お金の理論

"The Banker and His Wife" by Marinus van Reymerswaele c. 1530.

( 本文に入るにはこの絵をクリックしよう!)

目次 原ページ
Google
WWW 検索 cruel.org 検索

"どうやら銀行の魔法の杖一振りで、農家とその使用人(借り手たち)はコミュニティの他のみんなを犠牲にして六ヶ月延命を許されたようだ。銀行はかれらに、コミュニティの食物と衣服と道具と映画上映の実質所得の一部に対する占有権を与えた。そして農民に対してこのサービスを与えるかわりに、銀行はかれらに対して「利息」と称するものを課する。真っ先に起きる衝動は、この手続き全体を詐欺まがいのインチキだと糾弾することだろう"

(デニス・H・ロバートソン, Money, 1922: p.71)

"お金は、厳密に言えば商業の対象ではなく、ある財と別の財の交換を促進するために人々が合意した道具でしかない。それは交易の車輪ではない。車輪の動きをもっと滑らかで楽にするオイルだ。ある王国だけを取り出して考えれば、その中でお金が多かろうと少なかろうと、何の影響もないのは明らかだ"

(デビッド・ヒューム, 『お金について』, 1752, reprinted in Essays: Moral, political and literary, 1754,p.281)

"つまるところ、社会の経済においては本質的にお金以上無意味なものはあり得ない。ただしお金には、時間と労働を節約するという便宜的な性格はあるが、それ以上ではない。(中略)お金を導入したからといって、これまでの章で述べてきた価値法則はどれ一つとして影響を受けない。(中略)商品が相互に持っている関係は、お金によっては変わらない:唯一導入される関係は、お金自身に対する関係だけだ。その商品が、どれだけ多くのお金と交換されるか。つまりはお金自体の交換価値がどう決まるか"

(ジョン・スチュアート・ミル, Principles of Political Economy, 1848: p.333)

"つまり貨幣数量説は究極的には、あらゆる人間の財の中でお金だけが持っている根本的な特異性に依存している――つまりそれがそれ自体では人間の欲望を満たすことはなく、欲望を満たすようなモノを買う力しかない、ということだ"

(アーヴィング・フィッシャー, Purchasing Power of Money, 1911: p.32)

"[Monsieur Locke] a bien senti que l'abondance de l'argent encherit toute chose, mais il n'a pas recherche comment cela se fait. La grande difficulte de cette recherche consiste a savoir par quelle voie et dans quelle proportions l'augmentation de l'argent hausse le prix des choses"

(リチャード・カンティリョン, Essai sur la Nature du Commerce en General, 1755: p.160)

"つまり価格全般の上昇は、需要全体が何らかの理由で、供給を上回った、あるいは上回ると期待されるようになった場合にしか考えられない。これはパラドックスじみて聞こえるだろう。というのも、われわれはJ.B.セイによって、財はそれ自体で相互にお互いの需要を作り、制限するものを考えるのに慣れているからだ。そして確かに究極的にはそうなる。でも、ここでわれわれが考えるのは、そもそもその中間の移行期で何が起きるかということだ。(中略)いやしくもお金の理論を名乗るのであれば、お金の需要や財の金銭的な需要が、あらゆる条件下で供給を上回るか下回るかを示し、その理由も提示できなければならない"

(クヌート・ヴィクセル, Lectures on Political Economy, 1906: p.159-60)

"お金がなければ絶対にあり得ないようなプロセスを議論しつつ、お金が存在しないとか影響がないと仮定するのは矛盾している"

(フリードリッヒ・A・フォン・ハイエク, Pure Theory of Capital, 1941: p.31)

 


ホーム 学者一覧 (ABC) 学派あれこれ 参考文献 原サイト (英語)
連絡先 学者一覧 (50音) トピック解説 リンク フレーム版

免責条項© 2002-2004 Gonçalo L. Fonseca, Leanne Ussher, 山形浩生