というわけでサイゾー。これほど期待された・注目された・心配された雑誌もなかなかレアだと思うのだがね。かつて『ワイアード』をたちあげ、育てたあの小林さんの、起死回生・自暴自棄・逆転勝利・債務増大・中だしヤリ逃げ・なんかよくわからない・雑誌。これを書いている時点(1999 年 7 月) 時点でも、まだ方向性がありそうでなさそうで。日経エンターテイメントがライバル誌、ということに編集モンキーではなっていたけれど、絶対ライバルしてない。これのライバルってと……わからん。個別の記事やコラムでは、ライバルがあるような気がするが、全体としてまとまるとなんと言うべきか。『噂の真相』がいちばん近いかも。
復活! 山形道場
で、ほとんどお約束のように、山形道場復活。爆笑問題と並ぶ腐れ縁コラム。中身は『ワイアード』時代とまるで変わっていない。あれより少しレベルを落としてくれと言われていたんだけれど、落ちてません。
- 1999.06号 第 1 弾 「新聞」
なんでこんなの書いたんだっけ。でもときどき「山形さんは情報収集にどんな新聞を読んでいますか」ときかれて、「読んでません」というと変な顔されるのね。こういうことなのよ。あと、もともとサイゾー創刊号は、3 月くらいに発売される予定で、ちょうど新入社員あたりとかが読むような、そんな感じだろうと思っていたこともある(原稿もそれに間に合うように書いた)。創刊が遅れて、時期的にはずれたけれど、んー、別に新年度だからどうということはなかったな。
- 1999.07号 第 2 弾 「お値段 その 1」
これは昔から書こうとしては何度も挫折しているテーマなのだ。今回も書き始めてはみたけれど、あまり成功しているとはいえない。続きを書くつもりだったんだけれど、うーん、ちょっと様子見。
- 1999.08号 第 3 第 「オープンソース/フリーソフト Part 1」
ほとんどお約束のようなテーマ。ちょうど、エリック・レイモンドのインタビューをしたところで、それをいっしょうけんめい考えていたのと、別のところでこういうことを書いていたのとで。
- 1999.09号 第 4 弾 「オープンソース/フリーソフト Part 2」
インフラ民営化の動きと、「ソフトのインフラ化」というのを絡めてみれば、というこれまた別のところで書いたもののやきなおしではある。たぶん単純にすべてフリーで、ということにはならないし、ビジネスモデルもちがったものが出てくると思うのだ。
- 1999.10号 第 5 弾 「例の銀行統合の話」
第一勧銀と富士銀行と興銀が合併を発表したんだけれど、どうもいろいろクビを傾げるところもあるし、CEO が三人もいて変てこだし、CEO 社長だの CEO 会長だのいうのが笑えたので。今回のやつは、イラストがないけれど、それはぼくが締め切りをかんちがいして原稿を落としかけたからなのだ。申し訳ない。
- 1999.11号 第 6 弾 「夢をみない人」
この頃、「ロボコンマガジン」を見て感動して、やっぱり夢っていうのはだいじだな、というのを考えていたのだ。ファイナンス的に計算されるのとはぜんぜん別の、なんでもいいけどとにかくこれができたらおもしろい、という興奮。ファイナンスとか経済とか、全部その後付でしかなくて、経済のために技術への興味を、とかいう考え方も根本的にまちがっていて、とにかくおもしろいんだからおもしろい、というところに何を見るか、それだけがだいじなんだと思う。
- 1999.12号 第 7 弾 「期待」
前号の続きみたいな話であると同時に、むかし続きを書くはずだった収益還元率の話のとっかかりみたいなところ。あと、これに先だって地価をいろいろいじっていたときに出てきた結果も交えてある。ときどき同僚と話をするんだけれど、一方で産業連関表をまわして、このくらいでこのくらいの波及効果が、という話があるんだけれど、そこに期待ってのがからむと、話がぜんぜん飛んじゃって、その間をどう埋めるか、というのは問題なんだよなー。というようなことも考えつつ。
- 2000.01号 第 8 弾 「オンライン株式ばくち」
サイゾーで連載されている各種のオンライン投資のすすめと称するしろものがあまりに耐え難くて書いた。ボツになるかと思ったら、なんか編集部後記にまで「まあそうだ」とか書いてあるとゆー……
- 2000.02号 第 9 弾 「ポスト2000年問題」
正直いって、最初冗談でしゃべっていた頃にはもっとめちゃくちゃな話をしていて、やっぱゼロ二つとるだけだと簡単すぎるから、新円は旧87円にしたらどうか、とか、あるいはいまの円を基準にした変動相場制を導入して、とかいろいろ与太をとばしていたんだけれど、盛り込む余裕がなかった。
- 2000.03号 第 10 弾 「21 世紀日本の構想」
これは、出たとき黒木掲示板とかでも話題になったしあちこちでバカにされていたけれど、まあバカにされる程度の代物でしかないと思うな。なんでこんなの作ったの?さっぱりわからん。
なお、この号までサイゾーはもうダメなんじゃないかとかなり不安だったんだけれど、この号のゲーム機に関する話からちょっと攻撃的でいい感じになったような……
- 2000.04号 第 11 弾 「おばかな『セラピューチック・タッチ』と女の利用」
……と思ったら、この号で大方向転換。これまでのネット株取引記事を全部切った! ネット株バブルをビシバシ叩く! すごいです。これはもう、やけくそパワーというかなんというか、すごいです。で、セラピューチック・タッチってのは、Annals of Improbable Researchでバカにされまくっていて、それを暴いたエミリー・ローザちゃんは、Ignoble Prize授賞式のアイドル。でも彼女はいま、進化論を教えないバカな州の教育方針に反発して、登校拒否をしようか思案中だとか。がんばれ!
- 2000.05号 第 12 弾 「プライバシー」
hotWiredの「情報の消費者」の話を書きながら考えたことを少し拡大してまとめてみた。まだ決定的な結論に達していないから歯切れが悪いな。うーん。でもいまはこれ以上ネタがないのだ。
- 2000.06号 第 13 弾 「またもや新聞」
いやぁ、新聞ってホント大丈夫なんだろうか、と思うことが最近とみにあるのよ。記者クラブとかいう代物も、叩かれつつまったく改善の気配がなくて、ただの大本営発表に成り下がっているし、記者はほとんどみんな素人に毛も生えてないような連中だし。そういえばちょうど一周年なんだな。サイゾーが何年続くかしらないけれど、毎年6月号は新聞を採りあげることにしようかな。
- 2000.07号 第 14 弾 「『e-エコノミーの衝撃』の衝撃」
ひどいと聞いて読んでみたら、ききしに勝るひどさ。どうなっちゃっておるのだ。ただのバカがばかなことを書いてるよりも、少しはまともだと思っていた人がトンデモなことを書くほうが、個人的には衝撃が大きいのである。
- 2000.08号 第 15 弾 「中谷巌の利用価値」
前回の続き。ただ、ちょっと繰り返しが多くてよくないかも。相手にするだけ無駄、という感じがいまにして思えばしなくもない。あと、タニグチリウイチ氏には、どさまわりサーキット以外に政治家、という手があるのではないかと指摘された。なるほどね。そういう出口はあったな。
- 2000.09号 第 16 弾 「CIAと情報処理」
H2Kの成果をさっそく利用。ただ、ちょっとアレだ。きいたことをそのまま書いて、分析までいかなかったのが無念だな。これについてはまた別のところで書かねば。でも、きいた話が面白かったので個人的にはまったくオッケーなのである。
- 2000.10号 第 17 弾 「制度設計とおもしろさ」
たしか黒木掲示板での話と、あとハイナー・シリングの通訳をしていた子が新しいボードゲームを考案したとかで、それについて考えているうちにこんなことを思いついたのだった。
- 2000.11号 第 18 弾 「アートとIT」
八谷さんとの美術手帳の対談で出てきた内容と、昔から考えていたことをちょっとくっつけて議論してみましたぁ。
- 2000.12号 第 19 弾 「ハッカーとNGO」
実は単行本「山形道場」でちょっと書いたネタでもあった、というかこれとCIAのやつを組み合わせて、「山形道場」のHOPE2000紹介記事は作ったのだった。
- 2001.01 号 第 20 弾 「インパク。」
なんだっけ。自分でもすっかり忘れていたが、そうだ、インパクだ! 批判を書いたことすら忘れられるって、影が薄いにもほどがあるって感じ。なんて、自分が忘れたのをインパクのせいにしちゃいかんか。でも、ここに書いたとおり、あってもなくてもどうでもいい代物になりつつあるなあ。起死回生は……ま、ありえませんな。
- 2001.02 号 第 21 弾 「ネットの「法」について」
レッシグ「コード」ネタ。でもこの頃は本当に、レッシグ先生すごすぎ! と日々うなりながら翻訳校正をしていたのだった。
- 2001.03 号 第 22 弾 「2000年問題」
これも確か The Economist で読んだのがきっかけで、その他いくつか資料をあさって書いたのであった。The Economist さまさまです。
- 2001.04 号 第 23 弾 「NPOインパク協会」
どうしてこれに気がついたのかは覚えていないんだけれど、あるときふと気がついてしまったのだった。NPO って、こんな外郭団体正当化の手段じゃなかったはずだぞー。ふつうのNPOはそんなに好きじゃないけど、でもこういう隠れ蓑 NPO は最悪だぁ。
- 2001.05 号 第 24 弾 「ネットワークコミュニティをめぐる迷い」
これも実質はレッシグ「コード」ネタといっていいかもしれない。それと、Linuxの話と自分がこれまで書いてきたことと、ちょっと整理がつかなくなってきている。それをまあとりあず正直に書いておきたかった。
- 2001.06 号 第 25 弾 「ネット株崩壊とITの将来」
単にひねくれ者なだけかもしれないけれど、みんながきいたふうな口でITたたきをするのがだんだん頭にくるようになってきた。
- 2001.07 号 第 26 弾 「リーヌス来日と竹中の経済財政諮問会議」
こないだ親戚に、「竹中平蔵ネタは書くな! 竹中平蔵は、天童よしみと並ぶ和歌山県人会の誇りなんだ!」と言われて、ふーん、天童よしみと同レベルなの、ふーん、と思ったんだが、でもそのときはすでにこれが出る数日前だったのである。時おそし。
- 2001.08 号 第 27 弾 「科学者の役割みたいなもの」
bk1のほうでも書いたことだけれど、ここではこの「赤の女王」が出たのがかなり前ということに気がついて、話を弱くした。むずかしい話ではあるんだよねー。
- 2001.09 号 第 28 弾 「反グローバリズムと規制と公共性」
ちょうどブルース・マウがきてて、お話したときのネタ。
- 2001.10 号 第 29 弾 「2ch とネットコミュニティ」
2ch の危機に対して Unix 板住民が結束して立ち上がったのは、万人が喝采したすばらしいできごとで、これについてなんか紙で書くやつがいてもよかろうと思ったのだ。
- 2001.11 号 第 30 弾 「番外編:国際さらりまんの変な憂鬱」
ねたがちょっとなかったのと、あとテロねたでいろいろ原稿がふってくるのをいっぱい断っていたので、なんかまあその背景でも書いておくか、と。
- 2001.12 号 第 31 弾 「ネットへの過度の責任要求と安易な削除」
なんかきっかけについての説明が長くなって、後半の論点がはしょった感じになっちゃった。まあこれについてはいつか書くこともあるでしょう。
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YAMAGATA Hiroo (hiyori13@alum.mit.edu)