ポール・スウィージー (Paul M. Sweezy), 1910-2004

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 ポール・スウィージーは、かれの経済学を支配していた必ずしも独立ではない二つの考察で最も有名だ: 独占競争の分析と、マルクス主義思想を「新マルクス派」経済学にアップグレードすることだ。前者で典型的な業績は寡占に関する "kinked" 需要曲線の発見 (1939) と、イギリス石炭産業に関する有名な研究 (1938) だ。

 スウィージーはかなり初期にマルクス主義理論に出くわし、その 1942 年の巨巻『資本主義発展の理論』 Theory of Capitalist Development でマルクス主義思想を経済学に再び持ち込む手助けをした――特にマルクスの「転形問題」と危機の理論に焦点を当てた。スウィージーはその後、 ベーム=バヴェルク の 1896 年の古典的なマルクス批判や、それに対するヒルファーディンク の反論を翻訳した。また封建主義から資本主義への移行の問題について、 ドッブと悪名高い論争を展開した (e.g. 1976)。こんな具合だから、この若きハーバード経済学者は当然のようにシュムペーターのお気に入りになり、アメリカ政府からは鼻つまみ者となった (スウィージーは 1953 年に、マッカーシズム下のニューハンプシャー州法制度の下、召喚されて「侮辱罪」で投獄された――この判決は 1957 年に最高裁で撤回された (スウィージーの声明参照))。

 スウィージーはまた、マルクスの「過少消費」解釈を支持していた。これは「依存」にもとづいた帝国主義の新理論で、またケインズ式需要管理を資本主義の生命線だと考えた――こうした発想はスウィージー自身の助力で1949年に創刊された Monthly Review と関わりが深い。彼はこの雑誌の編集に関わり続け、台頭する「ニューレフト/新左翼」に大きな影響を持った。スウィージーはこうした発想がマルクスの危機理論刷新の道だと考え、それを Monthly Review での各種論文で述べると同時に、きわめて影響力の高い『独占資本』 Monopoly Capital (1966) (ポール・バランと共著)でも展開した。

ポール・M・スウィージーの主要著作

ポール・スウィージーに関するリソース


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