社会、建築、経済、すべて:世界としての都市像
(「『Casa Brutus』2006年5月号)
山形浩生
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『明日の田園都市』ハワード/鹿島出版会、ただし駄訳。ネット上のフリー翻訳がお薦め
- 都市を産業育成、社会改良、開発事業の統合的人工物として提示した歴史的名著であり現代都市すべての思想的基盤でもある。
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『新世紀末都市』スジック/植野糾訳/鹿島出版会/5985円
- パリ、NY、東京等の大都市を世界的な横断現象として捕らえ、デパートや空港、オフィス等の施設に新しい意味を見いだすグローバル化時代の都市全書。
- 『ニューロマンサー』ギブスン/黒丸尚訳/ハヤカワ文庫/840円
- バーチャル空間まで含めた未来都市像として未だに右に出るものなし。ガジェットだらけのカプセルホテルに住む主人公は、いまのおたく像の先駆。
人間、文化、経済、社会、それを入れる建築すべてを含む世界としての都市をダイナミックに描き出せるだけの力を持つ本は、当然ながら少ないけれど確実にある。ここで選んだ三冊で、現代都市の萌芽期、二〇世紀末、そして現在から未来と、ちがった時代の全体像をたどってみよう。その変化の中から、都市自体が持つ生き物めいた自律性が浮かび上がってくる。近代以前の規範型都市や成り行き型都市についての本も読めばさらにその変化ははっきりする。ぼくもあなたも、そこに蠢く都市の駒の一つでしかないことも。
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YAMAGATA Hiroo<hiyori13@alum.mit.edu>