アーサー・セシル・ピグー (Arthur Cecil Pigou), 1877-1959.

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Photo of A.C.Pigou

 アルフレッド・マーシャルの一番弟子にして後継者だったアーサー・セシル・ピグーは、「ケンブリッジの新古典派」を体現する人物だった―― 20 世紀最初の 1/3 における正統マーシャル派の中核的な存在だ。かれの名声の相当部分は Wealth and Welfare (1912, 1920) によるもので、ここでかれは社会福祉を経済分析の範疇に含めた。ピグーは特に、私的な限界生産や費用と、社会的な限界生産や費用を区別したことで有名であり、また政府が税や補助金の組み合わせによってそうした市場の失敗を矯正できる――あるいは「外部性を内部化できる」――という発想でも知られる。

 でもピグーはあまり運のいい人じゃなかった。かれのアプローチはすぐに、ロビンスナイトからのものすごい批判にさらされた。1930 年代後半に登場した「新厚生経済学」は、ピグーの分析ツールをほとんど無視した。後に公共選択理論家たちは、ピグーのアプローチがナイーブな「優しい独裁者」的想定を使っているということで攻撃。そして最後にコースが、財産権さえしっかり割り振られていれば、そんなのはどうでもいいことを実証してしまった。

 もう一つの不運の源は、ピグーがジョン・メイナード・ケインズによってボケ役に使われてしまったことだった。『一般理論』の中で、ケインズはピグーの Theory of Unemployment (1933) を名指しで新古典派マクロ経済学のダメなところのすばらしい見本として挙げた。ピグーは、かつての同僚にして友人に裏切られたショックから回復することはなかった。ピグーの余生は、たまに反撃したり (たとえば「ピグー効果」(1943 1947))、ケインズ革命に降伏したり (たとえば 1945, 1951) することで費やされた。

アーサー・C・ピグーの主要著作

A.C. ピグーに関するリソース


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