(『論座』2005年8号)
山形浩生
丸善本店(丸の内)。会社の隣にあって便利なのとでかくて知らない本がたくさんあるのがポイント。
本屋だけのせいとは言い難いけれど、知ってる本か見た瞬間に中身の見当がつく本しかおいていない場合が多すぎ。行ったときに関連した意外な本が見つかるようでないと、実際に本屋に行く意味がないのです。
本当であれば、物理の本と経済学の本が混じったり、ビジネスの本が美学の本やコンピュータの本と並べてあったり、というようなジャンルをまたがる関連書の紹介がほしいところ。ネット書店、特にアマゾンの強みの一つは「この本を買った人はこんな本も買っています」という紹介でこれに近いことができているところ。リアル書店ではかなりの何でも屋が店員にいないとこれは不可能に近いから、近似値としてでかい本屋がよい本屋になってしまうが、それでも少し本の集め方に主張や嗜好が見られると嬉しい。