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Jared Diamond "Guns, Germs and Steel" Further Readings

 

第 4-10 章

 この7章についての参考文献はまとめて紹介する。多くの参考文献は複数の章にまたがるものだからだ。

 食料生産が、狩猟採集生活からどうやって生まれてきたかという問題に取り組んだのが以下の5冊ですべてすばらしく、実証に満ちている。

 食料生産一般について、もっと古い参考文献として特筆しておきたいのが以下の2冊:

 Carl Sauer, Agricultural Origins and Dispersals (New York: American Geographical Society,1952) 邦訳 C. O. サウアー 「農業の起原」(竹内常行, 斎藤晃吉訳、古今書院、1981) は、食料生産について旧世界と新世界を早い時期に比較した古典だし、Erich Isaac, Geography of Domestication (Englewood Cliffs, N.J.: Prentice-Hall,1970) 邦訳 E.アイザック 「栽培植物と家畜の起源」(山本正三,田林明,桜井明久訳、大明堂 1985) は動植物の作物化や家畜化について、どこで、いつ、どうやってという質問をとりあげている。

 植物の作物化にしぼって採りあげた参考文献の中で傑出しているのが Daniel Zohary and Maria Hopf, Domestication of Plants in the Old World, 2nd ed. (Oxford: Oxford Unicersity Press,1993) だ。これは世界のあらゆる部分について、植物の作物化についていちばん詳細な記述をしている。西ユーラシアで栽培されている作物のそれぞれについて、この本は作物化とそれに続く伝搬について、考古学的、遺伝子的な証拠をまとめている。

 植物の作物化について、多数の著者による重要な著作としては以下がある:

 Charles Heiser, Jr.による、詳しくて人気のある植物の作物化についての著作が2冊:

 世界の主要作物すべてと、主要でない作物の多くについての情報をまとめた標準参考書が:

 人間に栽培されることで自動的に野生植物に生じる変化について描いた優れた論文が3編

 また以下の論文は、作物化が一箇所でだけ起こってそれが広まったという考え方に対して、同じ野生植物が複数のところで作物化されたという証拠について評価を行っている:

 動物の家畜化にからんで、総論的な著作としては、世界の野生ほ乳類についての標準百科全書的な参考書としては、Ronald Nowak, ed., Ealker's Mammals of the World, 5th ed., (Baltiomore: Johns Hopkins University Press, 1991)がある。Juliet Clutton-Brock, Domesticated Animals :from Early Times (London: British Museum [Natural History, 1981]) 邦訳J・クラットン=ブロック 「図説 動物文化史事典 人間と家畜の歴史」(増井久代訳 原書房 1989) は重要な家畜化されたほ乳類すべてについて、すばらしいまとめをしてくれている。I. L. Mason, ed., Evolution of Domesticated Animals (London: Longman, 984) は、家畜化された重要な動物を個別に扱った、多数の著者による大冊。Simon Davis, The Archaeology of Animals (New Haven: Yale University Press,1987) は考古学遺跡で派遣されるほ乳類の骨からどんなことがわかるかについて、見事に説明している。Juliet Clutton-Brock, ed., The Walking Larder (London: Unwin Hyman,1989)は人間が世界中で、動物たちをどうやって家畜化し、群化し、狩り、そして狩られてきたかについて、論文 31 編を集めている。ドイツ語で家畜化された動物たちについて網羅的に記述したのが Manfred Rohrs, Haustiere zoologisch gesehen (Stuttgart: Fischer, 1990) だ。Stephen Budiansky, The Covenant of the Wild (New York: William Morrow,1992) は、動物の家畜化が、人間と動物との関係から自然に発生したことを示す一般向けの記述。家畜が耕作や輸送、羊毛、乳の採取に使われるようになったことについての重要な論文が:

 世界の個別地域での食料生産に関する記述としては以下がある:

ローマでの農業の実践について、食指をそそるほどに詳細なミニ百科事典:
Pliny, Natural History, vols. 17-19 (ラテン語のテキストが英訳と併置) Loeb Classical Library Edition [Cambridge: Harvard University Press, 1961])
プリニウス 「プリニウスの博物誌(第12巻-第25巻)」(中野定雄他訳 雄山閣出版 1986)

食料が肥沃な三日月地帯から西向きにヨーロッパに広まったのを分析した一遍:
Albert Ammerman and L.L. Cavalli-Sforza, The Neolithic Transition and the Genetics of Populations in Europe (Princeton: Princeton University Press, 1984)

ヨーロッパについては:
Graeme Barker, Prehistoric Farming in Europe (Cambridge: Cambridge University Press, 1985)
Alasdair Whittle, Neolithic Europe; A Survey (Cambridge: Cambridge University Press, 1985)

地中海の東岸あたりの地域について
Donald Henry, From Foraging to Agricurture: The Levant at the End of the Ice Age (Philadelphia: University of Pennsylvania Press, 1989)

ニューギニアについて:
D.E. Yen, "Domestication: Lessons from New Guenia," pp. 558-69 in Andrew Pawley, ed., Man and a Half (Auckland: Polunesian Society, 1991)

 唐王朝時代にシナに輸入された動物、植物などを描いた本としては以下がある:

 以下は、世界の個別地域での植物栽培化と作物についての記述だ。

ヨーロッパと肥沃な三日月地帯:
Willem van Zeist et al. eds., Progress in Old World Palaeorthnobotany (Rotterdam: Balkema,1991)
Jane Renfrew, Paleoethnobotany (Lonfdon: Methuen, 1973)

インダス峡谷のハラッパ文明、およびインド亜大陸全般について:
Steven Weber, Plants and Harappan Subsistence (New Delhi: American Institute of Indian Studies,1991)

新大陸の作物について:
Charles Heiser, Jr., "New perspectives on the origin and evolution of New World domesticated plants: Summary," Economic Botany 44(3 suppl.):111-16(1990)
Charles Heiser, Jr., "Origins of some cultivated New World plants," Annual Reviews of Ecology and Systematics 10:309-26(1979)

メソアメリカにおいて、狩猟採集から初期の農業への移行を記録したものかもしれないメキシコの遺跡については:
Kent Flannery, ed., Guila Naquitz (New York: Academic Press, 1986)

インカ時代のアンデスでの作物と、その今日での利用可能性について:
National Research Council, Lost Crops of the Incas (Washigton,D.C.: National Academy Press. 1989)

アメリカの東・南西部での植物作物化について

 以下の論文は、アメリカ大陸での農業の起源は、これまで考えられていたよりずっと最近だという改訂版の見方を、非常に少ない植物サンプルの加速マス・スペクトル計測 (accelerator mass spectrometry) に基づいて論じている:

 以下は、世界の個別地域での動物の家畜化と家畜に関しての文献だ:

中欧、東欧:
S. Bokonyi, History of Domestic Mammals in Central and Eastern Europe (Budapest: Akademiai Kiad, 1974)

アフリカ:
Andrew Smith, Pastoralism in Africa (London: Hurst, 1992)

アンデス:
Elizabeth Wing, "Domestication of andrean mammals,"pp. 246-64 in F. Vuilleumier and M. Monasterio. eds., High Altitude Tropical Biogeography (Oxford: Oxford University Press,1986)

 個別の重要な作物に関する参考文献は以下の通り:いまや世界のもっとも重要な作物となった穀物を生み出す草類(grasses) についての多数の著者による記述:

 先祖のteosinteからトウモロコシへの進化に関わる、再生産生物学におけるすさまじい変化についての記述が:

 シナ南部における初期の米の作物化を論じたのが以下の文献:

Charles Heiser, Jr.による一般書二冊も、個別作物について描いている:

 個別の家畜化された動物種についての記述に特化した論文や本は多数ある。ミトコンドリア DNA からの証拠を使って、ウシが西ユーラシアとインド亜大陸で独立に家畜化されたことを示した論文が:

ウマについては:

ブタについては:

リャマについては:

イヌについては:

 以下の論文はアンテロープの生物学を記述しており、だからなぜこの一見すぐに家畜候補になりそうな動物がどれも家畜化されなかったかを理解する出発点となる。

家畜化された鳥についてのまとめ:

 新世界で家畜化された、たった二種類の鳥のうち片方を採りあげたのが以下の本だ:

 最後に、放射性炭素の日付の補正のややこしさについて論じている文献を以下に挙げる:



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平野 良貴 <hhirn@hotmail.com>, 山形浩生 <hiyori13@alum.mit.edu>