サイモン・ニューカム (Simon Newcomb), 1835-1909.

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Portrait of S.Newcomb

 サイモン・ニューカムは、アメリカ最初期の 限界革命 転向者だった(とはいえ完全には転向しなかったけれど)。でもかれは、教育的にも職業的にも経済学者じゃなかった。ニューカムはむしろ、ジョンズ・ホプキンス大の有名な数学者、物理学者、天文学者で、貧困から這い上がって知的な高みにのぼりつめた人物だった。それでもかれは、経済学が数学の道に進むのを手伝うだけの技量を持っていた。ニューカムはまた、貨幣数量説の初の開発者の一人 (フィッシャーよりはやい) で、ストックとフローをきちんと区別した初の経済学者の一人でもあり、その過程で貸し出し可能資金を初めてきれいに表現した。

 総じてニューカムは、結構いやな人間だった。かれはアメリカ現状追認派の最右翼で、制度学派の徹底した反対者だった。1880 年代と 1890 年代には、実に維持の悪い手法論争にリチャード・T・イーライを引きずりこんで、やがてこれは、イーライがジョンズ・ホプキンス大大学を去る大きな原因となり、アメリカ経済学会はその結果としてもっと幅広い専門学会になったのだった。

 ニューカムは経済ドクトリンについての「現状追認論者」と言える。熱心な自由放任主義の支持者だったけれど、かれはそれを当時台頭しつつあったアメリカの労働組合運動に対する熾烈で歯に衣着せぬ反対と組み合わせた。当然ながら、自分が開発に貢献した貨幣数量説の忠実な信者として、かれはまた紙幣の非兌換性にも反対したし、金銀複本位性にも反対した。

サイモン・ニューカムの主要著作

サイモン・ニューカムに関するリソース


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