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CUT 連載書評 for 1997

 1997 年分の書評。可もなく不可もない感じかしら。相変わらずお手軽に流している部分はあるかな。それと、読んでいる本に幅がなくなってきているのがなんとなくわかる。なんとかしなきゃとは思うんだが。もうちょっと無茶苦茶なセレクションが入っていてほしいもんだ。
 なお、下の月表示は、その号の発売月ね。執筆はその一ヶ月前。表紙の号数は、その翌月。

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1997.02 金原克範「子のつく名前の女の子は頭がいい」

 だれかにあとから弁護論をきかされたけど、やっぱこのタイトルはろくでもないと思うなあ。その一方で著者の考えていた「やまとなでしこ云々」というタイトルもセンスのかけらもないし、中身をよく反映してるとも思えないん。それでもこれはすごい本だよ。マクルーハンなんかメじゃないくらい。

1997.04 「The World's Most Dangerous Places」&クレア・デインズ讃

 今回は一瞬で書けた。クレア・デインズ最高! きゃーきゃー! それとこの本も、本当にすばらしい本(ちょっとマッチョなところがあるけど、許す)。ところでMy So-Called Lifeはテレビ静岡かどっかで放映してたとか。なんでそんなマイナーなとこでやるんだ! BH90210なんか捨てて、こういうホントにいい番組を放送しろってんだ!(なんか、『アンジェラ15歳の日々』っつー題で、結構でかくやってたみたい)

1997.06 茂木洋一郎「脳とクオリア」

 久々にとりあげた科学書だが、これは本当にがっかりする本だったな。ペンローズをいっしょにやろうかと思ったが、ちょっと科学書のあるべき姿とか、ものを書く態度とかの話が増えて後日まわし。

1997.08 柳下毅一郎「殺人鬼百科」&ニーチェ「権力への意志」

 柳下の処女作と、ニーチェとをいっしょくたに扱おうというのはかなり無謀な試みだった。柳下はともかく、ニーチェは消化不足だなあ。でも、最後にアタリ・ティーネージ・ライオットに落とせたからいいんだ。それと柳下は、ニーチェと比肩するなんて後にも先にもこの一回だけだろうから、伏して感謝するように。

1997.10 バロウズ「夢の書」&錦見、半田他「マルチリンガル環境の構築」

 やはりいっちょバロウズの追悼で、という編集部の要望で書いた。もう何本目の追悼文だっけ。自分が訳してる本をとりあげるのは道義にもとる部分はちょっとあるが、まあしばらくは訳もあがんないし堪忍じゃ。マルチリンガル環境の話で書こうと思って、いまいちまとまらなかったので、まあこうやって隅に押し込めて、さももっと書くことありげなとこを匂わせて逃げたのは、まあずるいけど無難、かな。
 あと、文中にある国産小説家への言及があるけど、これは掲載時に削られた。そうなるのはわかってて書いてるから、オレも人が悪いよなー。

1997.12 ウィリアム・ギブスン「あいどる」

 ある雑誌(最近幅をきかせつつある「アメリカン・ブック・ジャム」だ)で原書が出たときにレビューしてくれと言うので書いた。かなり自分ではよく書けたつもり。そしたらなんと「どういう小説だかわからない」「あらすじがわからない」とか、注文をたくさんつけてきて、挙げ句の果てに勝手に書き直して、「これでいいか」と言うから「別にいいです、好きにしてください」と言ったら、なんかお気に召さなかったようで、没にされたうえ、なんの連絡もくれない。んでもって、だから最初の没原稿をほとんどそのままここで使った。わはは、ざまあ見ろ。よって実は邦訳は本屋で流し読みしただけ。



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