蝶の羽根。

© 1998 Jamie Zawinski <jwz@jwz.org>
butterfly's wings.


 前の 呪われた新興企業では、エアコンがいつも強すぎたのだ。いつも、真夏でも凍えそうなくらい。するとある日、我が創意工夫に満ちた同僚の一人が、各オフィスの天井にある送風口の 内側にネジが隠されているのを見つけた。箱を積みあげてネジまわしを用意するだけで、個別に送風口を閉じて、北極圏からの風を減らせるわけ。

 そこで、ぼくたちみんなそれをやった。ただし、その日 オフィスにいなかったリンダだけは別。運命のめぐりあわせと言うべきか、彼女のオフィスは廊下のいちばん奥にあった。そしてドアは閉じていた。

 ほかの送風口が全部閉じていたおかげで、建物のエアコンの威力はすべて、彼女の閉めきったセメント小箱に注ぎ込まれていた。数時間後、だれかがそれに気がついた。というのも、ドアの窓の向こう側で書類が吹き荒れてるのに気がついたからだ。ミニチュアの竜巻みたいに。

 たぶんこの一件のどこかには、自然のバランスを乱すことについての寓話が見いだせると思うんだ。でももしかすると教訓は単に「仮病はやめようぜ」ってことかも。


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