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ケインズ『雇用と利子とお金の一般理論』要約、24 章

山形浩生 (全訳はこちら

24章 結語:『一般理論』から導かれるはずの社会哲学について

Abstract

  1. 貧乏人はすぐ金を使っちゃうけど、金持ちは使わないお金を貯金する、貯金が多いほうが資本形成が進む、だから貧富の差が大きいほうが資本形成が進んで経済発展する、という理屈がある。だから所得税や相続税は減らそう、という理屈だけど、それはマチガイ。

  2. 金利が高いほうが貯蓄が増えて資本形成にまわる金が増えるので経済発展する、という古い理論があるけれど、一般理論を見ればそれも明らかにマチガイ。金利は低いほうが投資意欲は高まる。

  3. 金利が下がれば、変な不労所得もなくなって平等が進む。よきかなよきかな。

  4. また一般理論は、政府の役割を重視するけれど、でも社会主義みたいなことは言わない。個人の自由はまだまだ重要だし、完全雇用が実現されたら古典派理論は有効だ。

  5. さらに各国が国内金利等のマクロ経済政策で国内完全雇用を実現できるなら、いままでみたいに外国市場をめぐってけんかしなくていいので、平和な社会が実現する。

  6. こういうアイデアがすぐ受け入れられるとは思わないけれど、長期的には大きな影響力を持てる。


本文

Section I

Section II

Section III

Section IV

Section IV

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2011.10.10 YAMAGATA Hiroo (hiyori13@alum.mit.edu)


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