでしょ)。話す中身もないのに各国とも大統領や首相とのアポを急にとらされて、各国の大使館もずいぶん(いやものすごく!)苦労したはずで、それ以下の細かいロジに頭がまわらなかったのが必ずしも意図的かどうかはもちろんわからない。 (2009/10/15, id )
岡田くんは 13 日にインドネシアにきてユドヨノ大統領とも会談してるんだけど、14 日朝の現地の英字新聞には岡田くんの話は一言も(一言も!)出ていない。日本語新聞にはさすがに大きく出てるけど。「来た」ってだけでは無価値なのよ。ユドヨノさんには大東亜共栄圏復興構想を説明したんだって。そんな無内容な夢物語を聞かされても、インドネシア側だって対応に困るわな。
いまからスマトラ島の被災現場の視察にいくそうだけど、もう緊急にできることは終わって日本のチームはかなり撤収してるからなあ。それにいくら災害のことを気にかけているような顔をしたって、別の用事のついでに立ち寄っただけなのはみんな知ってるんだし、本気で心配してるわけじゃないのが見え見えで、少しでも PR 効果になるのかどうか。心配してるふりをするんなら、すぐやんなきゃ。オバマ大統領は、発生直後の 10/1 にすぐ連絡して支援表明して、それなりに存在感出してるよ。鳩山も岡田も、そのときは何一つレスポンスがなくて、救助隊が派遣されたのは下々の活躍らしいね。終わった頃にやってこられましても。
あと、被災現場に行くと聞いて、ぼくはその場で何か具体的な方策を発表するんだと思っていた。被災地見て(支援物資を配ったり自ら瓦礫を少し片付けたりしてみせてから)、その場で「みなさんの苦労はしかと見届けましたぞ、すぐに道路整備に何億出して、被災者向けの住宅再建のための低利融資にどーんと金をつっこむ、五年後にここは災害の痕跡すらなくなるでありましょう!」とかぶちあげれば大喝采。もちろん、そんなタマはあらかじめ考えとくんだよ。それが政治的パフォーマンスってもんでしょ。でも、岡田大臣はこれから見て、何ができるかこれから考えるんだって。すると具体的に何かアクションが起こるのは……来年の末くらい、でしょうかね? ホント、何しに来たの?
ちなみに、ジャカルタグローブ紙で今日載っていた唯一の日本ネタは「鳩山は亀井をだまらせろ」。かなりしっかりした亀井(とそれを放置している鳩山政権)批判で、みんな見るところは見てるんだなあ。いまぼくはインドネシアの金融セクター改善がらみの話できているんだけど、指導するはずのインドネシア側に、逆に日本の金融担当大臣がバカにされてるとは、立場がないっす。情けない。 (2009/10/14, id )
岡田くんは アフガンの後でパキスタン経由で、いまぼくの後を追ってジャカルタにきているんだが……何しにきたのって感じ。普通、えらい人が外国にくるときには、何か話しあうべき議題や国内外に対して稼ぐべきポイントってのがあるわけで、来月オバマが日本にくるのも、給油問題とかいろいろ懸案事項があるからだし、きたからには成果だそうとしていろいろ根回しが行われているけど、岡田外相の場合、アフガンもパキスタンもインドネシアも、いま火急の懸案事項って……あったっけ?
給油問題はまあトピックではあるんだが、その件ですらニュースを見ると 、パキスタンにすらまったく相手にされず、(「クレシ氏は黙って聞くだけだった」ってすごいなあ。日本の内輪のもめごとをクダクダ弁解されてうんざりしてたんだろうね)、アフガンも、先方が何を言ったか という話が一切でないところを見ると、たぶん似たような状況だったんじゃないかな。先日アメリカにいった赤松農相も、相手と日米FTAの話すらせず、今回は握手しにきただけとか寝言を言っていたようだし。外国行って要人と会ったら、会っただけの成果をきちんと出してくれないと無駄もいいところでしょうに。民主党って無駄なくすんじゃなかったの? そういうの一切手配してあるように見えないんだけど。
この手の無目的な偉いさんの無駄な外遊って、下々にまで迷惑が及ぶんだよね。日本の連中はくるだけ来て時間を無駄にするだけで、会っても何のメリットもないとはっきり言われることも多々あるし。
岡田だって、もっと官僚のいうことをきいてきちんとスケジューリングすれば、カブールより先にまずジャカルタにきて、日曜にこっちで大々的に展開してた国交五十周年記念の日本祭り のフィナーレに出て、災害復旧支援に力点を置いた挨拶でもすれば、大歓迎されたしニュースにもなっただろうに。ジャカルタ市がモナス広場まで使わせてくれた大イベントだったんだよ。それが祭りの後にやってきて、しかも何の話をするの? 小澤マリア問題でも語るの? いまインドネシアで、一番ホットな日本関連の話題はこれで、いまの騒ぎで素人庭園時代のやつ(こちらでは当時の源氏名のほうが通りがいい)も含めた海賊DVDの売り上げがものすごく伸びているんだって。でも外相が出る幕じゃないわな。あとは震災復興の話と、ODAを出すとか出さないとか何か約束しないとカッコがつかないと思うんだけど、何かこれというタマあったっけ? 世間話に握手だけだと、まじめに仕事してる我々も嫌みを言われたりするので、頼みますぜ。
(2009/10/13, id )
岡田が アフガンに行って、カルザイに会っただぁ??? いま? この時期に? カルザイはいま、アフガンの選挙ですさまじいインチキばっかりやっていたことが暴露されて国際的に評判最低、いままでがんばってきた国連とかも何やってたんだと怒られていて、CNNでもBBCでも、いまアフガンといえばオバマの話と同時に、選挙の失敗の話が未だにしつこく続いているのに。ここでカルザイと話をするのは、国際的にはセンスの欠如を暴露するだけで、マイナスでしかないんだけど、岡田はそれがわかってるわけないよなあ。とはいえ、ニュース見てればわかるだろうに(って、見てないんだろうけど)。どうせ世界に注目されるスタンドプレーのつもりだったんだろうけど、だれか忠告してやらなかったのか。ホント、だれの浅知恵なのか知らないけど、もの知らずなんだから官僚の言うことにもちゃんと耳を傾けたほうがいいと思うぜ。復興支援とか言ってるけど、いまだにドンパチやってて復興以前の状況なのわかってる?
ま、二酸化炭素の話やら職業訓練談義やらと同じで、世界的には完全に無視されているのが情けないと同時に救いでもあるけど。あとは馬鹿な約束してきたりしてないだろうなあ。頼むぜ、まったく。
(2009/10/10, id )
久々に 機内でまともに映画の見られるフライトに乗って、『ターミネーター4』を見る。評判ほど悪くないかも、と思ったら……なんだあのラストは? あまりにあの死刑囚君かわいそうだし、ジョン・コナーも何のためらいもなくそれを受けるの??!! だいたいサイバーダインはもっとうまく人を操らないとだめじゃん。
あと、テレビシリーズの、『ターミネーター:サラ・コナー・クロニクルズ』は……なんとシャーリー・マンソンがレギュラーで出るのぉ? びっくりした。でも予告編を見ると意外にいいかも。 (2009/10/10, id )
祝 金子勇無罪判決。逮捕された当初に少しカンパしたけれど、最初の有罪判決で絶望してその後フォローしてなかったが、本当によかった。 (2009/10/09, id )
2009/09
ふと したことで、自分が老いてしまったなと感じることがある。もはや若いなどとは思っていないけれど、でも露骨に自分の衰弱を思い知らされるのは嫌なものではある。たとえば今日、あのダジャレしか能のない AERA を立ち読みしていたところ、なんでもあの民主党の中に金融畑の連中がたくさんいて、そいつらが「リフレ研究会」 なるものを作って、そこが日銀のクビを締め上げて 2% のインフレを目指させる という政策をうちだして、それを菅直人に説明して云々 と書いてあったように読めてしまったんだが、あのバカであほで経済のイロハもわかっておらず、為替介入しないと宣言すること自体が為替に対する政治的な影響であることも知らず、モラトリアムとかバカなことを言い出し、予算執行を平気で止め、できもしないくせに二酸化炭素四割減なんかを約束してみせる民主党なんかがそんなことをするわけがないどころか、そんなことを思いつくやつすら一人たりともいるわけがないので、 どう考えてもこれはぼくの目がおかしくなったか幻覚を見ているにちがいなく、しかも勝手な願望がもろにだらしなく垂れ流された幻覚を今頃になってフラッシュバックで見るとは、オレもヤキがまわったねえ。それとあのときのクスリはよほど粗悪品だったにちがいない。でも、トビはいいなあ。
ちなみに幻覚はそこまでで、菅直人はなにやらにべもなかったとか。でもいい幻覚だったなあ。で、幻覚の中の民主党リフレ研諸賢、もし菅直人がそれ以上ぐだぐだ抜かすようなら、いつでもガーナの呪い人形はお貸ししますんで。それとこれが多少なりとも現実の戦略に反映されたら、再来月以降は(すいませんね、来月の原稿はもう校了してしまったんで)民主党の悪口は(なるべく)控える。鳩山が下のようなバカでまぬけでどうしようもないことを言っても我慢するようにする。 (2009/9/28, id )
鳩山が 「タリバンに職業訓練を受けさせて社会復帰で平和貢献」とか口走っているそうな。だれかあのバカを黙らせろ。アフガン問題を日本のヒッキーニート問題と同列に考えるという国際センスの完全な欠如。日本の失業率でさえ減らせないくせに。だれだ、あんなヤツをうちの首相にしたのは。でも首相がそう口走ってしまった以上、来月あたりのJICAの公示には「アフガニスタン職業訓練プログラム実施案件形成調査」とか出てきちゃうんだろうなあ。ぼくは絶対応札しないけど。 (2009/9/24, id )
ラオス にて、下のニコ動『踊ってみた』系のやつを同僚に見せたところ「シルヴィ・ギエムに比べるとキレがない」との評。
……よりにもよってシルヴィ・ギエム様と比べるんじゃない!!! そもそもそんな比較を思いつく時点で不敬罪である!! まったくすみませんねえシルヴィ様、こんなつまらないことでお呼び立ていたしまして。悪気があってのことではないと思うのでお許しあれ。 (2009/9/23, id )
ラオス に逃亡する前に、一度形だけでもプロポーザルを出したことにしておいたほうが逃げ口上をうち易いと思いつき、「そっちが全部データを用意してお膳立てしてくれたら分析してあげなくもないよ、あ、それと時間かけても仕方ないから雑にざっと見るだけで、高度な分析なんか全然しないからね、これでいいというなら、やってあげなくもないよ」という我ながらタカピーなプロポーザルを殴り書いて投げ込み、さてラオスから帰ってきてみると、なんと当選! え~~~、絶対採用されるわけないと思ってたのに、あんなのがいいの?? あなたたち M 属性??!! 別の仕事も取れてしまったというし、なんだなんだ。これでさらにルワンダ行きまで決まると怖いなあ。 (2009/9/23, id )
【ニコ動】最強パレパレード All Stars
【ニコ動】私のメイドが『チルノのパーフェクトさんすう教室』を踊ってみた
道連れに きみたちも少しみて人生を無駄にしたり仕事ヘマしたり原稿落としたりしなさい。でもこいつら、うまい子たちは本当にうまいし、実に楽しそうでいいよなー。さんすう教室のパンダねーちゃんとか、結構面倒な振りつけを実にひょうひょうと余裕で楽チンそうにこなしていて、実は相当できる。あと、47 はシンディー王もやっているのか。なかなかの目利き。(しかしホント会社でなんといいわけしようか……とりあえずラオスに逃げることにしよう) (2009/9/12, id )
【ニコ動】ケミーキラー「洗脳のテーマ」
某 プロポーザルをロンドン時間の金曜日営業時間中にあげなくてはならなかったのに、恩師の喜寿の会に出席してお酒を結構飲んでしまい、それでも帰ってからきちんと仕事にかかった……はいいが、データを検索しているうちに悪魔のニコニコ動画にたどりついて変なものを見てしまい脳が汚染され、気がつくと「踊ってみた」系の動画をしこたま観てしまう。おお、これがあの伝説の47に阿部子か。いいなあ、こういうの観るとなんかオレより100倍くらい人生楽しそうだなあ……と感慨にふけっているうちに時間がつぶれていて、金曜がとっくに終わって空がしらんできているではないか。あははははははははははははは。プロポーザル辞退届も作っといてよかった。(しかし会社でなんといいわけしようか……) (2009/9/12, id )
テンペスト の文楽仕立て見たが……ストーリー追うのに気を取られすぎ。せわしない割に、全体に表面かするだけになっていて非常に……二時間でテンペストを全部カバーしようとするのがアレだとは思うが、決めのシーンがあまりになさすぎ。せっかく文楽にするんならば、ここは一つ文楽らしくめちゃくちゃにしてほしいねえ。ラストシーンだって、悪役(プロスペローの弟)がせっかく切腹しようとしているんだから、そこは止めちゃだめでしょ。止める間もあらばこそ、かっと腹かっさばいて、それから三十分くらいお家大事のなんたらかんたらと反省の弁を述べ、まわりにみんなももらい泣き、というのをやってほしいなあ。日本的には、許されてもめおめ生き恥さらしてはいられんでしょう。
ついでに、キャリバンをもう少しうまく使えば? キャリバン貧相すぎ。ビジュアル的に弁慶なみのものすごい巨大悪人相にしようぜ。それをプロスペローが呪文一つで抑えれば、プロスペローも箔がつくってもんだ。それとどうせキャリバンの出自や正体については一切ふれずにすませたんだから、実はキャリバンは、うーん、そうだな、悪役の生き別れの息子、とかいうことにしよう。んでもって、それが何やら目印となる形見の懐刀かなんか持ってるんだ、といった会話をキャリバンが聞いてしまい、もちろんそれはかれが物心ついて以来ずっと持っているのと同じもの。そうか、おれは実はXX家の嫡子、それがいとこを手込めにしようとしたとはなんたる恥! そう思いつつ、ラストシーンで親子は涙の対面だが、悪役はそこで、親の因果が子にたたり、このような人か獣かわからぬ代物になっていることに驚愕して、罪の深さを悟るわけですな。そしてキャリバンはそこで父の悪行をきいて驚愕。
でも悪役、反省の気配など見せずに開き直りの罵詈雑言、あまりの言いようにまわりが血気だつ中、キャリバンはとりあえず余興に踊るとかいって、戯れのように刀をぬいたかと思うと、目にもとまらぬ早業で悪役を串刺し! 実の親とはいえ、プロスペロー殿に対する仁義のかけらもなき悪行許すまじ、でも実の親を手にかけて、おれもこのまま生きてはおられぬ、死んでおわびをと言ったところで、虫の息の悪役がそれを押しとどめ、実は兄プロスペローが生きているのを知り、獣のような息子の姿を見ておれはすでに深く悔い改め、さっき影腹を切ったので、おまえが殺したわけではない、さっきの罵詈雑言は、おまえに手柄をたてさせるための芝居、こうして生き別れの息子に会え、しかもそれがこうして忠義の心を示してくれただけでも神仏の恩寵、ありがたやありがたや、と延々やってほしい。でもそこで実はキャリバンも、親と自分の不始末をあがなうべくすでに影腹を切ってあったのだ! これ堂々の二重腹切り!
そして見よ! 醜き姿だったキャリバンが、いまや一瞬にしてりりしい若武者に! おお、父の罪状が命をもって濯がれ、悔い改めを得たので、息子へのたたりもこれで消え、本来の姿に戻ったのか! 腹切ったキャリバンと春太郎と(シェイクスピアとこの翻案の役名とがごっちゃになっててすみません)がここで二人で見栄を切りまくってほしいところ(いやそれには春太郎がもうちょっと活躍しないとダメだな)。恵理彦(ってエリアルだけど)も、最後にもう一発出てきてほしいねえ。あと文楽に妖精はいないとか翻案した人は言ってるけど、狐の化身にでもすればいいじゃん。あのペリカンとアヒルがムームー着てはねてるだけの妖精は、ちょっとつらかった。
そこまでやるんなら、もう二段くらい変えようぜ。プロスペローもあんまりかっこよくなかったから、もっとショボい役にしよう。中国の方術書を目の色変えて買いあさって家が傾き、そこで弟とナポリ大公に図られて家を追われ、しかしそれでも方術狂いがやまずに本代ほしさでいよいよ娘ミランダを遊郭に売り飛ばし、それをキャリバンが強引に身請けしようとするところへ、プロスペロの引き起こした嵐によりナポリ大公ご一行様が遊郭で雨宿り、その息子がミランダに出会って一目惚れ。だけどそこへキャリバンが、今日こそ思いをとげんとし、その一方でいまだ方術狂いのプロスペロはどうしても今日中に金がいると娘に無心、苦しむ娘の見せ所を作ろう。で、そこで娘がさんざん悩んでお稲荷さんに祈ると、そこで恵理彦が突然でてきて……おお、なんかできるではないの。もはやシェイクスピアのかけらくらいしかないけど、文楽だもん、そのくらいやってほしいよ。
(2009/9/7, id )
いやね、 この『ウルヴァリン』の話なんだけどさ、かれってなんだか骨を全部金属にされたとかそんな話なんでしょ? あの鉄のツメって、骨の延長なんじゃないの? 骨から生えてるんじゃないの? この写真見ると、明らかに手の指の間から生えてるんだけど、そういう細かい設定って気にしちゃいけないの? ちなみに、これはどうせ飛行機の中でやる映画なので金出してなんか絶対観に行かないけど。スタートレックとかも一瞬で終わってしまったし、これという当たり映画がぜんぜんないなあ。(2009/9/7, id )
かつて 無知全開の喫煙開き直り論を書いていた室井尚を全面的に批判した ことがあったけれど、驚いたことに室井は、そこで批判されたことを一切黙殺して、ほぼ同じ内容の代物を本にして出していた 。
2005 年の時点で、統計の見方を知らないとか、喫煙の増加と肺がん・気管支がんの増加との間には三〇年くらいの時間差があるということを知らなかったのは(そしてその無知を全開にしてえらそうな文章を書いたのは)恥ずかしいことではあるけれど、その後の対応次第で多少は挽回できること。でも室井は、一度批判を認めて、みっともない言い逃れを試みたうえ、自分のあやまりを知っているのに、ほとぼりがさめたとでも思ったのか、まったく同じ内容の代物を本にして小銭稼ぎ。すでにまちがっていると自分でも知っていることを書き散らして金を取り、読者を、そして自分自身をだます道を選んでいる。
この件については一切口を閉ざすくらいの恥は知っているだろうと思ったが、そして一度反論できずに詭弁を弄するしかなかった議論をそのまま平然と持ち出したりはせず、なんか言うにしても多少はひねりを加えるとか小細工くらいはすると思っていたが、そのまさかだった。こうした最低限の道義も慎みもない人間がこの世にいるのは知っていたけれど、でも実際にこうしてそれを目の当たりにすると、やるせない気持ちになる。この人に教わる学生さんたちは本当にかわいそうに。
(2009/9/2, id )
やりかけ のことにケリをつける強化期間。考えてみれば人生残り少ないのです。というわけでトマス・ピンチョン『Against the Day』のあらすじ 、2 年ぶりに手をつけて一気に完成させた。やれやれ。たいへんでした。ラストのほうになると、冒頭のめちゃくちゃなネタのちりばめ具合がおとなしくなってきて、とりあえず話を作るのに頭が行っている感じ。それでもいろいろ変な話は山ほど入っているんだけど。でもあのピンチョンが、こうして無理に強引にこじつけてまでハッピーエンドというか希望を持たせるような結末にしているのは、意外といえば意外。でもぼくはヤシュミンにもう少し華々しく終わってほしかったなあ……
なお、トマス・ピンチョンはしばらく前に新作『Inherent Vice』 を発表。えらく読みやすい探偵小説風の何というかよくわからないもの。『Against the Day』は 21 世紀の『V.』を念頭に置いているんだろうけど、これはたぶん 21 世紀の『競売ナンバー49の叫び』を意識しているんだろうと思う。冒頭部分と結末、ちょっと訳してあげたから 雰囲気を味わいなさい。(2009/9/2, id )
2009/08
し、し、 し、信じられん。オウテカのガンツグラフ にあわせて踊る! こいつら天才だ! しかもそれが見事に曲にあっているという……
なーんて、別の曲にあわせて踊っているビデオのサウンドトラックだけだれかが入れ替えた代物なんだけど、でもだったらその曲をあわせたやつが天才。よくまあちがう曲でここまであわせられるもんだ! 基本のビートだけそろえれば、何でもあうのかもしれないけれど、でも途中の細かい腕をぱっと広げるところとかのはまり具合とか、ほとんどあつらえたような出来。おそれいった。(2009/8/29, id )
久々に 試写会にいっても追い返されずにすんだ、ジャームッシュ『リミッツ・オブ・コントロール 』。タイトルがバロウズのエッセイから採ったものだとかで、それでぼくにも試写のお声がかかった模様。最近は映画はすべて「これ、飛行機の中でやるかな?」を基準にするので、実際にスクリーンで映画を観るのは本当に久しぶりで、『ゾンビストリッパーズ』以来じゃないかな。
映画は決してわかりやすいものではなく、殺し屋が、すべてをコントロールする男を殺しにいく中で接触するいろんな人々が、ほとんど同じ台詞を繰り返す。その型にはまり具合に自由があるような、そんな映画。バロウズは一切の型を壊すことで自由が得られると思って、結局は失敗したんだけれど、ジャームッシュは型にはまった自由を描こうとして……成功しているかは観る人次第。No limits, No control. 眠いときに観るのはおすすめしません。あと、試写の会場だった東京映画学校というところが、なんだか不思議な近代建築の本社ビルを壊すまで使わせてやろうかといった風情のところで、びっくりした。(2009/8/29, id )
文化 活動強化期間でございます。ブルーマングループ、観てきました。なかなかいいよ。ニューヨークで観たのはずいぶん前で、それより少し甘い感じがしたけれど、でも記憶ちがいかもしれない。甥っ子を連れて観たんだが、子供でも楽しめるのに子供だましではない、ほんとにご家族一同楽しめるエンターテイメントですな。でもディープパープルねたとかセックスピストルズねたとかは、年寄りにしかわかんなかっただろうなあ。千秋楽までに是非おいでを。当日券も結構あるみたい。
終わって、小学生はブルーマンと写真が撮れるという企画があったんだが、子供(の一部)はブルーマン怖いようで。そういうもんかね。あと、飯を食っているときに甥っ子の一人が忘れ物に気がついて、劇場に戻ってみたら非常にきちんと対応してくれて、忘れ物も出てきたし、そのうえブルーを落としたブルーマンの一人にも会えるという余録つき。ありがとうございます。(2009/8/29, id )
フィルタリング打破企画、続いて 『ゲド戦記』観た。話追いかけるのが精一杯で、それでも最後のところとかうまく処理し切れてない。なに、あの女の子が竜になったの?? 最初の父親殺しもよくわからないし。腹の立つ映画ではなくて、いっしょうけんめい誠実にやってるのはわかるんだけどそれが結果にならなくて、かわいそうで正視に耐えない映画。(2009/8/28, id )
先日はじめた フィルタリングを打ち破る企画で、やっと『キャシャーン』を見る。ものすごく警戒していたが、思っていたほどひどくはなかった。いや話はひどかったし、最後は何アレ? 麻生久美子も新造人間だったの? なんで爆発したの? でも途中まで、台詞一切なしで背景説明すら犠牲にしつつ完全に画面と効果音だけでミュージックビデオ的に構築されているのはすごくて、ここまで実験的な映画だったとはと驚愕……していたが、一時間くらいたったところでこれは何かがおかしいと気がつく。DVD プレーヤーが壊れていて、5.1chにするとセンタースピーカーの音が出ていないだけだった。
プレーヤーを換えて見直したらぐっと普通(以下)になってしまった。監督は画面の九割を常にとにかく何やらごちゃごちゃ埋め尽くさねばならないという強迫観念にかられていて、画面がうるさいことおびただしいし、麻生久美子は媚び媚び演技は我慢しても、あの鼻腔からの卑しい発声は耐え難く、頼むからしゃべらないでくれという感じ。センタースピーカーはやはり最後まで切っとくべきだった。でも『デビルマン』と比べるとかなりいいかも。少なくとも冨永愛よりは佐田真由美のほうががんばっていた。ところで新造細胞って、実はいま話題の iPS 細胞 なんですねー。
『片腕マシンガール 』は、主人公の八代みなせ 大活躍。チンコロぐらびやアイドルとは思えん。助演の穂花もやるねえ。凡百の AV あがりの大根とは格がちがう。もともと高いところは目指していない映画なので、その低さなりに楽しく仕上がってはいる。ただ……昔のこの手の映画って、もっと高いところを目指したいなー、と思いつつ無理して低予算でやったらこうなっちゃいました、とか実は女の子のおっぱい見せたいだけで他はいい加減につじつまあわせようとしたらこうなっちゃいました、とか、やってる途中で収拾つかなくなって、でも時間切れでわけわかんなくなりました、とかいう仕方なさからくる意外性の妙みたいなのが楽しみどころだったんだけれど、これって最初っからこの程度のところに落としておこうという計算が透けて見えて、金かけてバカやりましたという作為的な感じはする。あと、タランティーノのグラインドハウスだっけ、あれのまねだろうというのは、まあその通りだがぼくはこの手の映画はそういう節操のなさもありだと思う。 次は、日本映画には全般に甘いFortean Times にすら酷評されて、十点満点で三点しかもらえなかった『キューティーハニー』でもみるべき、かなあ。(2009/8/8, id )
先日 、フェルディナント山口氏のブログで既報のように 、先日人類の代表としてスカイネット 本拠にでかけて機械との交渉に臨んでまいりました。が、この時代に人間などが対等の交渉など望むべくもなし。使者 ASIMO は王侯貴族のようにガードされていて、お出ましの際にも「下々の人間どもは舞台のバッテン印のところにじっとしていること、ASIMO 様にじきじきに声をかけることはまかりならぬ、ましてさわることなどもっての他」と大変きれいだがおっかないおつきの女官たちに、五寸釘をブスブス刺される。そして ASIMO 様がお引き取りになるときも、まず下々の者たちが下壇してから ASIMO 様は悠然と舞台を去られるのであらせられるが、その際にうっかり ASIMO 様の正面を横切って壇を降りようとした不届きな山形に対して ASIMO 様自ら一喝して曰く:
「ロボットの前を横切らないでください!」
ロボットにまで怒られてしまうとは情けなや。女官たちも、作法を知らぬ山出しのイナカモノ山形の無礼なふるまいに柳眉を逆立てておられましたことですよ。すみません。ミャンマーの独裁将軍に謁見したときより恐ろしゅうございました。手打ちにされなかっただけでも感謝です。交渉決裂ですので、あとはジョン・コナーくんにお任せ。
が、やはり実物を間近で見ると感動する。股関節のつくりが非常に複雑で、ひざとか足首の動きの制約をほぼすべてそこで吸収しているので変な感じ。それと、隣に立つと冷却用のファンがかなり大音量でびっくり。でも考えてみれば当然なんだが。(2009/8/10, id )
松尾筺 の『商人道ノススメ』 を読んだ。
なんというか……ぼくは松尾筺とは徹底的にウマがあわないんだと思う。「はだかの王様」のとき は、マルクス主義的な偏向のせいだけで、もっと本質的なところでは共通の基盤が見いだせるかもしれないとは思っていたけれど、そういうレベルの話じゃない。根本的に、人間レベルでダメみたい。韓リフ先生とか、稲葉大人とか本書をなぜかほめているようだけれど、ぼくは本書がきわめて恣意的な卑しい本にしか思えなかった。かれの言いたいことはわからないでもない。でもその言い方はことごとくまちがっていると思う。同僚に松尾みたいなヤツがいなくてよかったと思う。いたら、ぼくはそいつのプレゼンする会議を徹底的に避け、万が一それが避けられない場合には、耳栓をして、それができない場合にはとにかくそいつの案が通らないよう徹底的に根回しして潰すだろう。そのくらい嫌い。
まずいやなのは、規範ありきで議論が進むこと。「商人道」なる代物と、「開放的個人主義」なるお題目が最初にあって、それが天から降ってくる。それにあうものはすべてオッケー、あわないものは恣意的に選ばれた事例をもとにダメだということにされる。という腐った論理展開。その商人道なるものも、規範として全く明確性に欠くいい加減きわまる代物。気に入るものは商人道、気に入らないものは身内主義か私利私欲の無軌道な追求という分類で話がすすむ。でも、その基準が明確に示されることはない。
さてぼくは、商人道なるものが偉大な平等化原理としてすばらしいことを否定するものじゃない。かつて、松尾と同じくらい脳天気だけれど、松尾より軽薄でオバカな分だけ罪の軽い町山トモヒロの文についてのコメント を参照。生まれ育ちその他まったく考慮せず、金さえあれば万人を平等に扱う商人思想は、封建的な身分制や階級制や身内主義の発想をつぶす偉大な原理だ。でも、松尾流の商人道というのは、ぼくがほめている商業の論理の明快さはない。なんかCSRをしろとか、慈善をしろとかいうけれど、それをどこまでやるべきなのかといった明確な指針を欠く、ただの身勝手なお題目でしかない。
たとえばQBハウスという千円均一床屋ができて、既存の床屋がバタバタつぶれている。さてそれは弱肉強食の私利私欲追求なのか、それとも倹約と努力に基づくすばらしい商人道の成果なの? どっちとでも言える。その人の立場次第だ。コンビニができて、近所の雑貨屋や酒屋が潰れた。これをどう考える? 松尾流の商人道はそれに答えられない。松尾がだれを粛正したいかに応じて変幻自在に変われる。つまり、それは規範としてすらまったく役に立たない。
松尾は、商人道なるものをほめつつ、無軌道な私利私欲の追求は批判する。でも、商人道で他人を助けたり慈善をしたりするのは、それが長期的な自分の利益にかなうから、ではないの? 松尾の議論はそれを明言せず、なんかCSRは江戸時代のだれかのお題目に一致しているからいいのだ、という議論ですませる。でも、じゃあどこまでCSRすればいいの? 岩井克人みたいな隠れ心情サヨクは、長期的な利益を考えてCSRをするのはダメで、長期的な利益すら度外視してCSRしろと主張する。オメーが借金してまで慈善したらそんなお題目でも信じてやるわい。さて松尾はそこまで主張するの? かれはそれをいい加減にごまかす。
また松尾によれば、いまはなにやら空気なるものがあって、異論が言いにくくなっていて、それは商人道が廃れて身内主義が強くなり、軍靴の音が聞こえてきている結果なんだとか。「なんだかだんだん堅苦しくなっていると思わないか。イラク人質事件でも郵政解散でも反飲酒運転でも安部叩きでも、いいことでも悪いことでも、世間の空気がすべて一方向に流れ、ますます異論が言えない世の中になっていると思わないか」(p.231) でも、「異論が言えない」と松尾が言うのは、多くの人にとっては単に過度の自虐史観の揺り戻しかもしれない。自分の信条がかつてほど無条件に受け入れられなくなってきているというだけで、異論が通らずファシズムで軍靴で商人道の衰退だというのは、それこそ身勝手な規範にもとづいて自分に都合の悪い言論を弾圧しようとする発想では? 松尾の気にくわない意見が以前より目につくようになったというのは、本当に批判すべきことなの? あらゆる人が「ジェンダーフリーはすばらしい」というのが自由な個人主義で、だれかが「それはちがうと思う」と言ったらそれは反動で退行でナショナリズムなの? ぼくはちがうと思う。ある意見に対して反論が出るかもしれない——それで? 反論がこわいから意見が言えない——それはあんたの問題でしょ? それを空気のせいにすることこそ、悪しき身内主義を蔓延させる発想でしょう。「空気」を批判することこそ何より空気を延命させる。空気をつぶす最高の方法は、空気がないかのごとく(だって実際にないんだもん、そんなもの)自分の言いたいことや言うべきことを言うことなのだ。松尾は空気を批判してみせることで、その空気から逃れた高みに立てたつもりになっている。バーカ。ぼくに言わせれば松尾こそがありもしない「空気」の最もいやしい奴隷でしかない。
ちなみに松尾はイラク人質事件というと、世間がとにかくあの三人を叩きまくった、という印象しかないようだ。ぼくもあの連中の「活動」をくさす記事を書いた ので、松尾的にはそうした「一方向に流れ」る「空気」の一部なんだろう。でもホントにそういう「空気」しかなかったのか? ぼくはあのとき、朝日新聞に執拗な検閲を受けた。あのバカな人質どもをほめる文を書こうとして検閲を受けた人っている? いないだろう。それにぼくはそのあともいろんな批判を受けている。別に「空気」が一方向にだけ流れていたわけじゃない。いろんな意見があった。それだけの話。他の事例でもみなそうだ。一方向にしか流れていないように思う人は、たいがい2ちゃんねるのまとめサイトしか見てないからそう思ってしまうだけなのだ。松尾的にはイラク人質はパウエル国務長官がほめたからえらいんだって。で、なぜパウエルがほめたかというと「そのように言うことがアメリカでは世論にかなった政治的に正しい発言だからである。うっかり三人を非難したりしたら世論から叩かれるという感覚があるのだろう」(p.49)。なるほどね。つまりパウエルもアメリカの世論の「空気」に左右されてものを言ったわけですか。でもご自分の都合のいいときには、空気に流されるのはよいことなわけね。
そしてかれの60年安保の我田引水的解釈のいい加減さ。実は60年安保の関係者たちが要求していたのは、かれらが実際に主張していたこととはちがうことで、60年安保敗北の結果はなにやら商人道とやらの理念と一致していたという。だから安保の付和雷同学生どもの望んでいたものは実は本人たちが明示的に要求していたものとは正反対のものだったはずで(というのもサヨクは松尾的には常に正しいから)、したがって安保敗北は実は敗北ではなかったというまったく根拠レスなこじつけに基づいて、とにかくサヨクは正当化される(pp.224-25)。なんとかしてくれ。
もう一つ、ぼくはかれが「本性」と「制度」とをまったく独立に考えているのが実に醜悪だと思う。アメリカ人と日本人アンケートをかけて、銃を嫌う人の割合がアメリカ人のほうが多かったとする。それに対して「でもアメリカのほうが銃犯罪が多いじゃないか」と批判するのは、松尾的にはまちがってるんだって。なぜかというと、アメリカは銃所持が日本より容易なので銃犯罪が多いのは当然だから。だから銃犯罪が多くても、「銃は嫌い」という人が多いアンケート結果を重視すべきなんだとか (pp.60-61)。でも銃を容認するという制度は、まさにそれを国民たちが支持するから成立している。制度が人々の意志と無関係に存在するかのごとき松尾の主張は、アンケートにおける本音と建て前の差を無視したバカな議論だと思う。
とにかく、かれの挙げる事例や論拠の一言半句が、ぼくにはまったくのナンセンスとしか思えない。自分の意見が通れば民主主義、それに反する意見は反民主主義という勝手な解釈。天からふってくるお題目。世界中どこにでも見られる現象を「日本は日本は」とさも日本だけの特徴であるかのように言いつのる視野の狭さ。労働運動は自分の待遇改善だけを考えるべきではなく万国のあらゆる労働者の賃金向上を目指せと主張することで、実は途上国の労働者が安い賃金を武器に競争することを阻害しようとする先進国のアームチェア学者の傲慢 (pp.239-40)。ふざけんな。商人道に学ぶべきものがあるという主張そのものは、ぼくも賛成だ。でもぼくは松尾流の腹のくくれていない卑しい恣意的で不純な「商人道」なんかに汚染されるのは危険きわまると思う。「ひたすら自分の利益追求、ただし短期的な目先の利益を捨てることで、長期的な利益を獲得できることがあることに注意」——ぼくはこれだけでよいと思うし、それ以上のものを考慮すべきじゃないと思う。客観性のふりをしつつ、恣意的で身勝手な規範を押しつけてくる松尾流商人道は、唾棄すべきだと思う——いやそれ以前に、そんな商人は商売続かずつぶれますから。(2009/8/4, id )
2009/07
上海 にきました。日食見に来たのに……泣いちゃいます。よりによって今日だけ最悪の天気(しかも雲の分布を見ると、とにかく中国人には日食を見せまいと言う天の決意がよくわかる状態)。それでもみんなで人民広場に結集して空を見上げていたら、まさにこれから空が暗くなるはずのタイミングで大雨。とことん嫌がらせをしやがるですか、天よ。
まあ、それでもあたりが真っ暗になった五分ほどはシュールでよかった。あと変な離島にいかずに上海にしといてよかった。他に遊び場所はたくさんあるし。
数年ぶりの上海は、変わったところもあれば同じところもあり。昔はビールというとヤンジンばっかりだったのに、もうヤンジンってないみたいね。青島とサントリー、バドワイザーが主流。あとハルビンに力波。以前の使い残しのお札を使うと、なんか古いらしくて変な顔されることたびたび。しかしなぜおれは千元以上も元を手元に残していたんだ? あと地元のレストランで FEC を見せたら、懐かしがって近所中が招集されてなにやらえらい群衆になってしまった。でも再開発の波は容赦なく、平和飯店まで改装……だと思う。まさか取り壊しではないだろうと祈りたい。あの死に損ないジャズバンドは改装後も復活するのかな?
次回は……イースター島行こうかなあ。どうしようか。(2009/7/22, id )
その後 、The Economist と Janes を見る限り、今回のウルムチの状況というのは、最初に工場でウイグル人攻撃があったとかで、それがデモになって、それに警官隊が発砲したかなんかで、それでウイグル人が暴徒と化してシナ人を大量に虐殺で破壊行為しまくり、その後でシナ人たちが反撃して徒党を組んでこんどはウイグル人たちを攻撃ということらしい。今回は、チベットの教訓から中国はウルムチに外部のマスコミをどんどん入れている。チベットのときだって、チベット人暴徒に殺されたシナ人はかなりいたのにまったく外部には伝わらず、中国政府が一方的に悪者にされたのを反省して、今回は実地に見てもらおうということのようで、それをすぐに実行したことからも、そしてそのマスコミが実際に見た様子からも、実際双方ともかなりの死傷者が出ているのは確か。一方的にどっちかがどっちかを虐殺しているという状況ではないらしい。あと、中国政府はマスコミは自由にふるまわせる一方で、ネットと携帯電話はすぐに遮断。情報統制の手法を着々と身につけている。
背景として、ウイグル人たちは、シナ人が入ってきて漢化を進めるのが気に入らなくて自分たちのアイデンティティへの脅威だと考えて、しかもシナ人のほうが商売上手だというのもあって、そこからくるやっかみもある(シナ人がウイグル人を排除しているのだという見方もあって、これはどっちも事実なんだろう)。ところが一方で、中国は分離派を抑えるために少数民族優遇策をしている。補助金もあるし、ウイグル人は一人っ子政策の規制を受けない(!!)。少数民族の特権にあぐらをかいて、努力もしないで、せっかく発展をもたらしてやったのに恨みがましいこといいつつおいしい汁すってやがる、とシナ人側からすればウイグル人たちが気に入らない(2ちゃん系ネトウヨの在日批判とまったく同じ)。どっちも、それなりの言い分はある。で、どうするかというと……答えなし。ほどほどに抑えてもらって、西側は内政問題として煮え切らない態度でごまかすしかないという状況。
チベットの時もそうだが、実はどっちかが一方的に悪いわけじゃない。片方のプロパガンダだけ聞いてフリーチベットだのフリーウイグルだの言ってればいいわけじゃないんだが、でもどうしようもないのはどうしたもんか……(2009/7/13, id )
OMMFG , they are doing the dreaded Dragonball: Evolution in flight, and it is every bit as horrible as I've heard. I need to rip out my eyeballs and have them drycleaned. Just stop spitting fireballs from your palm already. It's really getting old. And... Stephen Chow??!! Really? What the hell are you doing with this load of crap?? BTW, Chow Yun Fat is starting to look like George Clooney...
(2009/7/13, id )
おお 、スカイライナーが新しくなるですか ! 成田空港まで36分! これはあまりにすばらしい。はやめによろしく! でも、いまどき山本寛斎デザインってださくないですか? 服飾デザインと産業デザインのちがいにもう少し敏感であってほしいと思いませんか? とはいえ京成ではこれでも精一杯かも…… ま、そこは些末なことなので追求しますまい。では、これから古いスカイライナーで成田空港です。
(2009/7/13, id )
先進国 が、2050 年までに二酸化炭素排出を 80% 削減で合意だってえ? できもしないことをよくまあ。国電の中のテレビニュースに顔をしかめたぼくを見て、上司曰く「こいつら、どうせその頃はもう自分たちはいないと思ってたかくくってるからだよ」。その通りだろうな。でもサミットでは途上国の合意が得られず交渉決裂とか。途上国のほうがよくわかってるし、守れもしない公約をしないあたり、EUより誠実だわ。合意を自己目的化せずに、各国自分ができる範囲で削減すれば? ま、2050年までに石油にかわる代替エネルギーでも見つかるといいですね。(2009/7/10, id )
きちんと フォローできていないが、ウルムチはちょっとひどいことになっている模様(同時にウルムチがすごい都会になっているのに驚愕)。何がどうなっているのかよくわからん。が、これはトルファンやカシュガルにもとうてい行ける状況ではなさそう。それ以前に出回っている映像はもうなんと言っていいかわからない代物。なんで国内ではほとんど何も伝わってないの? (2009/7/10, id )
しばらく 日本かと思ったら、すぐラオスにいかなくてはいけない模様。パトラシュ、ぼくはもう疲れたよ……なんてことはまったくないのだけれど、なんかバンコクにでもいたほうが効率よさそうではあるなあ。(2009/7/6, id )
ところで 下のやつを書いてて全然関係ないけど思い出したこと。国債のセトルメントとは何の関係もないんだけど、いまの子たちって、セツルとかセツルメントって知らないのね。というか、もう大学にセツルってないみたい。と書くとどうせ生き残りの残党があれこれ名乗りをあげるんだろうけど、でもうちの新人にきいてもだれも知らない。そういえば、あれってなんでセツルなんだっけ? 発祥時は浮浪者の住宅定住支援でもしてたから? (2009/7/6, id )
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YAMAGATA Hiroo<hiyori13@alum.mit.edu>