GNOME アプレット

アプレットの基本

アプレットってなに?

アプレットは、 パネル に追加してデスクトップをカスタマイズするものの中で、いちばんよく使われて便利なものの一つだ。アプレットは小さなアプリケーションで、 パネル の中の一部で動く。いろんな目的のアプレットが書かれているのだ。中にはすごく強力なインタラクティブツールもある。たとえば ミキサー アプレットは、システムのサウンドを簡単にコントロールできる。ほかのは簡単なシステムモニタで、ラップトップの電池の残りを教えてくれたり、簡単な情報を表示してくれたりする ( 電池残量モニタ ) 気象情報を教えてくれるものもある( GNOME 気象 を参照)。中にはただの気晴らしもある( gEyes 参照)。

アプレットは、スワローアプリケーションと似ている。どちらも パネル の中にいるからだ。でも、スワローアプリケーションは、もともとは パネル 内で動くようには設計されていないものがほとんどだ。ふつうは、 デスクトップ にすでに存在するアプリケーションを パネル に吸い込む。アプリケーションはそれを終了するか、飲み込みをやめるまで パネル 内で実行され続ける。飲み込みをやめたら、デスクトップのもとのところに戻るわけだ。

図 1. アプレット例

図 1 にいくつか見本のアプレットを示した。左から順に、: (1) ミキサーアプレット , サウンドのオン・オフや、音量調整をクリックで実現。 (2) サウンドモニタ アプレット、いまの音量を表示して、各種サウンド機能を制御できる。 (3) GTCD アプレット、アプレット上にすべてのコントロールを持っていて、トラックと経過時間を表示する。 (4) ドライブマウント アプレット、マウスをクリックするだけでドライブのマウントとアンマウントができる。 (5) デスクガイド 、仮想画面を複数見てコントロールする。 (6) タスク一覧 アプレット、各種のウィンドウやアプリケーションをコントロールさせてくれる。

アプレットはいろいろある。これからの章は、 パネル からアプレットを追加、編集、削除して、さらにはそれを使うための初歩的な情報をまとめる。以下の章は、標準 GNOME アプレットそれぞれについて、詳しく見ていく。また、Webからダウンロードできる追加のアプレットもある。追加の GNOME アプリケーションやアプレットについては GNOMEソフトウェア地図 を参照。

この章の残りを読み進む中で、 パネル にアプレットを追加したり削除したり実際にしてみて、自由に試してみるといいよ。

アプレットの追加、移動、削除

パネルにアプレットを追加

パネル にアプレットを追加するには、 パネル を右クリックして パネル -> パネルに追加 -> アプレット を選ぶ。すると、システム上のすべてのアプレットが、分野別にわかれて表示される。このメニューからどれか選ぶと、それが パネル に追加される。

パネル内、パネル間でアプレットを移動

パネル の中や パネル 同士の間でアプレットを移動するのはとっても簡単。3つボタンマウスを使っているなら、アプレットにマウスを持っていって、真ん中のボタンを押してそのままアプレットを移動先に持っていけばいい。目的地についたらマウスボタンを離す。この方法は パネル の中や パネル 同士の間で使える。もし3つボタンマウスがなければ、そのアプレットを右クリックして 移動 を選ぼう。カーソルが十字型になって、アプレットはマウスにくっついて動く。目的地についたら、マウスのボタンをどれでもいいからクリックしよう。もし移動中にほかのオブジェクトにぶつかったとき、何が起きるかは パネル 全体のプレファレンス次第だ。これは GNOME コントロールセンター で設定する: 移動中のオブジェクトはほかのオブジェクトと入れ替わったり、ほかのオブジェクトを「押して」いったり、ほかのオブジェクトに影響することなしに「飛び越え」たりする。また、デフォルトのふるまいをオーバーライドするには、指定のキーを押しながら移動すればいい。 シフト キー(「押しのけ」モード)、 Ctrl キー (「入れ替わり」モード) Alt キー(「自由」モード、つまりほかのオブジェクトをじゃませずに飛び越える)。

パネル全体の設定を変えるには、アプレットか パネル をどれでも右クリックして パネル -> 全体のプロパティ... を選ぼう。 デフォルトの移動方式 パネルオブジェクト タブの下にある。

パネルからアプレットを取り除く

パネル からアプレットを取り除くには、それを右クリックして、ポップアップメニューから パネルから取り除く を選ぶ。

右クリックのポップアップメニュー

アプレットで右マウスボタンをクリックすると ポップアップメニュー がでてくる。このメニューには必ず標準の項目がいくつかあって、さらにアプレットごとの個別メニューもついている。

標準ポップアップメニュー項目

すべてのアプレットには、右クリック ポップアップメニュー に以下の項目を持つ:

パネルから取り除く

パネルから取り除く メニューは、そのアプレットを パネル から削除する。

移動

移動 を選ぶと、マウスのポインタの形が変わる(ふつうは四方に矢印のついた十字形になる)。マウスを動かすと、アプレットもついてくる。アプレットの行き先についたら、マウスのボタンをどれでもいいからクリックしよう。するとアプレットはそこに落ち着く。このやりかたで、アプレットを パネル にまたがって移動させられる。

パネル

パネル サブメニューは、 パネル やアプレットの追加と削除、そして設定変更のための各種サブメニューを持つ。

ヘルプ

ヘルプ メニューは、そのアプレットのヘルプマニュアルを呼び出す。

情報

情報... メニューはふつう、アプレットについての各種情報を表示したダイアログボックスを呼び出す。ふつうはアプレットの名前、バージョン、著者、作者、著作権、ライセンスと説明なんかが書いてある。

その他よくあるポップアップのアイテム

多くのアプレットでは、他にも右クリックのポップアップメニューに項目が入っている。よく見かけるものを挙げておこう:

プロパティ...

プロパティ... メニューは、そのアプレットのプロパティダイアログを呼び出す ( アプレットのプロパティダイアログ の節 を参照)。多くのアプレットにはプロパティダイアログがあって、そのアプレットの各種ふるまいや外見を設定できる。

実行...

実行... メニューは、ふつうはそのアプレットと関連しているけれど、でもパネル内ではなく独自のウィンドウを使うようなソフトを呼び出す。たとえば:

  1. The CPU 負荷 アプレットは、どんなプログラムが実行中かをモニタするけれど、 gtopを実行... というメニューアイテムを持っている。このメニューアイテムを選ぶと GTop が起動して、実行中のプログラムを見てコントロールできる。

  2. CD プレーヤ アプレットには gtcdを実行... メニューがあって、これは GNOME CD プレーヤを起動する。これはアプレットよりも機能が豊富なのだ。

アプレットのプロパティダイアログ

多くのアプレットはカスタマイズできるプロパティを持つ。これらのアプレットは プロパティ... というメニュー項目が右クリックの ポップアップメニュー に入っている。これを選ぶと プロパティ ダイアログがでてきて、アプレットの外見やふるまいが変えられる。

図 2. アプレットのプロパティダイアログの見本

All プロパティ ダイアログのいちばん下には、以下のボタンがある:

  • OK OK を押すと、プロパティで変更したものがすべて反映されて、 プロパティ ダイアログが閉じる。

  • 適用 適用 を押すと、変更は反映されるけれど、 プロパティ ダイアログは閉じない。これは、変更結果を見てみたいけれど、結果次第では設定変更を続けるような場合に便利だ。

  • 閉じる 閉じる を押すと プロパティ ダイアログが閉じる。設定は、 適用 ボタンでそれまでに適用されたものだけが残る。ほかの変更は破棄される。

  • ヘルプ ヘルプ を押すと、そのアプリケーションのマニュアルがでてきて、 プロパティ ダイアログについての部分が表示される。