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IMF: 緊縮財政オマエモナー

(The Economist Vol 381, No. 8504 (2008/2/9), "It's Mostly Firing") IMF 本拠
IMF 本拠


山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu)

緊縮財政の旗手、自らを緊縮できますかどうか。

  昔からの嫌味によれば、国際通貨基金の頭文字IMFは、「It's Mostly Fiscal」つまり「おおむね財政ばっか」の略だとされる。古来 IMF は経済危機に陥った国々に、意地が悪いほどに手厳しい緊縮財政を強いることで定評があるからだ。この戯画化によれば、問題が何であれ、ワシントン 19 番街の高給取り官僚たちは支出削減を要求するのだ、とか。

  だがこの戯画化は改訂が必要かもしれない。IMF はいきなり財政刺激策のファンと化した。その新しい親分ドミニク・ストラウス=カーン――もとフランス財務大臣――は、世界恐慌の危機に対抗すべく、財政刺激をアメリカやその他の国で求めている。フィナンシャルタイムズでの最近のコメントで、ストラウス=カーンはこう語る:「中期財政政策は、要は雨が降り始めたとき(もしものとき)のために貯金しておくという話だ。でもいまは、実際に雨が降り始めているのだ」

  そして外国では刺激策を推奨する一方で、ストラウス=カーンは足元では支出削減を求めている。というのも、IMF はかなりの財政赤字に直面しているからだ。同基金の年 10 億ドルの予算は、伝統的には金欠諸国への融資からあがる小額の利益でまかなわれている。でも発展途上国が経済管理能力を向上させるにつれて、IMF 融資は急激に低下した。結果として、この基金はかなりの将来にわたり、年額4億ドルの赤字を続けそうなのだ。

  IMF は、まだまだかなりの手持ち資金があって、それを取り崩せば当分はやっていけるが、ビジネスモデルは明らかに変わる必要がある。昨年には、IMF が巨大な金の備蓄の一部を売却することで信託基金を作り、経費に充当したらどうか、と「賢人」集団が 2007 年に提案している。こうした動きは基金のメンバー諸国の承認が必要であり、つまりはアメリカ議会の承認が必要だということだ。ストラウス=カーンはどうやら、それを実現させるためにはIMFが自分自身のコスト削減策を素早く出すほうがいいと考えたらしい。

  というわけで、基金はダウンサイジングを始めた。職員 380 名、組織の 15 パーセントほどのクビにすることで、年額 1 億ドルくらいの経費節減がうたわれている。本誌が入手した草稿文書によれば、ほとんどの部門では巨額の支出削減、特に管理職の削減が大きい。多くの部門は、Bレベル職員の数を 3 割から 4 割減らす必要があるらしい。

  2008 年 2 月の職員に対するメッセージで、ストラウス=カーンは多くの人員削減が自発的な希望退職によるものであることを願うと述べた。内部関係者は、その見込みがあまり高いとは思っていない。退職奨励金があまりにケチくさく、金融市場がこんなに混乱している状況では、別のところに就職できる見込みは非常に低い、とかれらはこぼしている。だが部外者としては、ニヤニヤ笑いを抑えるのはなかなかにむずかしいことだ。財政引き締めの旗振り役どもが、ついに自分の処方箋を自ら味わうことになるのだから。


モナー 解説

 ガハハハ(笑)。ざまあカンカン、という感じでございます。世界中で快哉を叫んだ人が一万人はくだらないでしょー。IMFについては、スティグリッツの悪口も参照。あとは世界銀行にも構造改革を! いちばん市場原理が働いてないのはテメーらぢゃ!


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