悪魔の歯ブラシ。

© 1995 Jamie Zawinski <jwz@jwz.org>
demonic toothbrush.


 昔、電動歯ブラシを使っていたことがある(笑うな! もらいものだったんだから)。とにかく、こういうのがどういう仕組みかというと、モーターの入ったでっかい柄の部分があって、口につっこむ部分がそこにカチッとはまるようになっていて、それからちっちゃなとげとげした代物が、ジイジイと上がったり下がったりして、口につっこむ部分のシャフトの中で、細かいのがぐるぐるまわるようになってる。そのシャフトには、口に入る部分から4、5センチほどにわたって穴があいていて、たぶん排水かなんかのためなんだろう。

  で、こいつを何ヶ月か使った後で、ふと見るとその穴にちっちゃな不気味なカビっぽいものがくっついてた。「おえっ」と思って、そいつを突っついてみた。たぶん前に歯を磨いてから生えたんだろうと思うよね。使う前にきれいにしないと。

  でも見てみると、それは氷山の一角でしかなくて、実は口につっこむ部分のシャフト全体に、カビが一面に詰まって、充満していたのだった。

  そしてもう何週間も、ぼくはそれに気がつかずにこいつを一日二回も口につっこんでいたのだった。

  身震いが止まってから(そしてこれを書いているだけでも、何度かおぞけが戻ってきたぞ)、こいつを捨てるかわりに掃除してみようと決めた。たぶんかなり高い機械だったんだろうし。これは実は三日後のことで、その間ぼくはまったく歯を磨かなかった。口の中に、どんな歯ブラシであれつっこむというのが考えられなかったから。で、掃除するために、まず流しに漂白剤を半ガロン、まったく薄めずに入れて、そして電動歯ブラシ全体を一日半にわたって漬けておいた(その頃には漂白剤が自然に流れてなくなっていた)。ひょっとしてモーターにしみこんで壊れるかもしれないな、とは思ったけれど、ふん、そんなの気にするもんですか。あんな生い茂る巣窟をまた口につっこむんなら、相当なナパーム攻撃をくらわしてからでないとごめんだ。

  まあ、それはうまくいった。もうピッカピカ。それに流しも見たことがないほどきれいになった。

  でもそれから二ヶ月ほどしたらモーターが止まっちゃったので、ぼくは古いテクノロジーに回帰しましたとさ。やれやれ。


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