イギリス歴史学派 (The English Historical School)
世界にベーコンやマコーレーの帰納的、経験論的な手法を与えた国が、いきなりアダム・スミスやデビッド・リカード、ジョン・スチュアート・ミルなどの古典政治経済学者たちによる抽象的な理論構築による全国の席巻をだまって見過ごしたとは考えにくい。実際、そもそもの発端から、古典派理論けの経験論的な反論はイギリス中にわき起こっていた。それが集結したのが「イギリス歴史学派」だ。これはドイツやフランスのお仲間と似てはいたけれど、ちがいもあった。
初期のイギリス歴史学派
- ウォルター・バジョット Walter Bagehot,
1826-1877.
- Rev, James Edwin Thorold Rogers, 1823-90.
- History of Agriculture and Prices in England, 1259-1793, 1866-1902.
- Manual of Political Economy for Schools, 1868
- "Causes
of Commercial Depression", 1879, Princeton Review
- "Labor
and Wages in England", 1879, Princeton Review
- Six Centuries of Work and Wages, 1884
- The Economic Interpretation of History, 1888.
- The relations of Economic Science to Social and Political Action, 1888.
- The Industrial and Commercial History of England, 1892.
- ロンドンのキングス・カレッジでのイギリス歴史学者、後にオックスフォード大学でDrummond Chair に就く。ソロルド・ロジャースの最大の仕事は、物価に関する八巻の巨大な定量分析だ。「自由放任」主義の支持者ではあったけれど、古典派の抽象性をいくつかの議論を呼んだ論文で攻撃し、おかげで専門分野で抹殺されそうになる。皮肉なことに、オックスフォードでかれの後任となったのは F.Y.エッジワースだった。
- Richard H. Tawney
, 1880-1962. - (1),
(2), (3)
- The Agrarian Problem in the Sixteenth Century, 1912. - review
- The Acquisitive Society, 1920.
- Religion and the Rise of Capitalism, 1926.
- Equality, 1930.
- 経済史家、社会批評家、フェビアン社会主義者。かれの有名な 1920 年の詳論は、過激派文献の古典だ。1926 年の著書は資本主義の台頭下における宗教の役割についての研究で、ウェーバーやドイツ歴史学派に近い。1930 年の著書は、労働組合の政府活動推進の青写真となった。
イギリス歴史主義に関するリソース
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