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ケインズ『雇用と利子とお金の一般理論』要約、22 章

山形浩生 (全訳はこちら

第VI巻 :一般理論が示唆するちょっとしたメモ

訳者の説明

この第 VI 巻は、クルーグマンのいう「素敵なデザート」。他の学者の説をあれこれ拾っては揶揄したり、ケインズがイギリス人的な嫌み精神を発揮したりしている部分。

22章 ビジネスサイクル(景気循環)についてのメモ

Abstract

  1. ビジネスサイクル(景気循環)は、投資の変動によって生じる。特に、期待収益の変化からくる資本の限界効率の変化が大きい。

  2. 好況期には、期待収益が高いのでみんな投資するけれど、でもバブルが崩れると期待収益が一気に下がる。そして余った資本が摩耗してつぶれるまで5年くらいかかり、その後やっと投資が回復するわけだ。

  3. その他、過剰在庫の影響や、消費性向の低下も起きる。金利引き下げですぐに景気が回復しないのもそのせいだ。

  4. でも、だからといって金利引き上げでバブルを早めにつぶすというのはダメな政策だ。金利を引き上げると、いい投資もなくなる。それに無駄な投資でも有効需要引き揚げには役にたつ。安定して停滞するより、ちょっとバブル気味がずっと続くほうがいい。

  5. だからバブル対策や景気対策には、公共投資で有効需要を高めるのと、所得再分配政策とかで消費性向を変えるようにしよう。

  6. ジェヴォンスは、景気変動は農業の豊作・不作によると言った。これは当時は慧眼だったけど、いまは農業が経済に占める割合が小さいのと、グローバル化で豊作・不作がならされるので、あまり重要でなくなっている。


本文

Section I

Section II

Section III

Section IV

Section V

Section VI

Section VII

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