「月へ行きたいんだ。おれ、リスからヒッチハイクしてきたんだよ」 「おやおや。長かったろうな。何という船に乗っているんだね?」 「知らない。そううまくターミナルでただ乗りできると思うかい?貨物船の発着場をあたってみる方がよさそうだな」 「なるほど、ただ乗りするつもりならね。だけど、アルフレッドがやってこなかったら、きみが彼の旅券を使っても多分かまわないだろうな。やっこさんはもう二隻も船に乗り損なっているからね。だいたい自分でもどうして彼を待ってここで立ち往生しているのかわからんよ。わたしたエヤちがいっしょに行く計画を立てたということ以外には」 「月へかい?」 「その通り」 「そりゃあ、しめた」ジョーが顔を輝かせていった。「彼がこなければいいんだがー」 彼はいいよどんだ。「これはシンプレックスな考え方だよね?」 「真実はいつでもマルチプレックスだよ」とオスカーがいった。 「そう。彼女もそういった」 「昼間きみといた御婦人のことかね?」 ジョーは頷いた。 60 .r≧[. 一 「ところで、彼女は誰なのかね?」 「サン・セヴェリナだよ」 「その名前は聞いたことがあるな。銀河系のこんな渦状肢で彼女は何をしているのかね?」 「ルルを少し買ったんだよ。彼女にはしなくちゃいけない仕事があったから」 「ルルを買ったって、ええPところが彼女はきみに旅券代としてびた一文渡さなかったというのかね?月旅行料金の百五十クレジットぐらいはどうにでも融通できると誰しも思うのに」 「いや、彼女はとても気前のいい人だよ」とジョi。「それに彼女はルルを買ったんだから、彼女のことを悪くとってはいけないんだ。彼らを所有することは、とてもとても悲しいことなんだから」 「わたしがルルを買えるほどの金を持っていたとしても」とオスカー。・「どうということはない、コヨヤヤそう、何もわたしを悲しませはしないQルルを少しだって〜いったい彼女は何匹買ったんだね?」 「七匹さ」 オスカーが額に手をあてて、ヒューと口笛を鳴らした。「しかもその値段は等比級数的に増加する!二匹買うには、一匹を買う四倍の金がかかるのは知ってるだろう。それでも彼女はびた一文くれなかったんだね7」 61 罫r、, ー. 』 ∫ ---------------------[End of Page 1]--------------------- F ジョーは再び頷いた。 「信じられん。そんな話は今まで聞いたことがない。彼女がどれほど途方もなく富裕でなければならないか、きみにもわかるだろう〜」 ジョーは首を横に振った。 「きみはあまり聡明ではないんだね?」 「おれがどれだけかかるのか訊かなかったから、彼女も教えなかったんだ。おれは彼女の船の単なる宇宙船ゴロだったんだからね」 「宇宙船ゴロ?刺激的な響きがあるね。わたしもきみぐらいの歳には、いつもそんなことをしてみたいと思っていたんだ。だが、度胸がなかったんだな」でっぷりと太った男は、突然落ち着かなげな表情を浮かべてターミナル内を見回した。「ああ、アルフレッドはやってきそうもないな。彼の旅券を使いなさい。受付に行って要求すればいいだけだから」 「でもおれはアルフレッドの身分一証明をするようなものは何も持っていないんだよ」とジョー。 たぐい「アルフレッドは身分証明書など持っていたためしがない。いつでも財布やそんな類のものを失くしてしまうんだよ。わたしが彼の予約をとってやる時はいつでも、彼が何ら身分証明に相当するものを持っていないことを条件にしている。だから、きみはただアルフレッド・A・ダグラスだといえばいい。それで旅券はもらえるから。さあ、急いで」 6〜 「うん、わかった」彼は人々の間を通り抜けて、事務員のところに行った。 「すみません」と彼はいった。「A・ダグラスの旅券はありますかp・」 受付の事務員はひとわたり名簿に目を通した。「ええ。ちゃんと載ってますよ」ジョーに向かってにやりと笑う。「地球では相当お楽しみなさったようですね」 「はあ?」 「この旅券は三日もあなたを待っていたんですよ」 「ああ」とジョー。「いや、ちょっとごたごたがあってね、それが治まるまで両親に会いたくな、かったんだよ」 事務員は頷き、片眼をつぶってみせた。「これがあなたの旅券です」 「ありがとう」そういって、ジョーはオスカーのところに戻った。 「次の便はちょうど今乗船中だ」オスカーがいったσ「さあ、行こう。やっこさんは別の方法で来るしかないだろうよ」 ラソプ船上でジョ!は尋ねた。「<でかぶつ>がまだ月にいるか知ってる〜」 「そう願いたいね。わたしの聞いたところでは、彼はどこにも行かないらしいし」 「見つけるのは難しいと思うかい7」 「そうは思わないね。それにしても窓の外は美しい眺めではないかね?」 63 ---------------------[End of Page 2]--------------------- 64 月のターミナルから出た時も、オスカーはまた別の卑狼な話を事細かに喋っていた。頭上一マイルのところで円弧を描いているプラスチドームを、陽光が三日月形に明るく縁どっている。彼らの右手では月の山脈が大きく湾曲しており、背後には緑色のポーカーチップのような地球が天にかかっている。 突如、誰かが叫んだ。「あそこにいるぞ!」 女性が悲鳴をあげ、後じさりした。 「つかまえろ!」別の誰かが叫ぶ。,、 「いったいぜん……」オスカーがまくしたてようとした。 ジョーはあたりを見回し、習慣的に左手をあげた。だが鉤爪はない。連中は四人一人は後ろ、 人は前、そして両横に一人ずつ。身をかわしたはずみに、オスカーにどんと突きあたる。 するとオスカーはバラバラになってしまった。その破片が、彼の足の周りをぐるぐると回っている。 周りを見回すと、ほかの四人の男も爆発した。そのぶんぶんとうるさく飛び回る破片は、彼の周りを回って取り囲み、その包囲を狭め、他の下船者たちの当惑した顔をぼやかした。と、突然その全部が合体し、彼は恐ろしい暗黒の中に閉じ込められた。意気沮喪しかけた寸前、彼に一条 ' .』ピ一 の光明が差し込ルできた。 「ボシーー.」誰かが甲高い声をあげた。「ボシー……!」 ジョ!はひどく小きな部屋のバブル・チェアに降ろされた。その部屋は動いているように思えたが、はっきりそうとはいいきれなかった。もとオスカーだった声がいった。「エイプリル・フールだ。驚いたかね」 ジヤツプ「くそっー・」ジョーは叫ん、で立ちあがった。「いったいどうなってんだtどうなってるんだ?」 「エイプ堕ル・フールだ」その声は繰り返していった。「わたしの誕生日でもある。きみは混乱しているようだな。でもすっかり度胆を抜かれだわけではないんだろ?」 「死ぬほど-こわかったぞ。これはどういうことだ?おまえは誰なんだP」 ラソプヲソプ「わたしは<でかぶつ>」と<でかぶつ>がいった。「きみは知ってると思ってたんだがな一 「何を知ってるってP」 「オスカーやアルフレッドやボシーなんかの役割をだよ(嗣継励創恥陶劇膨び琳叡筆叔沖ゆ邸外揮ガ而畝型肺)。 ともに楽しんでくれているものと思っていた」 「何を楽しめっていうんだPおれはどこにいるんだ?」 / 「もちろん、月だよ。ぎみがここに来るのにそれが賢明な方法だと思ったんでね。サン・セヴ.エヤヤヤヤヤヤコぬヤリナはきみの料金を払ってくれなかった。彼女はわたしがしてくれるだろうと考えたのだ。それ 65 1'i' ---------------------[End of Page 3]--------------------- で、わたしがその勘定をたてかえたんだから、少しは楽しませてもらわなければ割に合わない。 ぴんとこなかったかねP」 「何が来るって?」 「ただの言い回しだよ。よくやることなんだ」 「そうかい、次回は気をつけておくよ。ところで、きみは何者なんだ?」 リソギステイックロユ ピキタスドランプ「どこにでも存在する言語マルチ・プレックスだ。きみにとっては<でかぶつ>だよ」 「一種のコンピュータなの〜」 「うーむ。まあ、そんなところだな」 「それで、これからどうなるんだいP」 ランブ「きみはわたしに相談するだろう」と<でかぶつ>。「そしてわたしが手助けをする」 「おお」とジョー。 バブル・チェアの後ろからくすくす笑いがして、ディクが姿を見せ、ジョーの前に坐ると、非難するように彼を見た。 「おれをどこへ連れて行ってるんだい〜」 「わたしの中央コンソールヘだ。そこで休養しながら計画を立てればよい。坐ってくつろいだらどうかね。三、四分もすれば着くから」 66 ジョーは坐り直した。が、くつろげなかった。それで、オカリナを取り出し、が開くまで吹き続けた。 テンプ「さあさあ、到着だ、ぞの日のうちに帰れるとはね」と<でかぶつ>がいった。 いか含」 前面の壁にドア 「入ってくれな 67 ---------------------[End of Page 4]--------------------- 68 9 「おれは」ーコンソールにケープを投げつけるー「こうしちゃ」ーガラス壁に小物袋を投げつけるー「いられないんだ!」最後はディクヘの飛び蹴り。だが、ディクが身をかわしたので、ジョーは危うく転びそうになった。 ヲソブ「誰がきみの邪魔をしているんだね7」<でかぶつ>が尋ねた。 ジヤツブ「くそっ、きみじゃないか」ジョーが捻った。「なあ、おれはもうここに三週間もいるんだぜ。 きみは、おれが出て行こうとするたびに、あのえんえん九時間もの馬鹿馬鹿しい話し合いをして、それですっかりおれをくたびれさせてしまうんだ」彼は広間を横切ってケープを拾いあげた。 「その通り、おれはまぬけだよ。でも、どうしてきみはそんなことを繰り返して楽しむんだ?ダドクサイド目おれは未開惑星出身のノープレックスなんだから、仕方がないことー」 ラソプ「きみはノープレックスじゃない」と<でかぶつ>。「きみのものの見方はもう完全なコンプレ ,りr q1■ 1『 ックスだ1古いシンプレックス観に対するわからなくもないノスタルジアを、まだたくさん抱えてはいるがね。時々きみはそれを議論にも持ぢ出そうとする。あの時、。見かけ上の現在"(蝸昂駄燦陛弛肛畑朔賠ガ創馳鉱並鰍酢魔甜樋)の理解を阻んでいる心理要因をわれわれが議論していた時も、きみが頑固に」 「いや、ちがう、きみは間違ってる!」とジョー。「おれは別のものになるつもりなどないんだ」 そのとき彼は広間の反対側に転がった小物袋を拾っていた。「おれは出て行く。ディク、行こうぜ」 ノラソプ「きみは」と普通より威厳をこめて<でかぶつ>がいった。「愚かになりつつある」 「そう、おれはシンプレックスだ。今でもそのままなのさ」 「知識とプレックスに相閑関係はない」 「きみが四日間かけて動かし方を教えてくれた宇宙船もある」ジョーはガラス壁の向こうを指さしていった。「おれがここにきたその晩に、催眠記憶でおれの頭ん中に道筋も植えつけてくれている。いったいぜんたい何がおれを止めているというんだ?」 ヤヤヤラソブ「何もきみを止めてはいない」と<でかぶつ>が答えた。「だから、そういう考えを念頭から追い出せば、きみは落ち着いてこのことをじっくりと考えられるのに」-・- 腹をたてたジョーは、チェック・ランプやプログラム・修正用キイボードが点滅する、,六十フィ 69 ' ---------------------[End of Page 5]--------------------- テアブートものマイクロリンクやロジック・ブロックの壁に面と向かった。「<でかぶつ>、おれはこヤヤこが好きだ。きみは友だちとしては偉大だ、実際、そうなんだ。しかも、食い物も運動も全部与えられている。だけど、おれは気が狂いそうなんだ。このままきみを残して出て行くのがたやすいことだとでも思ってるのかいP」 ヲンプ「そう感情的になりなさんな」と<でかぶつ>。「わたしはその手の処理向きに作られていないんだから」 「宇宙船ゴ・をやめてから、今までの入生のどの時期よりも、おれが仕事をしていないことをきみは知ってるかいλ」 「きみはまたどの時期よりも変わったのだ」, ラソプ「なあ、<でかぶつ>、わかろうとしてくれよ」彼はケープを落としてコンソールに戻った。そラれはマホガニー製の大机だった。彼は椅子を引き出すと、その下に這い込み、膝を抱いた。「〈でンブかぶつ〉、きみが理解しているとは思わない。だから、聞いてくれ。きみはここにいながらにして、銀河系のこの渦状肢中のすべての図書館や博物館とつながっている。きみにはまたたくさんの友人もいる、サン・セヴェリナのような人やいつもきみのところに立ち寄っていく人たちだ。 きみは本を書き、音楽を作り、絵を描く。だけど、図書館もないし、テレシアターも一軒だけで、土曜日の晩に酔っ払う以外にすることがなく、四人ほどしか大学に行ったことのある者はおらず、 70 ー-」 金儲けにあくせくしていてきみが会うこともないような人々がいて、誰もが誰の仕事のことも知っている、そんな小さな単一生産社会にいたら、きみは幸せでいられたと思うかい?」 「いや」 ランプ「でもおれはそうだったんだよ、<でかぶつ>」 「では、どうしてきみは出てきたんだ?」 「そりゃあ、伝言のせいで、それにおれの知らないものがたくさんあると思ったからだ。おれに出て行く屠意ができていたとは思わないがね。とにかく、そこじゃきみは幸せではいられない。 だがおれはいられた。ことはそれほど単純だけど、きみが充分に理解しているとはとても思えないんだ」 ランプ「わたしはしているよ」と<でかぶつ>。「きみがそういうところで幸せであってくれたらと思う。なぜなら宇宙はほとんどそんなところばかりだからだ。きみはそういうところで人生の大半を過ごすことになっていたのだから、そこを楽しめなかったら、むしろ悲しいことになっただろう」 ディクが机の下を覗き込み、ジョーの膝に飛びのってきた。机の下は常時十度も暖かく、温血動物のデイクとジョーにとっては、別々であれいっしょであれ、何度となく潜り込んだ素敵な場所なのである。 71 1 ---------------------[End of Page 6]--------------------- ,』■ 1.!一 ラソプ「今度はきみが聞く番だ」<でかぶつ>がいった。 ジョーは机の側面に頭をもたせかけた。ディクが膝から飛び出していき、すぐにプラスチック製の小物袋を引きずって戻ってきた。ジョーはそれを開けてオカリナを取り出した。 「わたしのいいたいことは、もうほとんどきみに話している。だがきみにはわたしに尋ねることがあるはずだ。きみはまだほとんど質問していないからね。きみがわたしのことを知っているよりもずっと、わたしはきみのことを知っている。そしてわれわれが友人ならーそれはきみにとってもわたしにとっても非常に大切なことだーこういう状態は改めるべきなのだ」 ラソプジョーはオカリナを降ろした。「その通りだー<でかぶつ>、おれはきみのことを知らなさすぎる。きみはどこの出身なんだい?」 「わたしは、瀕死のルルがその遊離していく意識を収納するために作ったものなのだ」 「ルルだって7」ジョーが訊く。 「彼らのことを忘れかけていたのかね?」 「いや、そうじゃない」 「つまり、わたしの意識はルルの意識なんだ」 「だけどきみはおれを悲しくさせないぜ」 「わたしは半分ルルで半分機械だ。だから保護はされていないのだ」 フ2 「'←一目 目'・[- 「きみがルルだって〜」ジョーは信じられないとでもいうように再び訊いた。「全然思いもしなかったなあ。でもそれをおれにいったからといって、それでどういう違いがあるというんだいP」 ラソブ「まあ、そういうことだな」と<でかぶつ>。「だが、きみがきみの親友のことをいいだしたら、わたしはきみを尊敬しはしないからね」 「おれの親友がどうしたって〜」とジョー。 「また別の言い回しだよ。わからなくてもいいんだ」 ラソプ「<でかぶつ>、どうしておれたちはいっしょに行かないんだい?」突然ジョーがいいだした。 「おれは出発するそう決心したんだ。どうしていっしょに来ないんだ〜」 「いい考えだ。きみがそういうとは思っていなかった。とにかぐ、それがここから出て行く唯一の方法なのだ。むろんわれわれの向かう星域はルルの解放にひどく敵対的だ。そこはもう帝国の直轄領なのだから。彼らはルルを保護しており、その保護に背を向けて、ひとり自由のままでいようとすると、彼らにかなりの動揺を引き起こす。彼らのすることには相当むごいものがあるという話だからね」 「じゃあ、訊いてくるやつがいたら、きみはただのコンピュータだといえばいいさ。だって、おれもきみがいわなければわからなかったもの」 し ラマブ「わたしはいうつもりなどない」<でかぶつ>がきっぱりといった。 73 ・-・b ¶ ---------------------[End of Page 7]--------------------- 「なら・きみ瞥壱↑タだと搾諏ぞ期愈.さあ出かけようや。.〕んなことしてた咳何睡も三にい欝ち察象い.また議論を始めてるみたいだからな」彼は机の下から出て、ドアに向かった。 「コメツト?」 ジf笠ち止壱・肩ごしに唇返った.「何だい-まさか気が変わったというんじ泰いだろうねP」 「険ちがうよ罫ち2蒐し箸くつ壱だ.だが,,.,-つまり、わたしが〜正直にいおう通りをのそのそと歩いてたら、『おや、ぎに書存在する一一一一口薄ルチ.プレックスがあそ差歩いている』と犬々は本堂リワ恵うか▽そして化だと憲窪い蒼うか?」 「おれが何かいうとしたら、そういうだろうな」 「わかった・ジ下ナル擦ま斎薄築って行け朕い.そ.〕で四雰健会碧」 亀裂が走った月面の塵埃平原を卵形宇嘉筒かって走るジ・あ讐ディク茨査憲いかけていった。 ステイシス カぴソト翻嘉とは冥王星の彼方毒奮査のうた船蓬んでいく全の麓空間携ことである・竺ま書経馨熟緊嘗よる損傷憲れずに太陽季健できるわけだ。 74 」.r ■r■r そこには、各辺約十マイルの巨大なプラスチック厚板があり、その上には建物と大気と、そしていくつかの娯楽区域が設けられていた。ジョーは船を横町に停め、冷え冷えとした大気の中に踏み出た、 広場では兵士たちが隊形訓練を行なっていた。 「何であんなことをしているんだい〜」近くで休憩している制服姿の男に尋ねてみた。 「あれは帝国軍の野戦旅団だ。二、三日中には出ていくよ。ここには長くいないから」 「おれは別に文句をいってるわけじゃない」とジョー。「ただ興味があるだけなのさ」 「そうかい」とその兵士はいっただけで、それ以上何もいってくれなかった。 「どこへ行くんだい7」しばらくしてジョーが訊いた、 「あのな」しつこい子供を相手にするように、兵士はジョーの方を向いていった。「帝国軍のことは、じかに見れること以外すべて秘密なんだ。連中がどこへ行こうとおまえには関係ないんだから、そんなことは忘れちまいな。もし関係あるというんなら、ナクター王子に許可をもらってからにしてくれ」 「ナクターってP」ジョーが訊く。 「あの人だ」兵士は歩兵小隊を指揮している色の黒い山羊髭の男を指さした。 hおれにはあまり関係ないんだよ」とジョー。 75 ---------------------[End of Page 8]--------------------- 兵士墨想っかし窺墾誉と、立ち上奮、歩き去った.黒のケ少が男たち雲びきび頭した方向転換に合わせて翻る。 そのぎ見物人の間にどよめきが起こった.空を見上げ、指をさし、興奮して喋り始める. 広場に向かってきりもみ降下してくるそれは、太陽を覆い隠し、次第に大きくなっていった. それはほぼ立方体といってよく、しかも巨大であった-;の票曼ると別の面覚え なくなる・突然ジ7筆いつ突きさ姦った.各辺がゆ畠四分の;歪はあったのだ. それは広場にぶちあた臥ジョーや兵隊た塾、そして高い建物生つ釜倒した.大混乱が 起こり・サイジが野響、人々がその物体の周堵右往左往した., ジョーはあ方に駆け出した・低男のおかげでか馨速くそこ窪ぢ薄た.その区域を 中心に辰罎笑慕響目姦本走っている.その一奮跳び越え蒔籔、下に星が見え た。〆、 愛の蓼反対鯉唇ると、少し歩調議めた.その物体は煮をり返るある毯ゼリ毒 嘗れていた・そのゼー乏はどこ覧覚えがあるよ皇思えたが、どこでかはわからなかった.その暖かな湯気をあげている泥水穿かして、彼の方に向いた物体の面がガラスでできているのが見分けられた・そしてその奥に、冥量の覇か芝寛やりと、マイク。リンクやロジック・ブロックが、チェック・ランプのかすかなきらめきが見える。 一「■ j饗嘩 ハ 目」 ヲンプ「<でかぶつ>!」ジョーは前に走り出しながら叫んだ。 「しいいっ」ゼリーに押し殺されだなじみのある声が聞こえてきた。「わたしは注意をひかないようにしているんだ」 ヤヤヤヤヤ・今ではもう兵士たちが近づいてきていた。「とにかく、いったいあいつは何なんだいF」と『人がいった。 「あれはどこにでも存在する言語マルチ・プ比ックスだ」と別の兵士が答えた。 辱ねた兵士は頭をかきながら、その壁の大きさをじろじろと眺めた。「地獄みたいにどこにでも存在するってんだなP」 三人目の兵士は広場の裂け目を調べていた。「こいつを直すにはあのくそったれのルルを使わなくちゃならんと思うかいP」 ランブ<でかぶつ>が小声でいった。「連中の一人にわたしに面と向かって何かいってみろといってやってくれ。一人だけでいい一 「ああ、黙って」とジョー。「でないとおれの娘と結婚させないぞ」 「それがどういう意味か知ってるのかね?」 「単なる言い回しさ」とジョー。「先週きみが居眠りしてる間に少し読書したんだよ」 ラソブ「おもしろい、非常におもし,ろい」と<でかぶつ>。 .・目四._■■:-〜■d■ド■寸・-■■』ドdd■ゼ目』..,』いジー■ご-二.- 77 ---------------------[End of Page 9]--------------------- 兵士たちが立ち去り始めた。「ルルなんて手に入るもんか」とその『人が耳をかきながらいった。「これは兵隊の仕事だよ。とにかくおれたちが全部直して回らなくちゃならんのさ。だけど、ヤ ヤエヤ近くにくそったれのルルでもいたらなあ」 ランプ<でかぶつ>のチェック・ランプがいくつかゼリーの奥で色を変えた。 ジヤツプ「いったいきみを覆ってるそれは何なんだい?」ジョーが後ろにさがりながら尋ねた。 ランプオ ガニフオドム「わたしの宇宙船だよ」と<でかぶつ>。「有機宇宙船を使っているんだ。わたしのように生命のないものにとっでは、すごぐ快適なものなんだよ。今までにこういうものを見たことはないのかね?」 「そうーいや!リスであった。それでトリトヴィアンやら何やかやがやってきたんだ」 ラソプォロガニフオしム「おかしいな」と<でかぶつ>。「彼らは普通有機宇宙船を使わないんだがな。特に生命がないというわけではないんだからね」 コンピュータの周りには大ぜいの人々が集まってきていた。サイレンも近づいてくる。 「ここから出よう」ジョーがいった。「きみは大丈夫なのかい〜」 ラソブ「大丈夫だ」と<でかぶつ>。「ただ広場の方が心配だな」 「血まみれだけど降参はしていない」とジョー。「これも言い回しだよ。先に行ってくれ、タンタマウントでム云お・フ」 フ8 ラソプ「わかった」と<でかぶつ>。「後ろへさがってくれ。離陸する」 ヤコヤヨぶっぶつという音、そしてすさまじい吸い込み、ジョーが風の中でよろめく。再び人々が叫び声をあげた。 場面は変わってジョーの船。ディクが前足で頭をおさえて、ダッシュボードの下に隠れている。 タルロハイパエジョーが離陸ボタンを押すと、ロボ乗組員があとを引き継いだ。広場の混乱が眼下になる。超静ステイシバジヤンブ止空間状態に目を通し、そして彼は跳躍の合図を送った。 メテイシス・ジエネレーターハイパーステイシス. 静止空問発生機が捻り、船が超静止空間に滑り込み始めた。ところが、滑り込みを終える前に、船は急に傾き、彼は激しくダッシュボードに叩きつけられた。手首が衝撃を受け、はずみをくらって彼はふっとぶ。ディクが金切り声をあげる。 「進行方向に気をつけていなさい」スピーカーから声がした。 79 一 、 日〆.ー ---------------------[End of Page 10]--------------------- 80 10 ジョーは下唇に食い込んだ犬歯を引きはがした。 「きみはチェスをやらないのかね」声が続く。「わたしの駒の上に駒を置いたら、わたしのは盤面から出るに出られないじゃないか。以後、気をつけなさい」 「ううううーん」ジョーが口をこすりながら捻った。 「誰に対してもだよ」 ジョーは頭を振り、感知ヘルメットをかぶった。古いジャップのような匂い。水圧機に押しつぶされる金屑のような音。だが見た目には美しかった。 傾斜路が、花のように開いた建物に弧を描いて続いている。細い金属の尖塔がその天辺に突き出しており、もろそうな監視ドームが細い鉄柱に支えられている。 「外に出てわれわれに与えた損傷を調べてくれたまえ」 -、. 「ああ」ジョーはいった。「わかった。確かに」 エプロツクに行き、それを開けようとした時、警告灯が点いたままなのに彼は気付いた。「おい」彼はインターコムで呼びたてた。「外には空気がないぞ」 「きみが用意するものどばかり思っていた」と声が答えた。「ちょっと待ちたまえ」警告灯が消える。 「ありがとう」そういうと、ジョーは開閉レバーを引いた。「ところで、きみは何者なんだいP」 エア・ックの外では、白いうわっぱりを着た禿げかけの男が、傾斜路を降りてきていた。「きジエオデシツクドサドヴエイなまみが衝突しかけたのは、測量調査ステーションだよ、お若いの」本人の生の声はひどく小さかった。「この空気が漏れ出てしまう前に、力場の中に入った方がいい。とにかくいったいきみはどういうつもりだったのかねP」 ステイシスロジヤソプ「静止空間跳躍をしかけていたんだよ、タンタマウ,ントに向かって。おれシンプレックスだったかな?」男は肩をすくめ、ジョーを連れて傾斜路を戻り始めた。 「わたしはそういう判断はしないんだ」と男がいった。「それよりきみの専門をいいなさい」 「おれにはそんなものはない、こともないな」 ツソセサイザヨ男が眉をひそめた。「総合家は今すぐには必要としていない。彼らはきわめて長命だからな」 「プライアジルの栽培と貯蔵りことなら、おれは何でも知ってるんだけど」とジョー。 5エ ---------------------[End of Page 11]--------------------- 男はほほえんだ。「あまり必要ではないな。今はロ訂から切げ鎧げまでの百六十七項目を一冊にまとめているところなんでね」 「一般的な言葉でいえばジャップ(旨唇)というんだ」とジョー。 男は優しく彼にほほえんだ。「旨ならまだまだずっと先のことだ。きみがあと五、六百年生きているんなら、きみの申し出を採用できるんだがね」 「ありがとう」ジョーはいった。「でもおれの方が忘れちまってるよ」 「それはよかった」男が彼を振り返っていった。「さようなら」 ヤヤエ「それで、おれの船の方0損傷はどうなんだ?きみは調べさせてくれないのかい?だいいち、きみがこんなところにいるなんて知らなかったんだから。おれはこの進路上に障害がないことを調べていたんだぜ」 「若者よ」とその紳士はいった。「まず第一に、われわれには優先権がある。第二に、きみは仕事を欲しがりているのでなければ、われわれの空気を無駄使いしてわれわれの親切を乱用していパイオロジドる。そして第三に、われわれは生物学、人間の項目で扱う事前研究に着手しているきみがこれ以上わたしの手を煩わすのなら、わたしはきみを標本として細かく切り刻むからな。まさかとば思うなよ」 「おれの伝言はどうなるんだ〜」ジョーはいつた。「おれはルルに関する伝言をエンパイア・ス 82 』 「■1目 、 ターに持っていかなくちゃならない。しかもそれは重要なんだ。だからこそ、こうしてきみにぶ ■つかることになったんだ」 男の顔に敵意があらわれた。 「結局」彼は平静にいった。「われわれがわれわれの計画をやり遂げれば、その充分な知識から、 建設はルルがいなくてもすませられるようになり、ルルは経済上非実用的となることだろう。き くみコドみがルルに与したいんなら、わたしは即刻きみを分断してやる。父は今アデノイドを研究してい パイカスビツドロロンデユォるし、二頭歯にも研究の余地が多分にある。われわれは最近結腸にとりかかったばかりで、十ニ デイナム指腸はいまだまったく謎のままという状況だ。きみが伝言を伝えたいのなら、ここで伝えればい い」 デコ きわ「でもおれはそれが何なのか知らないんだ!」そういいながらジョーは力場の際に後じさった。 「おれはもう行った方がよさそうだ」 「きみのようなそういう問題のためにコンピュータがあるのだ」と男。「やめろ、われわれの空 気を肺いっぱいに吸い込むな」そういうと、ジョーに向かって突進してきた。・ジョーがその突進を簡単にかわす。 力場は通行可能で、彼は頭をさげて通り抜けた。船のエアロックに跳び込むと同時に、ドアを ヨぴしゃりと閉ざす。警告灯が『秒とたたぬうちに点灯する。8 一 1 1 ---------------------[End of Page 12]--------------------- カレントステイシス彼は船を逆進にし、自動パイ・ットが今なお静止空間流をうまく制御し、さらに深い静止空間レベルまで移行できるよう願った。少々荒っぽかったが、うまくいった。測量調査ステーションピユドプいしトが、ダッシュボードの正面に置いた感知ヘルメットの視覚板から次第に薄れていく。 84 7 ヲソプタンタマゥントの軌道上で<でかぶつ>はたやすく見つかった。そこは氷結したメタンの惑星で、火山活動が激しく、地表には絶えず亀裂が走り、爆発を繰り返している。灼熱の白色倭星の一人娘であり、ここから眺めると、それが二つの眼のように見えた。一つは宝石のように輝き、もう一つは銀灰色で夜闇をうかがっている。 ランプ「<でかぶつ>、おれは故郷に帰りたい。リスに戻って、すべてを忘れちまいたい」 「いった眺どうしてP」コンピュ恥タの疑うような声がインターコムごしに聞こえてきた。ジョLは肘をついて、むっつりとオカリナを眺めている。 「マルチプレックス宇宙が気にくわないんだ。好きになれないんだ。だからおれはそれから逃げ出したい。今おれがコンプレックスなのなら、あまりにひどい、問違ってる。リスに戻ったら、シンプレックスになろうと一生懸命にやってみるつもりだ。本当にそうするつもゆなんだから」 「いったいどうしたんだね〜」 「おれはただ人々が好きになれないんだ。そんなに単純なことなのさ。きみは測量調査ステーシ 一 し 哩漿 』 出 号 『辞■・甲1'.ヒ目竿II ヨンのことを聞いたことがあるかいP」 「ああ、知っている。彼らに出会ったのかね〜」 ・「そう」 ヤヤ「それは不運だったな。そう、マルチプレックス宇宙には処理しなけれぱならない悲しいことがあるんだよ。その一つがシンプレックスなのだ」 「シンプレックスがP」ジョーが訊いた。「どういう音脚味でP」 「きみがマルチプレックスのヴィジョンを相当会得していたことに感謝するんだね。そうでなかったら、とうていきみは生きて彼らから脱れられなかったろう。わたしはシンプレックスな生物が彼らに出会わした話を聞いたことがある。彼らは戻ってこなかった」 「彼らもシンプレックスなのかp・」 「おお、そうだよ。わからなかったのかねP」 「だけど彼らはあらゆる知識を編纂している。それに彼らの住んでいるところはi美しい。彼らが愚かなはずがない、それを造ったんだから」 「まず第一に、ほとんどの測量調査ステーションはルルが造ったものだ。第二に、今までに何度、もいったように、知性とプレックスは必ずしも同じものではない」 「でもそんなことがおれにどうしてわかるというんだP」、 85 '.目: ' '昂 ■・、['. ---------------------[End of Page 13]--------------------- 一一r 「その証拠をあげてもきみの気分を害することはなかろう。彼らはきみに『つでも質間をしたかねP」 「いや」 「それがまず一つの証拠だ、決定的なものではないがね。彼らのいったことから考えて、彼らはきみを正しく判断していたかねP」 「いや。彼らはおれが仕事を捜していると思っていた」 「ということは、彼らは質聞をすべきだったということだ。マルチプレックス意識は質問の必要がある時は必ず質問をするのだから」 「思い出した」ジョーがオカリナを置いていった。「シャローナがそのことを説明しようとしてた時、彼女はこの世で一番大切なものは何かとおれに訊いた。彼らに同じγ一とを訊いたとしたら、彼らがどう答えるかおれにはわかるよう釜がする.あのとんでもない辞書、それと吾科事典か、どうせそんなものだ」 「その通り。その質問に無関係な答えができる者は誰でもシンプレックスなのだ」 「おれはジャップと答えた」ジョーが懐しそうにいう。 「彼らは宇宙の全知識をカタログにしようとしている」 「それはジャップより大切なことだ、おれはそう思う」とジョー。 86 顎 、 「コンプレックスな観点からでは、多分そうだろう。だが、マルチプレックスな観点からでは、どちらも似たようなものなのだ。だいいち、それはかなり困難な仕事だ。わたしが最後に聞いた時には、彼らはすでにBの項まで進んでいたから、きっと>髭臣鎧帥壁霊鎧壁薯a図のことは記載していないはずだ」 「何だ……ええ、きみは何といったんだ?」 「これは、相対論的見地から力学モーメントを算出したまず間違いのない決定的な数値のやや複セツト雑な集合の名称だ。わたしは数年前までその研究をしていた」 「そんな言葉は聞いたことがないな」 「わたしがつけたんだよ。しかしその意味するものはまったく本当のことなんだし、充分一項目をさく価値はある。彼らにそれが理解できるとは思えないがね。だがこれからは、それに対して》9。鎧き器窪窪聾毬器&瀦の名をわたしは使うし、今やわれわれ二人がその言葉を知っているわけだから、それは有効なのだ」 「当は得ているようだ」 「それに、あらゆる知識を、しかもすぐに利用できる知識をもカタログにしてしまうのは……そう、それにふさわしい唯一の言葉はシンプレックスなのだ」 「どうしてP」ー 87 ,' ---------------------[End of Page 14]--------------------- 『 「誰でも必要なことを知ることができるし、目誰でも知りたいことを知ることができる。しかし、誰もが知りたいことすべてを知る必要は、それが測量調査ステーションのやっていることなんだが、結局意味がなく、まとまりを欠くことになる。ところできみの船はどうしたんだね?」、 「これも測量調査ステーションさ。衝突したんだ」 「あまりよい状態じゃないな」 「離陸が少しばかり荒っぽかったんだよ」 「まったくもってよい状態とはいえんな。特にわれわれがどれほど遠くまで行かなければならないかを考えると。どうだい、こちらに乗り移っていっしょに旅をす痘というのはPこの祁騨郭ヨム宙船は美しいし、わたしも離着陸時にはもう少しうまく操船するから」 「着陸時におれの背骨を折らないと約束するならね」 ラソブ「約束する」と<でかぶつ>はいった。「わたしがきみに追いつくから、きみは船を左旋回させなさい。そうすればそのおんぽろ船をそのままの位置においておける」 船が接舷した。 「ジョー」柔軟な管がエア・ックに接続されると、〈が加ぶゲVがいった。「きみが本当に帰りたいのなら、まだ帰ることはできる。しかし、戻ることが進むことより難しい地点に来ているのも確かだ。きみは特殊な教育を相当受けている。サン・セヴェリナやわたしが教えたものだけで 呂8 卜, ■なく、きみはリスでも学んでいたのだ」 ジョーは管状通路に踏み込んだ。「おれは今でむ故郷に帰りたい」コンソール・ルームに向かラソプう歩度が遅くなる。「<でかぶつ>、たとえきみがシンプレックスであったとしても、きみは時々自分自身に向かって、わたしは誰か〜と問うてみるんだろうな。わかってる、測量調査ステーションがシンプレックスだといってくれるのは。それで少しは気が安まるがね。でも、おれは今だにジャップ農場に戻って、野性のケパードと闘いたがってるごく普通の子供なんだよ。それがおれなんだ。それがおれの知ってることなんだ」 「たとえ帰ったとしても、きみは周りの人々を測量調査ステーションの連中と同じように感じることだろう。きみは故郷を去ったのだよ、ジョi、なぜならきみは幸せじゃなかったからだ。そうじゃないのかねP」 ジョーはコンソール・ルームまでやってきたが、そこで立ち止まり、両手をドア枠にかけた。 ジヤツブ「くそっ、その通りだ。ちゃんと覚えてるよ。おれは違ってると思ってたんだ。だから、伝言がやってきた時、それがおれの特異性の証左だと思ったんだ。ほかには何もなかったからな。わかランプるま恥さ、<でかぶつ>」ードア枠に手をがけたまま前に身をのりだすー「おれが実際に特マヤ異だと知ってたなら確信してたかどうかのことだーおれは調査ステーションなんにかそれほど驚かなかったさ!でもおれは人生の大半を徒費し、不幸せで、また平凡でもあったようだ」 〆h蔀畠.』ejPバトd.階先、目.レ■■.』、-』,:一.ー:1■ゾ■-ーぴ漕∵y〕.』、i-、..{ざーg『.…昏盲,慌■』『』■;。■ー、ー- 喜 89 ---------------------[End of Page 15]--------------------- 、 「きみはきみだよ、ジョー。ぎみはきみであり、きみが黙考したい時に何時問も坐ってディクを見っめる癖から、赤いものより青いものに十分の一秒速く反応する癖まで、きみのしたすべてでもある。きみはきみがかつて考えたすべてであり、きみの望んだすべてでも、そしてきみの噌んだすべてでもあるんだ。そしてきみの学んだすべてでも。きみは多くのことを学んでいるからね、ジョー」 ラアブ「でも、それがおれのものだと知っていたらの話だよ、<でかぶつ>。それがおれの確信したいことなんだ。つまり、伝言が本当に重要なものなのか、そしておれがそれを届けることのできる唯一の人間なのか、といヶことが。おれが受けたこの教育が、おれをトえーと、つまり、何かジヤツブ特別なものにしたと実際に知ってたなら、このまま進んでもかまわなかっただろう。くそっ、おれは幸せでもあっただろうさ」 「ジョー、きみはきみなのだ。そしてそれはきみがそうありたがってるのと同様に大切なことなんだよ」 テンブ「多分それがこの世で一番大切なことなんだろうな、<でかぶつ>。その質問に答えがあるんなラソブら、<でかぶつ>、それがそうなんだ、きみがきみ自身であってほかの誰でもないと知ることが」 ちょうどジョーがコンソール・ルームに足を踏み入れた時、通信機のスピーカーがぶつぶつと go、 .論目二一 ランいいだした。ジョーがぐるりと見回すうちに、その音は大きくなった。「あれは何だい、〈でかプぶつ〉?」 「わからない」 オドガニフオウムドアが閉まり、管が離れ、壊れた宇宙船が漂い去っていく。有機気泡に覆われたガラス壁を通してぼんやりと歪んだその姿を、ジョーはじっと見つめていた。 今度はスピーカーが笑っていた。 ディクが一本の足で耳をかく。 ヲンプ「何かが向こうから近づいてくる」<でかぶつ>がいった。「しかもひどく速い」 ラ笑い声が大きくなり、ついにヒステリーとなって、大きな部屋を満たした。その何かは、〈でンブかぶつ〉のガラス壁をかすめるように通り過ぎると、突如ぐるっと旋回し、すぐに二十フィfト離れたところで停止した。 笑い声がやみ、ついで疲れたような喘ぎに変わる。 そいつは巨岩の破片のように見えた、ただ前面部だけは磨かれたように輝いている。タンタマウントの昼側に少しずっ漂っていくにつれて、白光がその表面から滑り落ち、ジョーはそれが透明な板ガラスであったことを知った。その奥には、両手両足を大きく広げた人影が身をのりだしている。とこからでも、その胸がコンソール・ルーム内で荒れ狂う喘ぎに合わせてもちあがるの 9! ---------------------[End of Page 16]---------------------