はじめに

「おいでませ~」

ある人は言う:「わたしはどの学派にも属さず
生きた師に心を奪われたこともない
また同じように死人から何か学んだと
言われる筋合いもない」と。
この発言の意味は――異論はあろうけれど――
「自分は我流の愚か者だ」ということ。
(J.W. ゲーテ, Den Originalen, 1812).

ようこそ!

済の思想の歴史ウェブサイトへようこそ! このウェブサイトは、古代から現代までにいたる、経済の考え方の歴史に関するリンク集と関連情報を集めている。経済について歴史的な視点から勉強したいなと思っている学生や一般市民向けに作ってある。

 このページ(のオリジナル版)はNew School for Social Research の経済学部の支援の元で作られ、そこでホスティングされてはいるけれど、このサイトを訪問するみんなに念を押しておきたいのは、学部も大学もここに書かれた材料の中身については、どれも一切責任を持たないということだ。(免責条項を見て欲しい)。ちなみに日本語版は、訳者筆頭の山形浩生の管理下にあるドメインに置かれている。

 このサイトは、自発的な物好き行為としてゴンサロ・L・フォンセカとリアン・J・アッシャーが作ったものだ(そして同じく物好きな酔狂として山形浩生他が訳している)。このページについて何ら金銭的な見返りは受けていない。経済学の学生ではあるけれど、経済思想史の専門家じゃない。ぼくたちが HET に興味を持ったのは、もっぱらそれが現代経済学の問題をパースペクティブの中に置くことで、見通しをよくすることができるという点からだ。

 書かれていることのほとんどは、ぼくたちの個人的な意見と関心領域を反映している。書いてある内容はかなり特異に思えるかも知れないし、また一部に反対する人もいるだろう。ここにある情報は、正確さや重要性、バランスなどの面について、独立したレビューを受けたりはしていないので、かなり要注意ではある。だからぼくたちとしては、できればどの点についても信頼できる権威として名前を挙げてほしくはない。ただし、一般的なインターネット上のリソースとしてあげられる分には一向にかまわない。

 このサイトについてのフィードバックがあれば何でも是非とも歓迎だ。コメント、苦情、質問や貢献は het@cepa.newschool.edu へどうぞ(日本語の場合は hiyori13@alum.mit.edu へどうぞ)。問い合わせはなるべくすぐに答えるつもりだけれど、でもいつもそれが可能とは限らないので、多少は辛抱してほしい。

 中身は、三つの主要なナビゲーション経路に沿って分類されている。個別経済学者のABC / 50音順索引、各種の学派 (大ざっぱなもの) について説明したもの、個別トピックに関するリンク付き調査や論文だ。

ABC 順 /50 音順索引

 このウェブサイトには 500 人以上の経済思想家を集めてあるし、またこれからだんだん増やすつもりでもある。それぞれのウェブページは、最も重要な著作の書誌一覧に、経済理論への貢献や、他の経済学者や学派に対する影響についてのちょっとした記述も載っている。これらのページは、関連する経済学者に特に相談なしに書かれている。もしかれらがこのページに出くわしたら、できればその業績についてのぼくたちの記述をもっとバランスのとれた正確なものにするために、変更や改変を提案してくれるといいな、と思う。

 すでに述べた通り、このページは未だに建設中なので、さらに追加すべき経済学者はたくさんいる(そしてやがて本当に追加されることを祈りたい)。もし経済学者や経済学者群で、もっと大きく採り上げろというのがあれば、是非報せて欲しい。

 最後に、思想史では現代経済学者の業績については語らないのが不文律となっている。特に現在、この世界で活躍していてまだノーベル賞がとれるかもしれないといった人たちの議論ははずされがちだ。ぼくたちは、いろんな理由でこの不文律は無視している。まず、経済学でのいちばんおもしろい論争や貢献は過去 50 年ほどに起きたもので、だからそれをはずしたらつまらないということがある。死んだ経済学者だけに注目すると、経済理論史がずいぶんと「好古趣味」的な味わいになるから、ときに退屈だ。結果として、「旧」と「新」の間の結びつきがその途中で失われ、そのせいで学生はしばしば、現代の経済学が近年またはずいぶん古い過去にまで深くさかのぼる、豊かな系譜を持っているんだと言うことを見過ごしがちになる。このサイトを作ったのは、現在の経済学のあり方が複雑でエキサイティングな進化の結果だし、それがいまもその進歩に影響を与えていると信じているからだ。

学派あれこれ

 ここで経済の思想史を学派に分けてあるけれど、これはあまり真面目に受け止めすぎないでほしい。一部の学派は経済の世界では有名で、一般に明確に区別されるものとして認められている(たとえばオーストリア学派)。他の「学派」(たとえばパレート派) は、たぶん多くの人は学派だと思っていないだろう。これについては、ぼくたちが勝手に作った。でも、後者のグループを作ったのは、まったくいい加減というわけじゃない。それぞれのページでは、その独特な特徴について説明しようとしている。ぼくたちの目的名、経済学を通じてたどれる、主要な対立やちがう思考パターンを明確にすることだ。「学派」に分類すると、これが伝えやすい。

トピック解説

 このウェブサイトは、短くて、時に書き殴りの調査や論文を経済思想史上の各種テーマについて載せている。これは歴史的なテーマに関する概略を提供するためのもので、ウェブの提供してくれるハイパーリンクの可能性を最大化してくれる。調査は不完全だし、ぼくたちのねじくれた見方や無知、誤解やどうしようもない偏見をふくんでいる。だからもしあるトピックの扱いがひどいとか、あまりに間違いだらけで文句を言いたいとか思ったら、ご一報くだされ。

 サイトでリンクできる歴史的な調査があれば投稿してほしい。特定のトピックについて簡潔な調査を提供したいなら(それがすでに扱ったテーマをカバーするものであっても――いやむしろまさにそうした場合に)、是非是非お願いしまする!

学生注意!

 ここにある論文は、かなりの部分が学生の教育的な利用を狙ったものだ。でも「教育的利用」というのは、きみたちがこれをダウンロードして、期末レポートだの論文だのとして提出していい、ということじゃない。そんなことをするのはばかげているし、また文明一般における明文・不文律の最も深刻な違反の一つとなる。教師や教授、学校や大学当局が盗作事件を扱う際の厳しさについて、絶対に甘く見ないこと。懲罰は信じられないくらい厳しいし(そう、盗作は多の違反にくらべて、ふつうはずっと厳しい処分を受ける。だから、このサイト上のリソースを使うときには、とても慎重にやること。教授や教師もたくさんこのサイトは見ているのだ。教師たちから、このサイトが盗作に使われているという苦情を受け取ったら、ぼくたちはこのサイト自体をやめることも検討するので。

 このサイトの最初の目的は、経済思想史についてのウェブリソースをまとめることだった。なるべく更新したいとは思っている。個別の人やトピックへのリンクは、それぞれのページに含まれている。一般的なリソースは独立したリンクページにまとめた。

参考文献

 大きなお世話とはいえ、はい、ぼくたちは暇なときにたくさん本を読む。でも、いいえ、ページで採り上げた本を全部読んだわけじゃない。二次リソースには大いに依存している。このウェブページのおおまかな構築にあたって導いてくれた参考文献一覧をまとめておいた。サイトで使っている各種画像の出所をさぐろうという努力を今更ながらに始めた。そのほとんどはウェブから拾ってきたものだ。その相当部分については、すでに使用許可をとってあるし、それ以外のものはどれもパブリックドメインにあるものと想定している。もしちがうなら、すぐに報せてほしい。ただちに削除するので。

 ではお楽しみあれ。なお進む前に免責条項を読んでおいてほしい。

Gonçalo L. Fonseca & Leanne J. Ussher

(連絡先)


ホーム 学者一覧 (ABC) 学派あれこれ 参考文献 原サイト (英語)
連絡先 学者一覧 (50音) トピック解説 リンク フレーム版

免責条項© 2002-2004 Gonçalo L. Fonseca, Leanne Ussher, 山形浩生