初版が登場した1980年代から、世界経済と国際金融制度は急激なグローバル化を見せ、幾多の世界経済危機、通貨危機が世界を襲いつつある。この教科書は1988年の初版以来、グローバル経済を分析し続ける世界トップ級の経済学者たちが、次々に生みだされる続ける国際経済と金融理論のエッセンスを平易に解説すると同時に、時事問題と実務への新たな示唆を改訂ごとにいちはやく取り入れ、現実の世界と格闘をつづけるダイナミックな定番教科書として名高い。
この原著第10版では、日本のアベノミクス、中国経済の見通し、2008年リーマンショックにはじまる通貨危機、その後のユーロ危機をめぐる解説や、新たなグローバル金融秩序構築の方向性までが、最先端理論をもとに平易に説明されている。ベーブ・ルースと比較優位、ヨーロッパのバナナ問題など、楽しいながら学問的に高度な小ネタコラムも満載!
合本版 | 分冊版 | 内容 | 原文 | 日本語版 |
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第6章 A | 『貿易編』 第6章 A | 国際所得移転と交易条件 | 原文 (pdf 2MB) | 日本語版 (pdf 0.7MB) |
第6章 B | 『貿易編』 第6章 B | 国際均衡をオファー曲線で示す | 原文 (pdf 2MB) | 日本語版 (pdf 0.7MB) |
第9章 A | 『貿易編』 第9章 A | 一般均衡での関税分析 | 原文 (pdf 2MB) | 日本語版 (pdf 0.7MB) |
第17章 A | 『金融編』 第6章 A | IS-LMモデルとDD-AAモデル | 原文 (pdf 2MB) | 日本語版 (pdf 0.7MB) |
第18章 A | 『金融編』 第7章 A | 国際収支のマネタリーアプローチ | 原文 (pdf 2MB) | 日本語版 (pdf 0.7MB) |
オンライン補遺合併版 (pdf 1MB) |
Page | 位置 | 誤 | 正 (改訂部分は赤) | 注 |
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14 | 図2.2 | デンマーク | アイルランド | *1 グラフは原著の通りですが、p.15での記述から見ても、実際のデータから見ても、この原文のグラフのまちがいと思われます。アイルランドはデンマークのGDPの半分強なのに、対米貿易は5倍近くあります。 |
35 | 図3.3 | 自国の生産可能性フロンティア 直線PFは、ワインをそれぞれの量だけ生産したときに生産できるチーズの量を示す(その逆も言える)。 | 世界の相対需給 曲線 RD と RD'はワインに比べたチーズの需要が、ワイン価格に相対的なチーズ価格の減少関数だと示している。曲線RSはワインに比べたチーズの供給が、同じ相対価格の増加関数だと示している。 | *2別の図のものが誤ってコピペされていました。 |
47 | 表3.2 表頭 | 単位労働優位性 | 単位単位必要労働 | *6 |
48 | 11行 | (12/4=3) | 単位(12/3=4) | *6 原著でもミスっておりますが、こちらが正解。 |
57 | 最終行 | 連続量を公正する | 連続量を構成する | *1 |
70 | 図4.8 | 横軸「食品の生産量」、縦軸「食品の産出」 | 横軸「布の生産量」縦軸「食品の生産量」 | *6 |
81 | 図4.13 キャプション2行目 | 移住して、L1O*の労働者が | L1O*の労働者が | *7 |
84 | 図4.15 の横軸 | 歳 | 年の就学 | *1 年齢ではなく就学年数です。 |
87 | 問4 3行目 | 時刻 | 自国 | *3 |
88 | 20行目 | 政府が税金は補助金を | 政府が税金や補助金を | *5 |
131 | 下から6行目 | (2) 相対価格と相対需要による世界均衡の決定 | (2) 相対価格と相対需要の関係 | *5 |
131 | 下から5行目 | により世界均衡の決定 | による世界均衡の決定 | - |
137 | 下から3行目 | QC/QF | QC/QF | *5 Fが下付添え字 |
147 | 下から7行目 | 自国輸出は自国の | 自国補助金は自国の | *5 |
148 | 3行目 | 輸入補助金の影響 | 輸出補助金の影響 | *5 |
148 | 6行目 | 輸出関税は | 輸出補助金は | *5 |
185 | 2行目 | 需要されるための価格はQM | 需要されるための価格はPM | *3 |
197 | 17行目 | 効率化以前を | 効率改善を | *3 |
216 | 脚注27 最終行 | 顧客企業のだめに | 顧客企業のために | *3 |
230 | 最終行 | 輸入される税の単位ごと | 輸入される財の単位ごと | *7 |
260 | 「関税があるモデル」5行目 | 完全は | 関税は | *3 |
287 | 「ウルグアイラウンド」4行目 | 3カ国 | 参加国 | *3 |
292 | 14行目 | 1990年の目標に時点で | 1990年の目標時点で | *3 |
292 | 20行目 | 指示 | 支持 | *3 |
302 | 項目4 3行目 | 完全は | 関税は | *3 |
306 | 式10A.4 | Q*-D*)= | Q*-D*= | *3 |
308 | 図10A.2 | 横軸のD1とD2 | 順番が逆(左からD2とD1) | *4 |
357 | 16行目 | イギリスのGDP | イギリスのGNP | *5 原文もまちがっています |
359 | 19行目 | 国内GDPの一部となる | 国内GNPの一部となる | *5 |
369 | 項目4の表 2行目 | 金融勘定 | 資本勘定 | *3 |
370 | 9行目 | 29兆869億ドル | 2兆9869億ドル | *3 |
370 | 10行目 | 32兆977億ドル | 3兆2977億ドル | *3 |
370 | 16行目 | 経常される | 計上される | *3 |
370 | 22行目 | カナダのGDPではない | カナダのGNPではない | *5 |
373 | 16行目 | 純誤算脱漏 | 純誤差脱漏 | *3 |
379 | 項目2 3行目 | 外交 | 外国 | *3 |
379 | 第2項目 4行目 | 国交内部 | 国境内部 | *3 |
379 | 項目6 1行目 | 厚生 | 構成 | *3 |
387 | 下から6行目 | ジーンズ1本で変える | ジーンズ1本で買える | *3 |
398 | 3行目 | 口先金融社 | 口先証券社 | *3 |
399 | 6行目 | 再建 | 債権 | *3 |
402 | 「簡単なルール」3行目 | 1.165-1.10) | (1.165-1.10) | *3 |
404 | 9行目 | R$+(Ee$/€-E$/€)/E$/€ | R$-(Ee$/€-E$/€)/E$/€ | *3 |
411 | 下から9-8行目 | ユーロ金利がユーロ預金の金利上昇がドル建て収益を | ユーロ金利の上昇がユーロ預金のドル建て収益を | *3 |
415 | 脚注9 | だから暴落が起こらない確率は1 - (0.9)6 | だから暴落が起こる確率は1 - (0.9)6 | *3 |
415 | 項目1 4行目 | 輸出は安くなり | 輸出品は安くなり | *3 |
421 | 下から6行目 | 1年後には($1.113 | 1年後には$1.113 | *3 |
437 | 図15.7説明 | 外国為替市場がはけるドル/ユーロ | 外国為替市場がクリアするドル/ユーロ | *3 |
439 | 2段落目の2行目 | ヨーロッパの貨幣市場と外国為替市場 | アメリカの貨幣市場と外国為替市場 | *3 |
440 | 図15.9 タイトル | アメリカの貨幣供給増加がドル/ユーロ為替レートとドル金利に与える影響 | ヨーロッパの貨幣供給増加がドル/ユーロ為替レートに与える影響 | *3 |
442 | 25行目 | 長期的名 | 長期的な | *3 |
463 | 脚注1 最初の数式 | E$/€, t/(E$/€, t-1= (PUS,t/PUS,t-1)/PE,t/PE,t-1) | E$/€, t/E$/€, t-1= (PUS,t/PUS,t-1)/(PE,t/PE,t-1) | *3 |
463 | 脚注1 2番目の数式 最終行 | (E$/€,t-E$/€,t-1/E$/€,t-1 | (E$/€,t-E$/€,t-1)/E$/€,t-1 | *3 |
463 | 脚注1 2番目の数式 最終行 | = (πUS,t-πE,t)-(πE,t(πUS,t-πE,t)/(1+πE,t) | = (πUS,t-πE,t)-πE,t(πUS,t-πE,t)/(1+πE,t) | *3 |
463 | 脚注1 最終行 | 最後の方程式の-(πE,t(πUS,t-πE,t)/(1+πE,t) | 最後の方程式の-πE,t(πUS,t-πE,t)/(1+πE,t) | *3 |
556 | 表18.1 下から2行目 | 不胎化外国為替売却 | 非不胎化外国為替売却 | *3 |
571 | 18.1式 | R=(R*+(Ee-E))/E | R=R*+(Ee-E)/E | *3 |
571 | 下から3行目 | p | ρ | pではなく、ギリシャ文字のρ (ロー) です。 |
571 | 18.2式 | R=R*+(Ee-E)/(E+p) | R=R*+(Ee-E)/E+ρ | *3 同上 |
572 | 18.3式 | p=p (B-A) | ρ=ρ(B-A) | 同上 |
P3 (5章数学補遺) | 式(5P.12)と(5P.13) | aKCおよびaLC | αKCおよびαLC | *4 a ではなくアルファ |
P4 (5章数学補遺) | 式(5P.15’) | wˆ = PˆC + ..... | wˆ = PˆC -..... | *4 原書もまちがえています。 |
P4 (5章数学補遺) | 式(5P.18’) | QˆC = Lˆ + ..... | QˆC = Lˆ-..... | *4 原書もまちがえています。 |
P9 (6章数学補遺) | 下から7行 | 比較統計 | 比較静学 | *4 2ヵ所あります |
*1: 竹蓋様にご指摘いただきました。ありがとうございます! *2: 田中秀臣様にご指摘いただきました。ありがとうございます! *3: 土屋宰貴様にご指摘いただきました。ありがとうございます! *4: 太田勝憲様にご指摘いただきました。ありがとうございます! *5: 樋口篤志様にご指摘いただきました。ありがとうございます! *6: メールでご指摘いただきました。ありがとうございます! *7: 版元メールでご指摘いただきました。ありがとうございます!
ポール・クルーグマン: 業績は多岐にわたるが、国際経済学分野では規模の経済と多様性に基づく貿易の利益の新しい源に注目した、新貿易理論の創始者として名高い (第7章参照)。また同時に為替の投機攻撃分析を中心にした国際金融理論でも有名。他にも経済地理をはじめ様々な分野で新機軸を切り拓き、2008年にはノーベル経済学賞を受賞。その後も、日本のデフレ研究を始め新分野で大きな成果をあげ続けている。MIT、スタンフォード、プリンストン大学などの教授職を経て、現在はニューヨーク市立大学大学院センター経済学教授を務め、最近では経済格差の研究に意欲を示している。
モーリス・オブストフェルド: 本書初版の1980年代から一貫して国際貿易理論と国際金融の分野で最先端を走る気鋭の学者であり続けている。国際マクロ金融分野では第一人者であり、貿易と金融の双方にまたがる研究者として希有な存在だ。カリフォルニア大学バークレー校経済学部教授。また2014年にはオバマ大統領の経済諮問チームに加わり、2015年の本書第10版刊行直後には、国際通貨基金(IMF)の主任エコノミストとなった(2019に退任)。まさに本書の内容と実務政策とをつなぐ存在となっている。その能力は特に本書の金融編で大きく活かされている。
マーク・メリッツ: 第9版からこの教科書の執筆陣に参加している。クルーグマンの新貿易理論に続く貿易理論の新展開とされる新々貿易理論の創始者の一人。企業の異質性(貿易する企業は限られており、生産性の高い企業しか輸出しない)に注目し、貿易による産業全体の生産性向上を新たに貿易の利益の源とした理論。それまで国レベルでしか議論できなかった貿易を、やっと現実に近い企業レベルにまで下ろした大きな理論的ブレークスルーであり、メリッツの定式化を皮切りに、企業のアウトソーシングや国際分業などの厳密なモデル化が可能となったことで、いままさに急速な発展を遂げている分野だ (本書の第8章)。現在はハーバード大学経済学部教授。
本書の国際版は、アメリカ版とほぼ同じながら一部コラムなどが差し替えられている。オリジナル版はアメリカに偏りすぎているので、国際版ではアラブ諸国やトルコのネタを入れてバランスを取っている模様。国際版だけに見られるコラムなどを紹介(予定)
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