山形道場 復活第 ?? 段
アフガニスタン復興支援に、日本がえらくたくさんお金を出すことになった。それを聞いて、ぼくはずいぶんと複雑な思いでいる。
ぼくは一応援助関係者なので、これはありがたい話ではるのだ。ODA削減で、この先援助業界はジリ貧くさいと思っていた矢先でもあるし。ぼくの専門の、財務的な評価は当分ないだろうけれど。でもインフラがらみの話や制度面で、何か出番もあるかもしれない。これで受注が増えるとうれしいな。
でもその一方で、結構暗澹たる気持ちもある。ぼくだって、仕事をするからには、それで相手の国民が豊かになって欲しいとか、少しは生活が楽になってほしいという希望を持っている。もちろん、ぼくがやる調査の一つや二つで何が変わるわけではないのも知ってはいる。でも、ほんの少しでもいい方向に物事が動いてほしいとは思う。やらずぶったくりでとにかく売り上げが稼げればいいとは思っていないのだ。アフガニスタンで何かやるなら、死ぬときに地図を見て、「ああ、ここでおれがやった成果がちょっとは生きているな」と思えるようなことがしたい。だが……いまのアフガニスタンにそれが期待できるか? ぼくは無理だと思う。もともと大してなかったインフラはほぼ完璧に破壊し尽くされ、政治的な内情を見ても、ほとんど日本の戦国時代みたいな群雄割拠の状態になっている。こないだきた議長さんはかっこいいけれど、かれだって大した影響力は持っていない。ちょっとアメリカのにらみが緩んだ瞬間に、確実に内戦状態になるだろう。そしてそれまでの間も、いまの状態で何かできるとしたら「逆らったらアメリカさんにまた爆撃させるぞ」という恐怖政治くらいだろう。ふつうは、そういう政情不安定なところには援助を見合わせるんだが……
だってそこへ援助して、何かできるだろうか。ちょっと学校ができるかもしれない。ちょっと給水施設や病院を作ってみたり、医療援助、食料援助といった一時しのぎの人道的援助もできるだろう。でも復興? そもそも復興を云々できるほど元々なにかあったのか、という問題はさておこう。でも、何かちょっとでも本当に将来の復興に役立つもの――農業施設、道路、鉄道、通信、電力――ができても、それが まっさきに破壊されるか、破壊されなくても軍事利用されるのは目に見えている。そうでしょう。それを敢えて援助したいか? でも一方で、それがなければ復興なんかあり得ない。
もちろん本来援助というのは、そもそもそういう内戦なんかが起きないようにするためのものだ、とは言える。復興できそうなところに復興するのでは意味がなくて、復興できなさそうなところを支援して復興できるようにしてやるのが本当の援助だ、とは言える。言えるんだけれど、でも、何もないところからすべてつくりあげることは、ホントにだれにもできないのも事実なのだ。それを安請け合いして、やって、成果が出なくて責められるのもいやだ。
別の手はあるかもしれない。将来どうなるかわからないところへ、見通しのわからない援助をするより、一つのやり方としては、たとえば大麻を日本で解禁して、アフガニスタンから大麻をたくさん輸入すればいいかも。アフガン産の大麻やハッシシはなかなかよいのだ。アフガニスタンが輸出できる数少ないものでもある。戦後日本の復興には、アメリカが市場を提供してくれたのが大きかった。アフガニスタンにも市場を提供してあげるのは手かもしれない。でも、今回の会議で決まった「復興支援」はたぶんそんなほうには向かないだろう。すると、今回の「支援」がいくらカネを積みあげたところで(それに実際にみんなが約束通りのカネを出すかも怪しいし)どこまで支援になるのか、ぼくには(そしておそらくは他のだれにも)見当もつかないのだ。
近況:これが出る頃にはまたマラウィにいることでしょう。
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